私にとって1年に数回必ず訪れる宿があります。人や土地、建物を視る仕事をしていると、身体や脳のいろいろな箇所に負荷がかかり体調が悪くなります。そんな時に私に大切な神様が居るお膝元の温泉宿に脚を運びます。
愛車ROADSTERはついに動かなくなってしまいました。何度かの修理を重ねたのですが、エンジンをオーバーホールしてみなくてならないところまで来てしまったのです。暫く軽井沢に置いておき考えます。
そんな時にクライアントが15年前のベンツSLK350 を貸してくれました。あちこち傷がありますが走りはしっかりしています。
諏訪にむかいます。慣れないSLK を運転しながら佐久平を走り和田峠を越えると下諏訪の街に入ります。諏訪大社下社春宮を右手に、旧中山道を走り諏訪大社下社秋宮が見えて来ると旧中山道沿いに御宿まるやさんが見えてきます。
その街道の一角は時間が止まっているかのように江戸時代のそのままの風景が残っています。御宿の隅にある駐車場にSLKを留めて玄関に歩きます。
がらがらがらっと引き戸を開けるとまったく別の時代にトリップしたような感覚になります。
優しい笑顔の女将さんに出迎えられ、江戸時代の旅人も泊まっていただろうと思う客室に通されます。二間続きの部屋は1人で泊まるには広すぎるくらいです。馴染みの中居さんがお茶を入れてくれます。ゆったりと時間がすぎていきます。
1日3組限定のこの宿には貸しきりのお風呂が2つあり、空いていればどちらかをいつでも入る事ができます。私は左側のお風呂が好きです。広からず狭からずの湯船にゆっくりと入り身体や脳を介抱、解放していきます。「あ~~~~」と言ってしまいます。ゆっくりたっぷり身体を温めて部屋に戻ります。夕飯の時間まで畳の上で更に「あ~~~~」です。
夕飯は別の部屋に案内されます。地元の食材のおもてなしです。四季折々の料理が運ばれます。ただただ免疫が上がります。エネルギーが戻ってきます。
土地も良く食も良く温泉が最高に良いのです。心と身体が元気になるのです。自分にとって最高と言える宿を持ってみてはいかがですか?