割烹 松本館×太田南海×小畑多丘
「割烹 松本館」【国登録有形文化財】【松本市近代遺産】
人生は旅に似ています。エンタテインメントは、その旅路に喜びと輝きをもたらす魔法！
北アルプスを臨み、澄んだ空気が心地よい、長野県松本市。「名建築にアートが住み着くマツモトの冬。」をメッセージに、ユニークで訪れる者を愉しませる芸術祭が開かれています。今年が初めてとなる、「マツモト建築芸術祭」です。
松本市内に数多く残る名建築19カ所とアーティスト17名がコラボレーションをし、まだ見たことのない新たな「松本」の表情を魅せてくれます。松本市近代遺産、国登録有形文化財、国宝、長野県宝に登録されている建築が、展示参加しています。
明治23年創業の老舗料亭である「割烹 松本館」では、地元出身で卓越した技巧で明治時代に名を馳せた名匠・太田南海、現代アーティストの小畑多丘、二人の作品を見ることができます。新旧の彫刻家と大広間の見事な相乗効果でインパクトがある展示になっています。
「割烹 松本館」鳳凰の間に立つ、小畑多丘の作品「B GIRL」。機械を使わず、手で彫るスタイルで、非常に難しいと思われるジャケットの細部まで表現。ロンドンで作られた作品で、日本での展示は初めて！
本芸術祭の期間限定でよみがえった、松本市近代遺産の二つの会場「上土シネマ」と「旧宮島肉店」も、話題です。
上土シネマ【松本市近代遺産】×鴻池朋子
90年にわたって親しまれ、平成20年に閉館した「上土シネマ」では、鴻池朋子による映像を上映。中に入ると、当時の映画館の雰囲気が感じられ、作品を座席に座って観られる。
松本で最初の精肉店、旧宮島肉店。旧建築そのままで外壁にある「M」をモチーフにしたマークは、ディテールにこだわり、シンプルながらも洗練されたデザイン。現代アーティストの五月女哲平は、店と肉の加工場などがあった内部を再構築して、絵画、立体、写真、音楽を織り交ぜた作品を展示し、現代によみがえらせました。
旧宮島肉店【松本市近代遺産】×五月女哲平
アクリル作品で仕切りを入れた、古い牛の絵と現代の作品が共存する空間は、独特の世界観。
市内の会場は、他にも、見どころがたくさんです。
白鳥写真館×白鳥真太郎
1980年代から広告写真家として活躍する白鳥真太郎は、自身が四代目である白鳥写真館【松本市近代遺産】とコラボレーション。
まつもと市民芸術館×井村一登
ホールに続く階段に、アーティスト井村一登の作品を展示。長野県の和田峠で採取した黒耀石ほか様々な鏡の素材と技法を用いて創作した、「自分が映らない」鏡を展示。
国宝の松本城
会場のほとんどは松本城を中心に800m以内にあり、街歩きの感覚で芸術祭を愉しめます。しかも、本芸術祭の入場料は無料です。今年の冬、この雰囲気が感じられる松本は、今だけです。
「マツモト建築芸術祭」の写真協力
photo: Kazumi Kiuchi
会 期: 2022年1月29日(土)~2月20日(日) 開催中
入場料: 無料
