Slit Park
石畳や道の両側に街路樹やパブリックアート、ブランドショップ、レストランやカフェなどが並ぶ丸の内仲通り。フォトスポットとしても知られる通りですが、JR有楽町駅から歩いてすぐの新国際ビルヂングの路地と室内空間を改装して、丸の内仲通り側のエントランスと、大名小路をつないだ「Slit Park(スリットパーク)」が2022年8月にグランドオープンしました。
丸の内仲通り
仲通りは何度も歩いたことがあるのですが、この場所が以前どんなところだったのかは記憶にあらず。それもそのはず。この場所は以前は新国際ビルヂングの自転車置き場として薄暗くあまり活用されることのない路地空間だったそう。今回「街の魅力度向上を図り、人々が日常をリセット&チャージしながら様々な活動を共に作り、緩やかにコミュニティが育まれていくような出逢いと創造の“場”づくり」を目指した路地裏のコミュニティスペースに整備されました。
光が差し込む心地よい空間
幅6mのL字型のSlit Parkの面積は約501平方メートル。それほど広くないスペースなのですが、Slit Parkの「森」を作るグリーンやロスフラワーを購入できるポップアップショップ、コーヒーやクラフトビール、フィンガーフードやランチボックスなどをいただけるキッチンカーや屋台が登場(日・祝は休み)。ベンチやこぢんまりとしたテーブルも用意されているので、ランチタイムや休憩にも良さそうです。
キッチンカーや屋台も展開
目を引くのは、そのベンチやテーブルなど。工事中に発生した廃材の一部を再利用しているとか。どっしりとした切り株などが、ステキなベンチになっているので注目です。
座り心地も良さそう
さらには、国際ビルヂング館内一部をフリースペースとして一般に開放した、コミュニティ型ラウンジ『wick Lounge』も開設されています。ラウンジを含めた空間全体に電源やフリーWi-Fiが完備されているので、休憩はもちろん、ちょっとした打ち合わせや仕事にも使えそうです。
緑に囲まれたwick Lounge
グランドオープンを記念して、新国際ビルヂングを保有し、今回のプロジェクトを手掛けた三菱地所株式会社 代表執行役執行役社長 吉田淳一氏と、東京藝術大学学長の日比野克彦氏によるトークサロンが行われました。吉田氏は「街の中に、心休まる空間と刺激を受ける空間を作り、ここに来れば新しいものが見つかるのでは?という期待感を抱いていただきたい」と話されていました。また、日比野氏は「アートは創造力のスイッチを押す役割があると思います。Slit Parkはスイッチになって欲しい。訪れる人たち自身がアーティストになって主体的に新しいものを作り上げていけばいいのでは」と期待を込めて話してらっしゃいました。
Slit Parkでは、オーガニックなトークサロン、ジャズコンサート、DJイベント、ワークショップ、ビジネストークセッションなども開催予定です(イベントの開催日時は公式HPにて)。都会の中のスキマ空間が、人々が集うことでこれからどんな姿に変わっていくのか、楽しみです。
日暮れ時はまた異なる雰囲気に
Slit Park
住所:東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビルヂング1F
HP:https://wick-slitpark.studio.site/
Instagram:https://www.instagram.com/slitpark_yurakucho
文:塩見有紀子