5月22日まで開園! 世界最大級の牡丹と芍薬の庭「つくば牡丹園」で癒される (茨城県・つくば市)

牡丹畑

約2万坪の敷地に牡丹と芍薬800種、6万株が咲く「つくば牡丹園」。開園は花の開花期であるわずか1か月半、残り11か月は土づくりに費やすという、手をかけた花々が咲き誇ります。この牡丹園の花は、大きくて健康的。なんと樹齢150年という牡丹もあるそうです。

大輪の牡丹、可憐な芍薬を生み出す要は、農薬不使用・酵素農法による土づくりと、雑草を一部駆除せずに育てる草生栽培という栽培法です。これは草を共生させることで害虫から守るということなのですが、そのためにはもちろん毎日のように花々を見守ることが必要になるわけです。殺虫剤や除草剤を使わないと言うのは簡単ですが、年間を通した献身的な世話が欠かせません。

花が大きくて健康的な牡丹

 

5月の芍薬畑(写真提供:つくば牡丹園)

牡丹好きだった叔父の牡丹園を引き継ぎ、この園を築いた園長の関浩一さん。「芳紀」という赤い牡丹に魅了されたといいます。農学博士で土職人と名乗る関さんは、馬糞を使った堆肥作りで農法をさらにパワーアップさせています。馬糞は日本中央競馬会(JRA)の美浦トレーニングセンター周辺のサラブレッドのもので、ドーピング検査に備えて薬品などの使用を抑えているため、良い馬糞なのだそうです。これを発酵させて作る独自の堆肥「サラブレッドみほ」も、園内で購入することができます。

土が健康であれば花も、作物も健康に育つ! 関さんはじめスタッフの皆さんが丹念に育てた、堂々と咲き誇る花々、そして高貴な香りをぜひ確かめに来てください。

園長の関さんがお出迎え

ところで、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉をご存じですか?美しい女性のたとえですが、芍薬はすらりと伸びた茎の先端に花を咲かせる草、牡丹は木で、葉の座布団の上に優雅に座っているようです。また牡丹も芍薬も元来中国から薬用として伝わりました。立てば芍薬=イライラと気が立っている女性、座れば牡丹=血流が悪くなり血が滞るお血(けつ)の状態の女性への生薬の用い方をたとえたものともいわれています。

園では芍薬を使った「芍薬葉茎茶」をテラスで飲んだり、購入もできます。芍薬には鎮痛・鎮痙作用があり、女性特有の様々な症状をやわらげ、アンチエイジングや美肌効果もあるとか! 黒豆茶のような味で、苦みもなくすっきりした風合い、なにより無農薬という安心感がいいですね。

様々な牡丹

「つくば牡丹園」は賑やかなテーマパークとは異なる、落ち着いた風情があります。開期後半の主役は牡丹から芍薬に変わります。土曜・日曜にはカワセミの池がある水辺エリアで芍薬の花を浮かべる「水面の芍薬5,000輪」通称「花筏」を実施。バラやクレマチスも咲き誇り、ハーブもすくすく。深く息を吸い込み、豊かな香りを楽しむ。花の力に圧倒される癒しの園です。

芍薬の花筏が人気(写真提供:つくば牡丹園)

 

つくば牡丹園 

  

取材・文/関屋淳子

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