ひとり旅にアート心も入れて by 塩見有紀子

カヤックへのお誘い-Vol.4「オススメフィールド・伊豆」

オススメフィールド第二弾は伊豆。「えっ? 伊豆?」「温泉は有名だけど、カヤックを漕ぐの面白いの???」なんておっしゃる方もいるかもしれません。でも、伊豆を侮ってはいけません。伊豆、特に西伊豆はシーカヤックにとって素晴らしいフィールドなのです。

何十キロもガンガン漕ぐベテランカヤッカーは別として、私のように「海の上にいることが好き」という初心者カヤッカーにとって大切なのは、カヤックを漕ぎながら美しい景色を眺められることです。流れのある川と違って、シーカヤックは基本的に自分で漕がないと前に進みません。ヘタすると、潮の流れによって後退してしまうこともあるほど。カヤックは、パドル(オール)一本を使って舟を自力で動かすという、原始の時代からほとんど変わらない苦行のような(?)アクティビティ。漕いでいる時間を少しでも楽しく過ごしたい、というのが心情ではないでしょうか?

kayak-1.jpgkayak-2a.jpgその点、西伊豆は入り組んだ複雑な海岸線、切り立った断崖絶壁、カヤックでしか入れないようなトンネルや洞窟など、初心者カヤッカーが楽しめるスポットが豊富です。こぢんまりとした浜に上陸してランチを食べたり、あたたかい時期ならシュノーケリングを楽しむこともできます。

私が今まで漕いだことがある西伊豆のフィールドは、松崎近辺や、岩地(いわち)、雲見崎の先にある海蝕洞窟「千貫門(せんがんもん)」、野猿の生息地として知られる波勝崎(はかちざき)近辺など。カヤックではまだ未体験エリアですが、松崎の北側に位置する堂ヶ島では、穴から差し込む太陽が海をエメラルドグリーンに染める幻想的な天窓洞(てんそうどう)へもカヤックで入って行けるそうです<但し、遊覧船の運航終了後>。Tensodo.jpgまた、天気がいい日にはカヤックを漕ぎながら富士山を海上から見られるなんてことも。Nishiizu.jpg

    

kayak-91.pngこれから秋に向けては特に水も澄んで海がより美しくなる季節。暑くもなく寒くもなく気候的にもカヤックに適した大変いい時期です。松崎にはベテランカヤッカーがガイドをしてくれるカヤックショップもあります。さらに、松崎や岩地には7000〜9000円前後で泊まれる手頃な 料金の民宿も豊富です。もちろん、ほとんどの宿は温泉付き。日帰り温泉施設も点在しています。心地よい疲れを温泉で癒し、新鮮な地魚たっぷりの料理を堪能する。こんな贅沢なコ ースを試してみては?

kayak-b.jpg最後にひとつ。なんと、11回目を迎えた「伊豆松崎シーカヤックマラソン」に、今年の6月参加してきました! 岩地観光協会や岩地の民宿など、町ぐるみで毎年6月に開催されるシーカヤックレースです。今年の参加艇は約170艇、応援参加を含めると約250名にもなる大きな大会です。成績重視のレーサーカヤッカーから、景色を楽しみながら参加するのんびりカヤッカーや、なんとコスプレカヤッカーまで、全国からシーカヤック好きが集まりました。2人艇で参加した私はもちろん、距離約14kmのコースの行程中、漕ぐ手を度々止めて写真を撮りながら参加したのんびりカヤッカー。完漕168艇中、順位は160位。それでも楽しいのです! 

(執筆 塩見有紀子)

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