前編では芦ノ湖を始めとした箱根エリアをご紹介しました。
後編ではいよいよ初島に上陸します!
初島までは熱海港から高速船で30分、首都圏から一番近い離島です。熱海からも目視できるほどで、島に上陸すると力強い亜熱帯植物に迎えられて異国情緒も味わいつつ、富士山や大島を臨めるロケーションが魅力。熱海港から初島港への運航は1日10往復あるので、日帰りで気楽に島を往来できます。
熱海駅から車で10分の熱海港からは初島がよく見えて、振り返れば山の傾斜にホテルが立ち並ぶ様子は、目を細めればコートダジュール(?)のようにも見えるリゾート独特の景色です。
海外のリゾート地のような眺め
初島までの高速船は揺れることもなく快適。熱海の町並みが遠ざかると共に、目前の初島はぐんぐんと近づいてきて...。これからの季節は、デッキで風を受け、太陽を浴びるのも気持ちいいですね。
船内の様子と目の前に近づく初島
初島の南部にある港に到着すると、一気に島らしい空気に包まれます。下船して海沿いの通りを行けば、昔ながらの漁師が営む食堂がズラリ。今はリゾート地としても人気がありますが、かつては漁師町の雰囲気が漂う場所だったことが伺えます。伊勢海老漁が解禁となる9月などには、それぞれの食堂に行列ができることも。初島ならではの海の幸が味わえます。
島の漁師が営む食堂街
青い海を左手に見ながら、しばらく歩くと緩やかに山道へ。「PICA初島」のエリアに入って行きます。坂道を登り、階段を上がると緑の芝生が敷き詰められた「アジアンガーデン R-Asia」に到着。椰子の木が立ち並び、一気に南国気分が盛り上がります。ハンモックに揺られたり、大海原に飛び出していくようなブランコを楽しんだり、冷たい飲み物片手に思い思いの時間を過ごすことができますよ。
背の高いヤシの木が聳え立つアジアンガーデン
そして実は熱海は「レモン発祥の地」と言われているんです。明治の頃に外国人が湯治で訪れた熱海にレモンの種を庭にまいたのだとか。育ったレモンの木は樹齢60年以上となり、2023年の11月にアジアンガーデンに移植されました。
熱海から移植された樹齢60年以上のレモンの古木
それに因み、初島にはレモンをモチーフにしたフォトスポットが点在しています。名付けて「初島レモンまみれ」!探して思い出の一枚を撮ってみましょう。
レモン色のポストとレモンオブジェ
またアジアンガーデンR-Asiaの中のレストラン「Terrace Restaetrant ENAK(エナ)」にもレモンメニューが多数!地元の熱海高校の学生達と考案した「初島バーガー」は鯖の唐揚げとレモンがサンドされ、バンズが爽やかなブルー!視覚的にも鮮やかです。
他にも「スパイスレモンカレー」や「蜂蜜レモンステーキ」などのメニューや、「初島檸檬スカッシュ」や「ハチミツレモンパフェ」そして「レモンのオムレット」などの甘酸っぱいドリンクやスイーツも豊富ですっかり迷ってしまいそう。2020年に誕生したこのレストランでは元々タイ料理やシンガポール料理などのアジアンフードなどを中心に多彩なラインナップのメニューが用意されています。
数々のレモンメニューが
腹ごしらえが済んだら、初島ならではの大自然を活かしたアクティビティへ出かけましょう。「初島アドベンチャーSARUTOBI」は専用のハーネスをつけて高い木の上を渡っていくヨーロッパで人気の自然体験型アクティビティ。ロープの上を綱渡りしながら、木々に触れて相模湾の景色を楽しむ爽快な時間を過ごせます。
レベルは2つ。上級者向けはなかなかの難易度で1時間ほどかかる場合も。最後はジップラインで気持ちよく地上に着地。親子で参加するのも楽しそうですね。こちらはオンラインの完全予約制ですのでご注意ください。
自然体験型アクティビティ「SARUTOBI」で童心に(笑)
空と海の青と島の緑、そしてレモンの黄色と鮮やかな色彩が太陽に眩しい初島。食事やアクティビティを堪能しているうちにあっという間に時間が過ぎていきます。初島発熱海行きの最後のフェリーは17時50分。こちらを逃さないようにしながら思い切り島内を堪能しましょう。
〒413-0004
静岡県熱海市初島1113
写真・文/yOU(河﨑夕子)