緊急事態宣言が解除となりましたが、都道府県をまたいでの旅に出ることはまだもう少し、自粛したいものです。そんな今だからこそ、「旅心貯金」をしてみてはいかがでしょうか。わくわくする次の旅への想いを心に貯めて、あたためておく。旅恋厳選、旅心を誘う記事を緊急企画しました!#旅心貯金 #旅恋
料理教室を主宰し、日本全国の食材を訪ね歩く奥田ここさんによる「海の京都」と呼ばれる京都府北部のご案内2回目です。海の京都①はコチラ
第14回 海の京都② 日本で海からいちばん近い蔵―向井酒造(京都府)
伊根湾の舟屋に蔵をかまえる向井酒造の創業は江戸・宝暦年間1754年、その佇まいは伊根をそぞろ歩きすると自然と目に入ってきます。湾に面した舟屋と山側の母屋とで酒造りを行っており、蔵に併設している店には国内・海外から多くのお客様が訪問する人気スポットです(現在はコロナウィルス感染拡大防止のため店舗は閉店中)。
現杜氏・向井久仁子さんいわく「いつからそこにあったかわからない」という時代劇さながらの番傘がある店先や、蔵にすえられた梁の重厚さなど、そこかしこで歴史を感じられ、店先であれやこれやと日本酒を選ぶ時間も最高です。
(久仁子さんいわく、仕込み時期は蔵の伊根湾を臨む特等席で
酒造りの思考に耽るのだそう。)
米の旨みをキレよく深い味わいに醸した向井酒造の日本酒はどれもこれも素晴らしく、看板アイテム「京の春」ももちろんですが、とりわけ古代米を使った「伊根満開」や焼酎酵母を使った「夏の思い出」は、旨みとキレと酸のバランスが絶妙で、いつまででも飲みつづけられる至極の日本酒です。
また旨い酒には旨いアテが欲しくなります。伊根には、そのままつまめる絶品オイルサーディンや鯖のへしこなどの珍味のほか、自然農法で素晴らしい野菜を作っている農家さんもおり、野菜を買ってアテを作るという方法も楽しみ方のひとつですね。
(自然農法ですばらしい野菜を作っている「やさいや土の子」の畑
今の時期はズッキーニやインゲン、新玉ねぎなどが最盛期)
その土地で醸された酒をその土地で育まれた肴で楽しむ。旅へ出られるのは今すこし先になりそうですが、向井酒造ややさいや土の子さんでは通信販売も行っているそうで嬉しい限りです。
次回も引続き、海の京都の美味しいをお伝えして参ります。
Info.
向井酒造 https://mukaisake.official.ec/
やさいや土の子 http://tsuchinoko.html.xdomain.jp/
取材・文/奥田ここ
※旅のタイミングに合わせ、現地の状況確認をお願いいたします。