高層ビル群や自由の女神、ブロードウェイ……、バラエティに富む楽しみに溢れるニューヨークは五感を刺激する街です。治安が心配というのは昔の話、ひとり歩きでも不安がないほど深夜まで多くの人で賑わい、まさに眠らない街を実感します。今回、私は約20年ぶりの再訪、パリやロンドンとちょっと異なるのはニューヨークはフレンドリーで元気をもらえると実感。そんなニューヨークでどこに行く?何をする?の心強い味方が「ニューヨークCityPASS🄬」 です。
アメリカの物価高と円安が重なり、有名な観光スポットの入場だけでも料金がかなりかかる印象です。ニューヨークCityPASS🄬は約40%オフという割引率で、観光スポットを巡ることができ、入場の予約も簡単に行えます。購入後メールで送られてくるQRコードを使えばいいのでスマホで完結というシンプルさ。お得に便利に使えます。
ニューヨークCityPASS🄬(大人138ドル)は、エンパイアステートビルとアメリカ自然史博物館の入場料と、さらに6か所(トップ・オブ・ザ・ロック展望台、自由の女神像とエリス島へのフェリー移動、9/11メモリアルミュージアム、サークルライン観光クルーズ、イントレピッド博物館、グッゲンハイム美術館)から3か所を選び5か所の観光施設を巡ることができます。
また、ニューヨークC-All(大人212ドル)では、11か所を訪ねることができ、割引率は約45%、2020年にオープンした話題のスポット、ハドソンヤード・エッジ展望台も選択肢に含まれます。有効期限はともに利用開始日から9日間。たっぷり利用できます。
NYC観光会議局提供
では、ニューヨークCityPASS🄬を使って、さっそく街歩きを始めましょう。
マンハッタンを実感!■ロックフェラービル トップ・オブ・ザ・ロック展望台
中央に聳えるのがエンパイアステートビル
マンハッタンの中心部、5街と6番街の間に大富豪・ロックフェラー氏によって1930年から開発が進められた複合施設・ロックフェラー・センター。その中に立つ高層ビルの70階にある展望台です。あのキングコングも登ったエンパイアステートビルが目の前に聳え、360度の景観はマンハッタンに来たなあと実感します。お土産ショップではニューヨークCityPASS🄬の提示で割引も受けられますよ。
北側にはセントラルパークが広がる
ロックフェラー・センターといえば、冬のスケートリンクが有名ですね、今頃は電飾のクリスマスツリーが夜を彩っていることでしょう。
水上から楽しむ多彩な貌■サークルライン観光クルーズ
ミッドタウンウェスト、Pier83から乗船するサークルライン観光クルーズ、1時間30分のランドマーククルーズを楽しみましょう。クルーズ船はハドソン川を南下し、マンハッタンの摩天楼や対岸のニュージャージーを見ながらイースト川に架かるブルックリン橋へ。ゴシック風のデザインのアメリカでもっとも古い吊り橋のひとつ、存在感のある橋の下を通ります。
左:船上から摩天楼 右:重厚なブルックリン橋
ニュージャージーのリバティステートパーク
さらにウイリアムズバーグ橋を潜り方向転換。自由の女神像へ近づいていきます。船は自由の女神像の撮影にちょうど良い位置で減速、乗客の誰もが夢中で写真を撮ります。その存在感と彫像としての美しさにうっとり。水上からはニューヨークの様々な貌が楽しめます。
世界遺産の美術館■グッケンハイム美術館
セントラルパークの東側、1959年に竣工した現代アートの美術館で、かたつむりの殻と形容されるらせん状の構造が目を引きます。設計は近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライト。美術館は「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」として世界遺産に登録、館内も展示方法も作品もユニークです。
20万点もの所蔵を誇る■ニューヨーク近代美術館
ニューヨークC-All で入館できるニューヨーク近代美術館、通称MoMA。世界の近代美術でも最高のコレクションを有する美術館で、1929年に3人の女性によって設立されました。1880年代から現代までを3カテゴリ―に分けて展示しています。
2024年2月17日まで開催の「Picasso in Fontainebleau」
左:1階でのインスタレーション 右:メキシコの人気画家、フリーダ・カーロの作品
ゴッホやモネ、ダリの絵画をはじめ、建築や商品デザイン、映像、パフォーマンスアートまで幅広い作品があり、大胆で実験的な視点が絶賛されています。また、日本でも人気のMoMAデザインストア、本館の向かいにもストアがありますので、寄ってみてはいかがでしょう。
上空335m、突き出すスカイデッキ■ハドソンヤード・エッジ展望台
再開発プロジェクトとして注目を集めるハドソンヤード。マンハッタンの西、かつてはハドソン川に着く荷物の倉庫や桟橋があった軽工業地帯でした。高級ショッピングモールやオフィス、ホテル、コンサート会場などが計画されています。ニューヨークC-Allで入場できるのが、2020年に誕生した西半球で一番の高さを誇るエッジ展望台です。30ハドソンヤーズの4階からエレベーターであっという間。屋外の展望台は建物から突き出すようなスカイデッキになっていて、まさに絶景!
左:中央ビルの三角に突き出しているのがエッジ展望台 右:ガラス張りの床もあり
エッジの先端では写真を撮るための長蛇の列ができていました。ちょうどサンセットの時間で、幻想的な雰囲気も楽しめましたよ。さらにエッジ展望台ではシティクライムという、超高層ビルの外側を登り身を乗り出して楽しむというアトラクションもあり、冒険好きはぜひ。
前編はお得なパスを使う旅をご紹介しました。後編では映画やミュージカル、ドラマ、演劇ファンが喜ぶ博物館やツアーをご紹介します。
取材協力
NYC観光会議局
ブランドUSA
取材・文/関屋淳子