旅恋読者のみなさま、こんにちは。
旅恋アンバサダー「世界のファインダイニング」担当の江藤詩文です。
日本ではまた新型コロナ感染者が増えていますが、世界はすごい勢いで動き出しましたね。自由に海外旅行へ出かけられる日もまもなく戻ってきそうで、わくわくしている人も多いのではないでしょうか。
わたしはこの5月、2年2カ月ぶりに海外取材に出かけてきました。この旅についてはまた後日レポートするとして、痛感したんです。身体が重い。体力が落ちた。行動力が衰えた。咄嗟の判断が一歩遅れる。つまり“旅力”が総合的にパワーダウンしていたのです。たった2年間国外に出なかっただけでこのありさま…。
プライベートな事情もあってひたすら内に籠り、閉ざされていた自分をリセットしたい。そこで人生で初めてファスティングに挑戦することに。だってそもそも食べることだけが唯一の趣味であり生きがいであるわたし。「せっかくおいしいものがあるのに、食べないで断食するくらいならデブのままでいい」なんて思っていたのです。
いつ訪れても季節のフラワーアートが迎えてくれるパレスホテル東京のロビー
選んだのは「パレスホテル東京」のステイプラン「RETREAT&RESTART(リトリート&リスタート)」。
2泊3日のプログラムには、和田倉噴水公園の美しいビューを満喫できるバルコニーがついた「デラックスキング(またはツイン)with バルコニー」の客室(2泊)のほか、完全無添加のコールドプレスジュース専門店「FARMERS’ JUICE TOKYO」のジュースクレンズプログラムに基づいたコールドプレスジュース、「日本料理 和田倉」が特別に考案した準備食と回復食、日本で唯一の「エビアン スパ 東京」のボディトリートメントが含まれています。
コールドプレスジュース専門店「FARMERS’ JUICE TOKYO」のカラフルなジュース一例
結論から言うと、2泊3日のんびり過ごしてマイナス1.7kg。まあまあの成果じゃありませんか。わたしはこんなタイムテーブルで滞在しました。
1日目
5:00PM チェックイン お部屋でオンラインミーティング
6:00PM 「日本料理 和田倉」より準備食(インルームダイニング)
海外ドラマを見たり、お風呂にのんびり入ったり
2日目
10:00AM ジュースクレンズプログラム開始
11:00AM 「エビアン スパ 東京」にて「”warew” ボディ トリートメント」
正午、2:00PM、4:00PM、6:00PM ジュースクレンズ
周辺をちょっとお散歩して、あとはひたすらお昼寝をしていました
3日目
8:00AM 「日本料理 和田倉」より回復食(インルームダイニング)
10:00AM オンラインレセプション
11:00AM チェックアウト
以下、時系列でそれぞれレポートするので、気になるところをチェックしてください。
「デラックスキング with バルコニー」の客室。バスタブも広々。おこもりステイには重要ですよね
まずは「デラックスキング with バルコニー」の客室から。東京の中心にも関わらず、窓を開けられるどころかバルコニーに出られて、風を感じながらみずみずしい緑を眺められるのが嬉しい。テーブルとチェアもあって、ここでアペリティフしたら楽しいだろうな、なんてつい考えたり。
とはいえミニバーはミネラルウォーターとカモミールティーだけという潔さ。もちろんこのプランに合わせた特別なセッティングです(ちなみにスタッフの方によると、リクエストすれば通常のミニバーをセットしていただけるし、レギュラーメニューのルームサービスも対応可能とか)。「罰ゲームじゃないのですから、ご自身のペースで無理なくホテルステイをお楽しみください」とのこと。
ミニバー。わたしはカモミールティー用にはちみつを追加でいただきました。クレンズ中は水をたっぷり飲むのがおすすめ
ディナーは「日本料理 和田倉」がこのために特別に考案した準備食。
紅はるか(さつまいも)入りの豆乳仕立てのお粥を中心に、無農薬有機栽培の自然薯を使ったうずみ汁(お椀)、カラフルな小鉢には、ひじき五目煮、自家製なめたけ、きゅうりのぬか漬け、オクラと梅干しのみぞれ和え、吉野葛で練り上げた大根もち、青菜のおひたし、西伊豆でとれた海苔の餡が入っていました。
正直、いつもお酒と共に食事をしている身としてはもの足りない。せめて小鉢をつまみに缶ビールでも開けたい気分です。わたしのようなアルコール派は、炭酸水を持ち込むと気分が上がるかもしれません。とはいえ夜はさぞ長くて辛いだろうと思いきや、さつまいも粥を完食したからか、意外にも空腹感に悩まされることはありませんでした。
普段いかに食べ過ぎているか考えさせられました…
翌日はいよいよジュースクレンズデー。バランスがよく初めてでも試しやすい「ベーシック」グリーンを多めに使った「グリーンチャージ」フルーツ中心でおいしそうな「ブリリアントフルーツ」短時間で成果を出したい人向けの「スキニーフェアリー」の4つのプログラムから、デトックスというワードに惹かれてわたしは「グリーンチャージ」をセレクト。
どれもおいしくて飲みやすい。小松菜にパセリ、スピルリナと、苦い青汁みたいな味を想像していた「ディープグリーンデトックス」(正午用)でさえフルーティでしっかりと味わって楽しめました。
Wi-Fi環境も抜群でオンラインミーティングもできました。周辺を歩くだけでも自然を感じられて気持ちいい
そして滞在中もっとも感動した「エビアン スパ 東京」。トリートメントの技術力が高いうえ、カウンセリングも的確で、わたしが経験したスパでは国内屈指レベル。実はせっかくジュースクレンズをしているのだから、身体によさそうなことはなんでもトライしようと、フィットネスで筋トレも試すつもりでした。けれどもセラピストさんは「(わたしのように)運動経験がまったくなく、そもそも運動が好きではない人が、ジュースクレンズ中に無理をして運動をするのはおすすめしない」ときっぱり。それよりもお風呂で身体を温めるなど、わたしが普段から好きで心地よいと感じることをした方がよいとか。というわけでスパ施設内の「マーブルサウナ(ミストサウナ)/女性用のみ」で快適な時間を過ごしました。
左:トリートメントルーム一例 中:色が変化するマーブルサウナ 右:トリートメント後はゆっくりリラックス
コールドプレスジュースのおかげで空腹を感じるひまもなく(最後は飲み切れずに夜に分けて飲みました)迎えた翌朝。「日本料理 和田倉」の回復食をいただきます。
メニューは、京豆腐が入ったごぼう茶の茶粥(生姜餡つき)、大根の煮麺風のお椀、小鉢は卯の花煎り煮、もずく梅酢漬け、ほうれん草の胡麻和え、しめじの甘酒和え、和出汁で煮たプチトマト、汲み上げ湯葉。
実力を感じた「日本料理 和田倉」。通常メニューもそのうちレポートします
本音を言うと、1日目の準備食は、失礼にも「味が決まっていないな」なんて思っていたのです。それがクレンズのおかげで、回復食ではとりわけ出汁の風味がはっきりと感じ取れました。
後日、かかりつけの漢方の先生に聞いたところ、調味料の消化・排出にもエネルギーを使うので、ファスティングやクレンズ中は、特に薄味にした方が身体に負担がかからないとのこと。ちゃんと考えての薄味だったのですね。
アイマスクとオリジナルエアミストのプレゼントつき
こうして終わった人生初の断食体験。正確にはファスティングではなく、ジュースクレンズですが、道場のようなストイックなところではなく、自宅から簡単にアクセスできる都会でのステイケーションは、わたしにはとても合っていました。
心配していた好転反応(初めて体験する人は、頭痛、めまい、吐き気、だるさなどを感じることもあるようです)も個人差が大きいようで、わたしはひたすら眠たくなりました。
反省点は、事前に「食べ納め」と焼肉を食べ、事後に「解禁」とシャンパンフリーフローつきディナーの予約をしてしまっていたこと。本来は、準備に時間をかけてクレンズに入り、終了後は段階を経てゆっくりと食事を戻していくと、より効果を期待できるようです。
そんなわけで心身をリセットできた2泊3日。新しい時代を軽やかに走り出すために、いま一度立ち止まって自分自身をリセットしてみてもいいかもしれません。
健康的な生活もよいけれどやっぱり夜も大好きです
とはいえパレスホテル東京といえば、『ゴ・エ・ミヨ』の出版記念授賞式が開かれたり、「アジアのベストレストラン50」のアワード(*関連記事はこちら)会場に選ばれたり、ガストロノミーホテルとしても知られています。
今度のステイは、ジュースクレンズか、フランス料理「エステール」でディナーしてメインバー「ロイヤル バー」に行くか。悩ましいところです。
宿泊プラン「RETREAT&RESTART」は公式サイトからオンライン予約できます。
宿泊対象期間:2022年9月30日(金)まで
(予約期間:2022年9月27日(火)まで)
取材・文/江藤詩文