【古墳プロフィール】
名 称:芝丸山古墳
古墳の形:前方後円墳
時 代: 5世紀頃
整備状況:都指定史跡として整備
今回は東京タワーのお膝下、芝公園内にある芝丸山古墳をご紹介します。5世紀頃の築造で全長は112m、都内屈指の規模を誇る前方後円墳です。
芝公園の梅園を抜けて階段を上ると古墳が見えてきます。
前方部への登り口に石碑と案内看板が立っています。
古墳を発掘したのは、日本の人類学や考古学の先駆者として知られる坪井正五郎博士。明治30・31年に試掘と発掘調査を行います。しかし古墳は江戸時代以降に改変が加えられており、調査時には墳頂部は削平されていて、後円部中央にあったと想定される埋葬施設は失われ、副葬品も見つかりませんでした。
とはいえ貴重な発見に坪井博士は保存を訴え、「瓢型(ひさごがた)古墳」と命名して後円部上に「瓢型大古墳」と刻んだ石標を設置しました。この石標は、今も後円部に鎮座しています。
前方部から見た後円部。ビジネスマンやウォーキングをする人など、
多くの人が古墳上を通過していきます。さすが都会の古墳です。
存在感のある石標ですが、訪問時にはそれと知らず、
「瓢型大古墳」の文字を確認できませんでした。
行かれる方はぜひチェックしてみてください。
現在、古墳は墳頂部と西側および北側が削平されていますが、東側からは前方後円墳の姿を真横から眺めることができますし、上に登ることもできます。2020年には古墳の規模などを確認する遺構調査が行われ、古墳の本来の形などが明らかになっています。新たな知見を得て、歴史は今でも少しずつ塗り替えられているんですね。
遺構調査の様子をまとめた動画があります。お出かけ前に見ると参考になりますよ!
【芝公園】芝丸山古墳遺構調査
パノラマ写真で見ると、その全景がよくわかります。左側が前方部、右側が後円部です。
海岸線近くの海を見渡せる高台に築造された前方後円墳であることから、被葬者は海上交通と物資の流通を掌握した、南武蔵有数の豪族であると推察されています。
★古墳日和ポイント★
東京タワーに登れば、上から芝丸山古墳を見ることができます。海までの近さも体感でき、遥か古代に想いが馳せられます。