10月5日までお台場の日本科学未来館で開催中の企画展『トイレ?
行っトイレ!〜ボクらのうんちと地球のみらい』のプレス内覧会に行ってきました。
毎日トイレにはお世話になっているのに、水を流してしまうと、ありがたみを感じないもの。「一生懸命仕事しているトイレなのに、それをわかってくれない・・・」なんていう悲しい思いを抱えていそうなトイレの心の声を聞きながら、楽しく、マジメに、トイレとうんちの秘密を発見しよう!というユニークな企画展です。
展示は、「はじめに」からスタートし、プロローグ、エリア1〜5、そしてエピローグと8つのブースに分かれています。プロローグとエピローグでは、プロジェクションマッピングでトイレが怒ったり、しゃべったりする姿を見られますよ。
トイレがしゃべる!? エピローグのプロジェクションマッピング→
エリア1ではまず、うんちを知ろうということで、トカゲやパンダ、ウサギやトラなど、さまざまな動物のうんちの標本観察ができます。アジアゾウのうんちは体格通り大きいのですが、キリンが意外と小さいのに驚き!
粘土でうんちをかたどってみよう!(左上は日本科学未来館提供写真)
同じうんちでも食べる物によって大きさも中身もまったく異なる
次に人のうんちの話です。中身や色、量ややわらかさなど、うんちと健康についてパネルや模型展示を使って考えられるようになっています。ちょっとおもしろいのが、粘土を使って自分のうんちの形を作るワークショップ。ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、便器と一緒に記念撮影もできますよ。
エリア2は、さまざまなトイレの紹介。大阪府の保育園に実際にある「オープントイレ」や、鉄道模型が走るトイレ、寄付ができる公衆トイレなど、こんなトイレがほしい!という理想のトイレについてアイデアを募集するコーナーがあります。さらには、女性にはわかりにくいですが、男の子なら一度はやったことがある!? おしっこ飛ばしでゲームができるトイレもありますよ。
さまざまなトイレを紹介するコーナー
ボタンを押して、おしっこ飛ばしにもチャレンジ!
エリア3では、"うんちの帽子"をかぶって巨大トイレのすべり台から、うんちの気持ちになってぜひ滑ってみてくださいね。そこから先は、排泄物の行き先、下水道の水がきれいになる仕組み、うんちに含まれる利用可能な資源回収技術などの紹介が続きます。
巨大なトイレ型すべり台を滑れば、子どもも大人もうんちの気持ちになれる!?
驚いたのは、特に東京都区部の多くのエリアでは下水道の仕組みのせいで、水再生センターの処理能力以上の大雨が降った時は排泄物が汚水となって雨水とともに、そのまま川や海へ流れているという現状。最近はゲリラ豪雨の発生も多いので、私自身が川や海を直接汚しているという事実にショックを受けてしまいました。
このほかにも、将来的には国際宇宙ステーションで使われる循環型トイレや、要介護者や介護する側にとってのトイレ問題、安全な水源が近くにないなどの理由でトイレのない生活をする国での現状と解決策なども紹介されています。
印象に残ったのが、最後のブース。トイレのない国なんてあり得ないと私自身思っていましたが、東日本大震災の被災地では、トイレがある日突然なくなってしまいましたよね。トイレ自体はもちろん、上下水道の設備も流され、トイレが使えなくなってしまったのです。
気仙沼市の小学生の保護者アンケートによると、地震発生から9時間以内に78%もの方がトイレへ行きたくなったそうです。ですが、仮設トイレが避難所にいきわたるまでの日数が「3日以内」と回答した自治体がわずか34%だったそうです。時間に大きな隔たりがありますよね。
実際にどれほど役立つかわかりませんが、私自身は、尿が固まるという猫砂と、人間用の携帯簡易トイレを、東日本大震災発生以前から自宅に準備してあります。
水洗トイレが使えなくなった場合にどうすればいいか、ご自宅や職場で考えておくことが必要ですね。
"トイレ"や"うんち"はあまり人と話すような話題ではないかもしれませんが、この企画展や関連夏休みイベントなどを通して、生きる上でとても大切なトイレについて、子どもも大人も楽しみながら学ぶ機会にして下さいね。
『トイレ? 行っトイレ!〜ボクらのうんちと地球のみらい』
開催期間:7月2日(水)〜10月5日(日)
開催時間:10:00〜17:00(入館は〜16:30)
休館日:火曜休館(祝日と夏休み期間は開館)
入場料:大人1200円、18歳以下600円(土曜は18歳以下500円)、6歳以下の未就学児無料/常設展入場可
↑ ↓ 日本科学未来館提供
ほかにも、常設展のロボットコーナーが6月25日に拡大オープンしました。新型ASIMOのほか、見た目がこどもや成人女性にそっくりな遠隔操作型アンドロイドが新登場。実演も行われるので、先端技術を体験しに行きましょう!
日本科学未来館
東京都江東区青海2-3-6
http://www.miraikan.jst.go.jp/
(取材・文 塩見有紀子)