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料理教室を主宰し、日本全国の食材を訪ね歩く奥田ここさんが「海の京都」と呼ばれる京都府北部を4回にわたりご紹介します。美しい景色や食や酒などのほか、おすすめ農家さんのお野菜取寄せなどなど、海の京都のおすすめが満載です。
第12回 海の京都① “伊根の舟屋”で経年美にひたる(京都府)
伊根(いね)や宮津、京丹後など、日本海側に面した「海の京都」は、目も舌も大満足できる京都の日常に触れられるエリアです。公共交通機関を利用する場合、訪問する街にもよりますが、京都市内から電車やバスを乗り継いで3時間強。暑い時期寒い時期、晴天曇天、季節や気候問わず、何度行っても「また来たい!」と言わずにはいられない旅先のひとつです。
周辺約5kmの伊根湾、湾を囲むように立ち並ぶ舟屋群は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
その舟屋の光景は、タイムマシンに乗ったかのような錯覚をする経年美です。
(伊根湾に沿うように居並ぶ舟屋群)
(雪をまとった舟屋も息をのむ美しさ)
海の背後には湾に沿うように山林、海を抱くように三方を山に囲まれた地形で、伊根湾の入口付近にある青島という小さな島が、防波堤の機能となり、自然災害から伊根が守られてきたのでは、という話を聞いたことがあります。潮の干満の差も少なく古くから漁業が発展してきたそうです。
舟屋とは、一階は漁をするための舟のガレージ、二階は住まいなどの生活空間、当時の面影がそのまま残っている舟屋もあり、舟屋が居並ぶ光景を見つつ伊根の息づかいを感じながら、そぞろ歩くだけでも楽しい。伊根湾の漁業は、年貢としてブリを納めていたという記録もあり、歴史ある漁場・伊根にあがるブリは絶品。散歩のあとには、伊根の魚に舌鼓、という伊根観光のお品書きがつづきます。
(かつて舟のガレージだった舟屋の一階部分)
次回は、散歩のつぎのお楽しみ、海の京都の美味しいスポットをご紹介して参ります。
取材・文/奥田ここ
※旅のタイミングに合わせ、現地の状況確認をお願いいたします。