ひとり旅にアート心も入れて by 塩見有紀子

路面電車は観光にぴったり!

都市部の日常的な交通手段として、多くの人々に親しまれている路面電車。車社会になるにつれて、廃線となってしまった路線も多いですが、それでも現在でも北海道から鹿児島まで、地元の人々の足として愛され続けています。渋滞する道路であっても、車を横目に路面電車が走り抜けると、ちょっとした優越感を感じたりして。もちろん、地域住民の交通手段として活躍するだけでなく、観光客の足としても便利です。

現在も全国で20以上の路面電車が運行していますが、ほんの少しご紹介します。

 

京福電気鉄道(京都)

「嵐電(らんでん)」の愛称で親しまれる京福電鉄は、明治43年に四条大宮〜嵐山間が開通してから、すでに100年を越えた歴史ある路線です。四条大宮〜嵐山を結ぶ嵐山本線と、北野白梅町〜帷子ノ辻を結ぶ北野線の2系統があります。沿線上には、嵐山、太秦、妙心寺、竜安寺などの人気の観光スポットが多いので、1日フリー切符を買って、途中下車しながら楽しみましょう。

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広島電鉄(広島

「広電(ひろでん)」の愛称を持ち、路面電車としての日本最大の輸送規模を誇ります。広島駅から、広島城や原爆ドーム、数多くの飲食店がひしめく流川通りや薬研堀通りなど、各方面行きの電車が頻繁に発着するので、観光に利用価値大です! 昨年私が広島を訪れた際に特に便利だと思ったのは、宮島への入口となる宮島口まで向かう「宮島線」。始発の広島駅から終点の広電宮島口まで1時間以上かかりますが、広島市内の車窓観光を楽しめますよ。一日乗車券、一日乗車乗船券もあります。

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熊本市交通局(熊本)

くまモンで大人気の熊本市内も現在路面電車が走っています。2系統ありますが、熊本駅のすぐ南にある、田崎橋から熊本駅前を通って熊本城前や繁華街を通り抜ける「A系統」の方が観光客には比較的使いやすいかもしれません。乗り降りしやすい超低床路面電車を、日本で初めて1997年に導入したのがここの路面電車なのです。熊本城や旧細川刑部邸などの観光スポットの割引券が付いた、市電・市バス共通1日乗車券があります。

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鹿児島交通局(鹿児島)

大正元年に初登場した、全国最南端を走る路面電車です。「市電」という略称で市民の足として親しまれています。土・日曜、祝日には、市民ボランティアが車内で観光案内を行う、観光レトロ電車「かごでん」の運行が行われているので、乗ってみてはいかがでしょうか?
14便、鹿児島中央駅前の停車場からのみ乗車可能です。

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路線の大部分が電車の専用軌道で車道と分けられているので、上記の路面電車とは少し違いますが、都電荒川線や東急世田谷線も東京都内で走る現役の路面電車です。

20131114setagaya.JPG天正6年(1578年)に始まり、毎年121516日と11516日に行われる、露店市「世田谷ボロ市」へのアクセスも、東急世田谷線は便利です。


初めて訪れた街であったとしても、路面電車が街中を走る光景はどこかその街に親密感と郷愁を感じませんか? 景色をゆっくり眺められる路面電車は観光スポット巡りにはとっても便利です。旅先でぜひ路面電車に乗ってみてくださいね。

(塩見有紀子)

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