ひとり旅にアート心も入れて by 塩見有紀子

第44回 眺望抜群のカフェもある!大型客船をイメージしたミュージアムで関門海峡の歴史を知る(福岡県・北九州市)

明治から昭和初期にかけて国際貿易の拠点として発展した門司港は、戦前は横浜、神戸と並ぶ「日本三大港」のひとつに数えられ、近代日本の発展に大きく寄与しました。JR門司港駅を筆頭に、レンガ造りの建物などが今なお残り、大正ロマンあふれる「門司港レトロ」として港町散策を楽しめます。

そんなレトロな雰囲気漂う門司港に、ひと際目立つ大きな「関門海峡ミュージアム」があります。ガラス貼りの丸みを帯びた外観は、大型客船をイメージしているそう。

最初に行きたいのが、関門海峡や門司港の街並みを一望できる絶景の展望デッキ。小型船から大型船までが絶え間なく行き交う様子から、関門海峡が今も貿易港として現役バリバリなのを感じられることでしょう。

高層の門司港レトロ展望室、本州と九州を繫ぐ全長1068mの関門橋などを一望

関門海峡ミュージアムは吹き抜けの4階かららせん状のスロープを降りながら巡るユニークな造り。各階では、関門海峡にまつわる歴史を巨大スクリーンに映し出す「海峡アトリウム」、海峡を舞台とした歴史絵巻を人形作家による人形で再現した「海峡歴史回廊」などでわかりやすく解説されています。

海峡の歴史や港の一日の動きなどが映し出される「海峡アトリウム」(上)
戦国時代や幕末のエピソードなどを再現した「海峡歴史回廊」(下)
写真提供:関門海峡ミュージアム ※画像の転載・コピー禁止

壇ノ浦の戦いの際、幼くして祖母である「平時子」(二位尼)とともに海中に身を投げた安徳天皇や、巌流島の戦いなどを再現した、ほの暗い展示室に浮かび上がる精巧で美しい人形は、まるで今にも人形から声が聞こえてくるかのような迫力とリアリティがあります。人形作家である川本喜八郎ら著名作家たちの芸術性の高さに感動を覚えます。

今にも動き出しそうな源義経や弁慶

また、2階の「海峡体験ゾーン」では、海峡の保安や海流の仕組みなどを、操船やコンテナのショミュレーター、海峡横断タイムトライアルなどゲーム感覚で体験しながら学べるようになっています。他にも、路面電車やバナナの叩き売りなど、大正時代の門司港を再現した「海峡レトロ通り」など、見どころたっぷりです。

大人も思わず夢中になって遊べる海峡体験ゾーン
写真提供:関門海峡ミュージアム ※画像の転載・コピー禁止

そしてひと通り巡ったら、4階にある「クルーズカフェキャナル」へ。木の床、高い天井、レトロな電灯、海峡を望むゆったりとしたソファ席など、豪華客船のような雰囲気のカフェで、激動の歴史を辿った関門海峡に思いを馳せてくださいね。

カフェのみの利用もOK

関門海峡ミュージアム
https://mojiko-retoro9.jp/spot/kanmon_kaikyo_museum/

◇おひとり様ポイント◇
関門海峡を一望するカフェでは門司港サイダーやビール、ガトーショコラなどと共にひとり優雅な気分にひたれますよ。

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