目に見えない内面の豊かさに価値が高まる風の時代と呼ばれる現代、「所有からシェアへ」という新しい価値観が求められています。そんな時代のニーズに応える形で生まれたのが、メンバーシップ制のセカンドホームサービス「SANU 2nd Home」。会員になると毎月定額を支払えば、全国のキャビンに泊まることができるサブスクリプション型や、複数名で「もう一つの家」をシェアして、必要な日数だけ所有する共同オーナープランなどのサービスを受けられます。
今回宿泊したのは、北軽井沢の森に佇む「SANU 2nd Home 北軽井沢 2nd」。それは自然と対話するための隠れ家のようでした。高床式の構造に八本の杭を用いて建てられた建物は、地面を傷つけることなく風通しを確保し、自然との調和を何よりも大切にした設計。「Live with Nature. / 自然と共に生きる。」というテーマに基づき、いずれ建物がなくなった時も土地が元の状態に戻りやすいようにとの配慮が随所に感じられます。
また、森に住む動植物への思いやりが込められたこの設計に、尊重と共存のメッセージが込められているように思いました。そんな滞在体験は日常を忘れるだけでなく、自分自身を自然の一部として再認識させてくれる時間となりました。
高床式の建物は自然と調和する
部屋の中に一歩踏み入れると、温もりのある空間が広がります。コンパクトでありながらも動線がよく考えられており、居心地の良さを感じさせます。一面の窓からは広がる森の景色が望め、天窓から差し込む自然光が部屋全体を優しく包み込んでいました。綺麗なキッチンに揃った調味料や調理器具を用いて仲間と一緒にワイワイと作る料理も楽しい時間に。そして日が沈むと、暖炉に灯った炎の揺らめきがさらに心を落ち着かせてくれます。それこそセカンドホームとして、自然と馴染む感覚でした。
開放的な室内は採光もたっぷり
キャビンの敷地内に部屋と並んで設置されたサウナは、同時に2名まで利用可能な静かな空間。唯一ある小窓からは外の光が入り込み、朝昼晩でその表情を変えます。その空間自体が瞑想のために整えられたようで、時の流れを忘れるひとときでした。サウナから出ると、森の凛とした空気を一杯に吸い込み、自然との一体感をより深く味わえます。
緑を眺めながらの瞑想時間を堪能できるサウナ
この宿泊施設の魅力は、単なる滞在以上の体験ができるところ。近くの市場やスーパーで好きな食材を買い、部屋で料理をするひとときも特別でした。普段のキッチンとは違う環境で作る食事は、どこか新鮮で楽しいものです。そして、夜には部屋の前で焚き火を囲みながら語り合い、炎の暖かさと森の静寂に心が癒されました。このキャビンは愛犬と一緒に泊まることも可能で、大切な家族との特別な時間を過ごせます。
SANUが建築家・安齋好太郎さんと共に手がけたこの空間は、循環するデザインを意識したものです。有機的な形状や曲線で構成されたランドスケープは、人工物をできる限り排除し、自然の一部となることを目指しています。そこには、「森にお邪魔する」という謙虚な姿勢が貫かれています。
建築を手がけた安齋好太郎氏
日常を忘れる特別な時間を。ここで感じるのは、自然と共に生きる心地よさと「帰る場所」としての安心感。今年中には更にニセコ、南は奄美大島まで拠点が増えて、全国合計40拠点を超える予定だそうです。SANUが描く未来のセカンドホーム、その可能性を、ぜひ一度体感してみてください。
SANU 2nd Home 北軽井沢2nd
〒 377-1402
群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原1484-14
050-1807-2687
取材・文/yOU(河崎夕子)
モデル/須田千津子