ひとり旅にアート心も入れて by 塩見有紀子

第16回 空港のすぐ隣りでジャンボジェットの操縦体験! Fly to 航空科学博物館へ 前編(千葉県・成田市)

海外へなかなか気軽に行かれない今こそ、ぜひ行って欲しいスポットが成田空港のすぐ隣りにあります。それが「航空科学博物館」です。“飛行機好きのための聖地”と言われることもあるそうですが、飛行機マニアではない私でも、一日いても飽きないほど楽しめる場所でした。

 X線検査をイメージしたゲートにテンション上がる(一部画像加工)

実は航空科学博物館は1989年8月1日にオープンして今年32年を迎えた、なかなかに歴史のある博物館です。建設の背景と目的は、「民間航空の実状の紹介、航空界の歴史的経緯を展示し、航空科学技術の振興に寄与し、日本の航空の発展に資すること」。

というかたい話は抜きにして、飛行機に関する充実した博物館を前編・後編の2回に分けてご紹介したいと思います。前編の今回は、お子さんだけでなく、大人がきっとハマる体験施設やガイドツアーをご紹介。

大きく分けると、3種類の体験とガイドツアーが1つあります。いずれも体験人数に制限があり、当日整理券が必要です(入館料とは別途体験料要)。特に週末は午前中早めの時間に予約がすべて埋まってしまうほど人気なので、体験をしたい場合、週末や祝日はなるべく早めに博物館に到着して入館後すぐに申し込みしましょう。それでは体験をご紹介。

◆ボーイング747-400大型可動模型

世界最大!?の可動するボーイング747-400型機の大型模型とコックピットが連動し、実際にコックピットに座って操縦すると、大型模型がそれに合わせて動く体験です。

映し出されるパノラマビジョンとボーイング747の大型模型。
この模型の巨大さは写真では伝わらない!
(画像提供:航空科学博物館 ※画像の転載・コピー禁止)

スタッフさんに教えて頂き、本物さながらのコックピットで操縦桿を操作しながら機体を発着に合わせて傾けたり、フラップ(高揚力装置)の上げ下げをしたり、タイヤの出し入れをします。ですが、やることが多くて大変! さらには、壁面には滑走路から飛び立つイメージ映像が流れる270度のパノラマビジョンがあるので、臨場感たっぷりで、まるで実機さながら。

初めての操縦体験でバタバタでしたが、スタッフさんがていねいに操縦方法を教えてくれるので、無事に離着陸できました笑

左上:コックピット 
右上:左側のシルバーの機首のコックピットに座って747機の大型模型を操縦 
下:操縦士と副操縦士席。スタッフさんが後ろに座って指示(一部画像加工)

◆DC-8フライト体験

なんと、実際にパイロットの訓練用に使われていたものを改修した搭乗体験ができるのです。入口には「本日のフライトコース」が掲示されており、私が体験した日は成田空港→福島空港→日光中禅寺湖→千葉九十九里をまわる福島コース。このコースをジェット旅客機で飛ぶことはあり得ないので、体験ならでは。ボーイング747-400操縦体験でなんとなく操縦方法を把握できたので、先ほどよりスムーズに操縦できたかも!?

目の前にフライトコースの映像が流れる。
かつて“空の貴婦人”として称されていたDC-8

◆ボーイング747 セクション41機内ツアーガイド

屋外に展示してあるボーイング747の機首部分に、約50分間のガイドツアーで中に入れます(4歳以上対象)。機内に入った途端、内装の一部が剥がされ、構造がむき出しの壁面に目を奪われます。一般人はまず見ることができない光景です。床に目を向けると、透明のパネル越しに貨物室まで見られます! 計器やスイッチがところ狭しと並ぶコックピットに座って記念撮影も。機体の造りや飛行機の扉の仕組み、貨物室のことなどを知識豊富なガイドさんに説明していただきます。目からうろこな情報が満載なガイドツアーですよ。

むき出しの壁や貨物室は実際に訪れた時にチェック!

◆ボーイング737MAXフライトシミュレーター

2016年に初飛行したボーイング 737 MAX型機のコックピットを模してあり、すぐ目の前に視界220度のプロジェクト映像が流れるので、臨場感ある体験ができます。そして他の2つの体験をした後なら一目瞭然。ボーイング747やDC-8に比べると、大量の計器類やスイッチの代わりに、小さなモニターが多く並んでいます。飛行機の進化をつくづく感じます。

本格的なボーイング737MAXフライトシミュレーター(一部画像加工)

そして、2種類の操縦体験を経ての集大成を発揮! と思いますが、やはり一筋縄ではいきません。操作を少し誤ると滑走路からはみ出してしまうので、副操縦席に座るスタッフさんの指導を受けながら、気をつけて操縦しましょう。737MAXフライトシミュレーターは小学校4年生以上から体験可能です。小学生1年生以上&車いすの方も車いすに乗ったまま体験できる777型機のフライトシミュレーターもありますよ。

3つの体験とガイドツアーに参加するだけでもかなり充実した時間を送れますが、航空科学博物館の楽しみはまだまだあります。来月の後編では、テンション上がる展望スポットや展望レストランなどをご紹介します。

航空科学博物館   http://www.aeromuseum.or.jp/

◆航空ジャンク市 2022年1月29日(土)、30日(日)開催予定

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