今回の"彼氏と行きたい○○"は、大阪の街歩きデートにご案内したいと思います。
道頓堀のド派手看板や通天閣そびえる新世界など、こてこての大阪もいいけれど、今回はちょっとロマンチックに大阪を巡りましょう。題して「大阪レトロ散歩」です。
堂島川と土佐堀川にはさまれた中之島エリアは、経済や政治、文化の中心として古くから栄えてきた場所。今も明治や大正、昭和初期のレトロな建物が数多く残っています。
↑狛犬のような「阿(あ)」「吽(うん)」の獅子像
まずは、京阪本線と市営地下鉄堺筋線が交差する北浜駅からスタートしましょう。ライオン像があるから通称"ライオン橋"と呼ばれる難波(なにわ)橋を渡って中之島に向かいます。その前に少し振り向いて見ると、そびえるのは「大阪証券取引所ビル」です。
地上24階の高層ビルですが、低層部は旧大阪証券ビル市場館の外観が保存されています。
難波橋を渡って階段を下りると、中之島公園へ着きます。ここは、明治24年(1891年)、大阪市に初めて誕生したという公園。敷地内には遊歩道が整備され、花や緑がいっぱいで、まさに都会のオアシス。もし訪れた季節が春や秋なら難波橋の東側のバラ園へ。
さまざまな品種のバラが色とりどりに咲き誇っています。彼氏にバラ園にエスコートされればうれしいですよね。
花を楽しんだ後は、難波橋より西側へ進むと、大正時代に建てられ、平成14年にリニューアルされた中之島のシンボル的存在「大阪市中央公会堂」があります。大正時代のネオ・ルネッサンス様式の歴史的建築物で、国の重要文化財にも指定されています。
左右対称の外観や正面の半円アーチなど、壮麗な雰囲気が漂います。また、ライトアップされた夜もステキです。ちなみに最上階の特別室では結婚式もできるそうです。
このあたりでランチと参りましょう。
中央公会堂には「中之島倶楽部」というレストランが併設されています。レトロな雰囲気のなか、正統派の洋食を味わえます。おすすめは、1日限定200食のオムライス(スープ付・680円)。美しく卵をまとい、デミグラスソースとリコッタチーズのソースで、まろやかな味わいを楽しめます。
中央公会堂の東隣には、さらに歴史を感じさせる「大阪府立中之島図書館」があります。
住友家の寄付によって明治37年(1904年)に建てられ、当時は「大阪図書館」と呼ばれていました。ネオ・バロック様式で、コリント式円柱に支えられた正面は、まるでギリシア神殿のようです。こちらも国の重要文化財に指定されています。
図書館利用者でなくても、内部の見学が可能ですから、教会を思わせるドーム状の中央ホールなど、明治の洋風建築をじっくり鑑賞してみてください。
さらに西へ進むと、「日本銀行大阪支店」の旧館が見えてきます。
こちらも明治36年(1903年)に建てられたネオ・ルネッサンス様式の建物。ここでちょっと面白いものを発見!
この場所は、明治初めに大阪で最初の郵便役所が置かれたところだそうで、「駅逓司大阪郵便役所」の碑が建っていますが、その横には「1971 郵便創業100年記念」と銘打った黄色いポストがありました。
赤くないポストって珍しいですよね。こんなちょっとした発見が街歩きの醍醐味です。
ここで土佐堀川にかかる淀屋橋を渡って、淀屋橋駅の方へ。最後は水上バス・アクアライナーに乗って、大阪を巡ります。
淀屋橋港から高層ビルの建つOAP港、大阪城港、八軒屋浜船着場と回り、淀屋橋に戻ってくる約1時間のコースです。いくつもの橋の下をくぐり、川面から見上げる大阪の街は歩いている時とはまた違って見えます。チケットは時間や座席を指定して購入できるので、彼氏は、彼女のために窓際をキープするのをお忘れなく!
もし彼女が"歴女"という場合には、大阪城港で下船して、天守閣見学というのもいいかも。
歴史に彩られた建造物を2人で訪ねながら、2人の歴史も積み重ねていきましょう!
(取材・執筆 山本 厚子)