こんにちは。旅恋アンバサダー・美食担当の江藤詩文です。
気になるレストランの予約が取れてから、旅の計画を立て始めることも多い私。海外に行かなくなったこのごろ、訪れる機会が増えたのが、世界の食いしんぼ憧れの都・京都です。
敷居の高い超高級店から庶民派の町の食堂まで、何を食べてもおいしい京都では、朝から晩まで食べ歩きを楽しみたい。そんな食い倒れが目的なら、旅の予算は食に全集中させたいもの。でも、いくらコスパがよいからって、せっかく行くなら機能優先なビジネスホテルじゃなくて、プチプライスだけど泊まるのが楽しくなる、海外のブティックホテルみたいなお宿はないかな。と、探してみたらありました。知っておくととても便利なので、私と同じく美食が大好きだけどホテルステイも重視したいみなさんに、いま旬京都のとっておきブティックホテル2軒をシェアします。
パークホテル京都御池
まずはこちら。2021年3月にオープンした「パークホテル京都御池」は、なんといってもそのロケーションが抜群。地下鉄東西線と烏丸線が通っている「烏丸御池」駅からわずか200m、徒歩3分で到着します。バス停も目の前にあり、公共交通機関で市内メインエリアのどこにでも簡単にアクセスできるからありがたい。
パークスイート
手がけているのは、シンガポールの「パークホテルグループ」で、日本では「グランドパーク小樽」に次ぐ2軒目のホテルです。ゲストルームは、2室のスイートを含む全112室。
なかでも私が女子旅におすすめしたいのは、最上階9階に位置する「パークスイート」。広々としたリビングルームに、らせん階段を配したメゾネットタイプのデザインで、階段を上がるとプライベートなルーフトップガーデンが。御池通のビューを楽しみながら、デイベッドでのんびりくつろげます。それでいて一室3万3000円〜と、ふたりで泊まればビジネスホテルをシングルユースするのとそれほど変わらない、お得感のあるプライス設定が嬉しいかぎりです。
御池スイート
新しいホテルらしく水回りは清潔で快適。バスタイムをゆっくり楽しむのもいいし、Wi-Fi環境もばっちりなので、仕事を持ち込んでちょっとだけリモートワークもよさそう。私はZOOMを使ったミーティングと、オンライン記者会見に参加しました。
左)バー「The Corner」 右)フリースペースもゆったり
ひと息ついたら階下へ。1階には、レセプションとコーヒーや紅茶などドリンクを提供しているラウンジ、バー「The Corner」と、ファシリティがコンパクトに集約しています。このバーがとてもユニークで、天保時代から続く老舗の味噌蔵「本田味噌」の西京白味噌を使ったものなど、オリジナルのカクテルを楽しめます。夕暮れ時、ここでカクテルを一杯味わってから、いよいよ夜の町へ。このロケーションが本領発揮する時です。
左)ロースマリーの香る桃のジントニック 右)デザート感覚の白味噌モンブラン
なぜってこのあたりは名店がひしめく美食エリア。ミシュラン一つ星の「Bini」(この旅のお目当てでした)には徒歩10分ちょっと、同じく一つ星の「Koke」はすぐ裏手、名店「洋食おがた」は歩いて10分。いま大注目の「cenci 」や「LURRA」にも、地下鉄やバスですぐ行けます。道すがらには、地元の食通だけが知る名店がどこも賑わっていて、あちらもこちらも気になるったらありません。
現在の状況が落ち着き次第、バー「The Corner」はレストラン&バー「The Corner」として、朝食、ランチ、ティータイム、夜はバーフードなど軽食を提供するオールデイダイニングになり、一時休業中のフィットネスルームも再開するとか。
左)「The Corner」のテーブル席 右)正面がレセプション
ウルトララグジュアリーリゾートからヒップなシティホテルまで、ホテルライフも充実している京都で出合ったブティックホテル。フルオープンしたら、また訪れたいと思います。今度こそちゃんとシャンパンを持って。
THE REIGN HOTEL KYOTO(ザ・レインホテル 京都)
続いて気になる2軒目はこちら。このロケーションに注目して。
地下鉄烏丸線十条駅から徒歩6分のザ・レインホテル 京都
京都旅行ビギナーは、あまり足を延ばさない京都駅の南側。ここに京都の情報通たちが「わざわざ朝ごはんを食べに来るホテル」があるのです。それが2021年2月にオープンしたコンパクトなブティックホテル「THE REIGN HOTEL KYOTO(ザ・レインホテル 京都)」。全51室とほどよいサイズ感のホテルは、ゲストルームも含めて全体がスカンジナビア(北欧)デザインで、自然の光と素材をうまく採り入れながら、居心地のいい空間を創り出しています。
1階のレセプションに隣接したレストラン&カフェ
スカンジナビアがテーマのホテルらしく、1階の「レストラン&カフェ」の名物はなんとスモーブロー。デンマークで昔からよく食べられてきた「北欧風オープンサンド」とも呼ばれるもので、もともとは薄切りにした黒パンの上に残りものをのせた簡素なものだったそうですが、いまではコペンハーゲンでラグジュアリーなスモーブロー専門カフェがオープンするなど、クリエイティブなメニューがたくさん登場しています。
「ザ・レインホテル 京都」のスモーブローも、北欧の最先端をキャッチして京都らしさを加えたイノベーティブなタイプ。見た目にも楽しい色とりどりのスモーブローブッフェで楽しめるとあって、朝食(ブランチ)をお目当てに、感度の高いフーディーズが集まっています。
季節ごとに変わるサイドメニューもまたすごい。私が訪れた時は大好きなキャロットラペ、瞬間燻製したチキン、ココア風味のチュロスをディップする鹿肉のラグーなどなど、モダンノルディックなスモーブローとフレンチビストロがコラボしたようなラインナップ。
季節のスープ、コーヒーやジュースも充実
「要請が解除されたので、ご希望があればスパークリングワインもお出しできます」とおすすめ上手のスタッフさん。そりゃ注文しちゃいますよね…。
ちなみに朝食は、ボックスに詰めてもらってテイクアウトも可能。連泊した私は、初日はレストラン&カフェで、翌日はルーフトップテラスに持ち出して鴨川ビューを楽しみながら、のんびり朝食タイムを満喫しました。
左)朝の光が気持ちいい窓際のテーブルが私のおすすめ 右)宿泊者ならだれでも自由に使えるルーフトップテラス
ルーフトップテラスから京都タワーが見えました
バジェットホテルに泊まる場合、朝食を手早くとったら街に飛び出して、部屋には眠りに戻るだけ。ホテル側も、朝食の有無くらいしか選択肢を用意していない。そんなことも多いのですが、「ザ・レインホテル 京都」には、ホテル時間をスローに楽しむ、まるでリゾートのようなプランもあるのです。私が選んだのは「ソムリエ選定シャンパーニュ付き宿泊プラン」。プロのソムリエが選んだブランドブランのフルボトルと、ハムプレート、レーズンバターがついてひとり5200円から(取材時1室2名利用時)って、ちょっとびっくりじゃないですか。
ゲストルームでうだうだしてもよいし、ルーフトップテラスに持って行ってもOKなので、サンセットを眺めながらアペするのもよき。
ソムリエ選定シャンパーニュ付き宿泊プランのサービス
ゲストルームは、たしかに公式のサイズだけ見ると小さめですが、寝心地抜群のベッドマットがあったり(英国スランバーランド社製)、モロッコのアルガンオイルを使ったアメニティがあったり、窓が大きかったり、家具がコンパクトにまとまっていたり、くつろげる工夫がいっぱいあって、なんだかもう、このままおこもりしたい気分。ですが、いざ歩いてみれば京都駅へも、人気の伏見稲荷大社へも、歩いて20分弱と非アクティブな私でもお散歩に出かけられるロケーション。予約制でレンタサイクルもあり、鴨川沿いをジョギングしている人もお見かけするなど、アクティブ系な人にはさらに向いているようです。
プレミアム デラックス キング ウィズ テラス
なんと、プライベートテラスも付いています
冬眠生活を送ってしまい、すっかり冬太りしたいま。次に私が求めているのは「週末に自分と向き合い、心と身体をリセットする ファスティングプラン」。専用のファスティングドリンクで、ミネラルや栄養を摂取しながら、瞑想ヨガや酵素浴を組み合わせて、2泊3日でデトックスを目指すというもの。妙齢な女性なら切実に気になりますよね。
春の気配がしてきたら、再び京都へ行こうかな。しかしこの私があのスモーブローを見逃せるのか。そんな葛藤に頭を悩ませています。暇か。
左)4名まで泊まれる「ラグジュアリーデラック スツイン」 右)自転車も持ち込める「ロフトベッド ツイン」
THE REIGN HOTEL KYOTO(ザ・レインホテル 京都)
取材・文/江藤詩文