マイスターと世界遺産の知の旅へ by 山本厚子

オーベルジュ 漣(神奈川県・箱根 仙石原)

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新年おめでとうございます。ご無沙汰してしまいましたが、今回は年末に訪れた「オーベルジュ 漣」のご紹介です。

2009年最後の自分へのご褒美として、何もしない休日を決め込み、箱根へ1泊の旅に出かけてきました。おいしい料理といいお湯を満喫できる場所として選んだのが、箱根・仙石原にある「オーベルジュ 漣」です。オーベルジュとは、フランスを発祥とする宿泊施設を備えたレストランのこと。箱根の旬の野菜をはじめ、こだわりの食材で作られる創作フレンチはもちろんのこと、大涌谷のにごり湯につかり、のんびり過ごすことができました。

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バス停でいうと、「仙郷楼前」から歩いて数分。車の走る大通りからは1本奥に入った場所にあるため、辺りはとても静か。

館内に入ると落ち着いた雰囲気のロビーがあります。フロントでチェックイン(15時〜)を済ませ、お部屋に案内してもらいます。客室は5タイプ全10室で、いずれもツインかダブルです。小学生未満のお子様はNGとなっていますので、まさに大人の隠れ家といった趣です。

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今回、私が滞在したのは、「パーチュリー 205号室」というツインAタイプ。客室にはローズやカモミールなど、それぞれハーブの名前が付いています。

部屋の中はいたってシンプル。部屋に入るとリラクゼーションのBGMがすでに流れていて、「さー、のんびりするぞー」といったモードにスイッチ・オンできました。

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デザイン家電・±0のステレオコンポが置いてあるので、DVDを見たり、CDを聞いたりできます。ロビーにソフトが置かれているので、お部屋で映画鑑賞を楽しむことも。1階の廊下にはライブラリーがあり、書籍も充実。また、窓の外の木々には巣箱が見られ、部屋のテーブルの上にはバード・ウォッチング用にと双眼鏡とガイド本も置かれています。オーベルジュというだけあってか、冷蔵庫の隣には、ワインセラーも! 赤・白・ロゼ・スパークリングワインと各種あり、ALL2100円とお手頃価格なのもうれしい限り。お部屋に籠って、ゆったり過ごせるアイテムが揃っているのです。

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オーベルジュとはいえ、ここは箱根。男女別の大浴場で、大涌谷温泉から引いたにごり湯の天然温泉が楽しめます。泉質は酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉。贅沢にも源泉そのままにかけ流しされていて、柔らかなお湯が肌にしっとりとなじみます。夜はもちろん、チェックアウトが11時ですから、朝食後にもゆったりと湯浴みを満喫できました。

さて、お待ちかねのディナーの紹介です。

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「箱根のアミューズ」でスタートするコース料理は、オードブルは6品より、魚料理は2品より、お口直しのグラニテは2品より、メインディッシュは6品よりそれぞれ選択することができます。そして、なんとデザートもふたつあって、一皿目は3品、二皿目はチーズを含め、5品から選ぶことができました。ひとつひとつ選ぶという心弾む時間が、ディナータイムの始まりを盛り上げてくれます。

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パンは米粉を使ったゴマのパン(丸い方)とライ麦パンの2種類。手作りのパンは温かく、そのままでも充分おいしいのですが、カルピスバターとオリーブオイル、フランス産岩塩、手作りハムのムースも用意されています。

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私の選んだオードブルは「フレッシュファアグラのポワレと韮山いちごのキャラメリゼ フランボワーズヴィネガーの香りで満たして(+3000円)」と連れの選んだ「冬キャベツで巻いた、旬の海の幸と11種類の箱根西麓野菜のガトー仕立て ムースリーヌソース」。

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お魚料理は、私は「魚沼産コシヒカリのリゾットにのせた、伊豆産・活アワビのステーキ 焦がしバターのソースで(+2500円)」、連れは「シェフおまかせ 本日の鮮魚料理」。

お口直しのグラニエは、「蜜柑」と「赤ワインとラベンダー」の2種類が用意されていました。

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私の選んだメインディッシュは「庭で育てたハーブでマリネし、軽くスモークした 骨付き仔羊のロースト 〜里芋のグラタン、ニンニクのコンフィ、セルバチコ〜」と連れの選択した「特撰 北海道・霜降り黒毛和牛サーロインの厚切りを炭火焼き 天城の本わさび、箱根西麓野菜を添えて(+3500円)」。

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食後のデザートが2皿も味わえるのって、何だかうれしいですよね。一皿目は「静岡県・紅ほっぺ(いちご)のシャーベット」、二皿目は「信州産・紅玉りんごの温かなタルトと冷たいカルヴァドスアイスクリーム」をいただきました。

ドリンクもコーヒー、エスプレッソ、アール・グレイ、ハーブティーなど6種類から選べます。さらに箱に詰めた小菓子もいただき、これはお部屋にお持ち帰りしました。

レストランで食事をして、どんなにお腹いっぱいでも、普段なら家まで帰らないといけないところですが、今夜はすぐにお部屋にもどってゴロンってできるなんて、この上ないシアワセ!

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翌朝、さらに感動するのが朝食の充実度です。スープやメインディッシュなど、ディナーさながらにセレクトでき、順番にテーブルに運ばれてくる様は、さすがオーベルジュ!と唸ってしまうほど。この朝食はぜひ体験してほしいものです。

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朝食後、また温泉に入ったりして、11時のチェックアウトまでゆっくりと過ごし、宿を後にしました。

帰るには少し早いと思ったので近くにあるポーラ美術館に立ち寄りました。バス停「仙郷楼前」から箱根登山バス観光施設めぐりバスに乗って約3分。現在は「ボナールの庭、マティスの室内 日常という魅惑」というテーマで、19世紀半ばから20世紀にかけてのフランス印象派の画家の作品が展示されています。(〜2010年3月7日まで)

●2食1泊付き1万6800円〜(税込、サービス料10%、入湯税150円別 ※1室2名利用の1名料金)
●お問い合わせ

オーベルジュ漣はコチラ

(取材・執筆 山本 厚子)

 

 

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