なにごとにもタイミングって大切とは言いますが、それは美術展・企画展も同じ。美術館は常設の美術館も国内にたくさんありますが、特別展開催時しか開館しない美術館も多々あります。見ようと思っていたら、いつの間にか会期終了、、、と忸怩たる思いになることも。
さらにはその企画展のためだけに会場設営されたり、普段は使われていない建物が美術展のためだけに使用されるなど貴重な機会があることも。
例えば、2016年4月末から6月中旬に東京で開催された「Volez, Voguez, Voyagez - Louis Vuitton(空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン)」展もそのひとつ。1978年に日本初となるルイ・ヴィトン ストアがオープンしたゆかりの地・紀尾井町で開催されたこの企画展は、このためだけに特設会場が設営されました。
めくるめくゴージャスな展示が広がる特設会場
飛行機、列車、車、船など、旅をテーマに10章で構成され、会場には多くのルイ・ヴィトンのトランク、バッグ、小物、絵画や書物、さらには衣装などが展示されました。
アガサ・クリスティ著『ナイル殺人事件』の世界のよう
銀食器などをコンパクトに収納できるトランク、帽子やシャンパンを入れるためだけのバッグなどが、時には砂漠の旅を、時には鉄道の旅を、時には空の旅を、時には車の旅をイメージしたゴージャスな会場にずらり。さらには板垣退助や白洲次郎の愛用したルイ・ヴィトンのバッグや、草間彌生や村上隆とのコラボバッグも登場。入場無料の企画展だったのも驚きでした。
こちらはアガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』の世界
そして草間彌生といえば、2018年5月から2019年2月末まで京都・祇園甲部歌舞練場内で開催されていた「草間彌生 永遠の南瓜」展は会場限定の企画展でした。ここは2017年6月からフォーエバー現代美術館として使用されていましたが、惜しまれながらもこの特別展をもって美術館自体が閉館となってしまいました。
入母屋造りの文化財の前にカボチャが
登録有形文化財である「八坂倶楽部」で開催されたこの展覧会は床は総畳敷き。鑑賞も日本的で靴を脱ぎ、畳に座って鑑賞するスタイルでした。
畳敷きの展示室に前衛芸術家・草間彌生による現代アートを展示
現代美術の展示が可能な展示壁として障子や襖を整備し、浅葱色や弁柄色などの日本古来の色彩を使用。美しく整えられた日本庭園を見下ろせる庭園ギャラリーの壁紙には京唐紙が使用されました。
ミュージアムカフェでは、この展覧会限定だった
「LOVE FOREVERあんみつ」を提供
気になる映画があってもいつの間にか公開終了していたり、見ようと思っていた舞台のチケットがいつの間にか完売していたりするのと同じく、美術展もタイミングが大事。気になるものがあったらチェックして、忘れずに行きましょう!