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第10回 日本最大の棚田で田植えを楽しもう(三重県)
「みなさん、棚田はお好きですか?」
なんて聞くとちょっと可笑しいですが、私は棚田が大好きです。
棚田とは、山の斜面や谷間の傾斜に沿って階段状に並んだ水田のこと。山の多い日本では約8%が棚田といわれています。無数の田んぼに張られた水面に、周囲の緑や空が映り込んで輝く様は、絵のような美しさです。そして限られた小さなスペースでも水田にして、少しでも多くの米を収穫しようとした先人の努力には、思わず感動してしまいます。
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いま、日本各地で田植えの季節を迎えています。しかし今年は新型コロナウィルス感染症の影響で人手不足と言われています。棚田で行われる田植えイベントも軒並み中止となっています。「今年こそは子供と一緒に田植えをしたい!」と思っていたのですが、叶わぬ夢となってしまいました。
そこで「来年は必ず行くぞ!」との想いを込めて、棚田好きの私の「ベストオブ棚田」である、三重県熊野市にある丸山千枚田をご紹介します。一望できる棚田としては日本最大規模を誇り、その数1340枚。なかには3苗しか植えられない小さな水田もあります。
およそ400年前には2240枚もあったとの記録が残されていますが、過疎化や高齢化が進み、平成5年には530枚まで減ってしまいました。それを憂い、貴重な財産を残そうと地元の有志が立ち上がり「丸山千枚田保存会」を結成、棚田オーナー制度などを設け、現在1340枚まで復元されています。
以前、こちらの田植えに参加させていただいたことがあります。重機は入れないので、すべて手作業で行います。カエルの声が聞こえる中、泥に足を取られつつも奮闘! 泥に引かれたガイドラインに沿って、苗を植え付けていきます。とても貴重な体験でした。私、来年は棚田オーナーになろうと思っています。「多田みのり」という名に恥じないよう、がんばる所存です(笑)。
熊野市は世界遺産・熊野古道をはじめ、観光資源も豊富です。特に熊野古道は、初心者向けの歩きやすいルートが多く、鎌倉時代に作られた道と江戸時代に作られた道の技術の差を見ることができます。ゴツゴツした荒削りな道と、なめらかで歩きやすい道の違い、わかりますか?初夏はハイキングにも最適です。
ぜひみなさんも、来年は三重県熊野市を訪れてみてくださいね!
熊野市観光協会 https://www.kumano-kankou.info/
取材・文/多田みのり