コラムニストの天野祐吉さんの訃報が届きました。雑誌「広告批評」を立ち上げ、1980年代には当時のトップクリエイターと協業した反戦広告などで、CMの力を再確認させてくれた名編集長。そしてまっとうなコメントで世相を気持ちよく斬ってくれた方。毎週水曜日、朝日新聞のCM天気図を楽しみにしていたのに、突然の終了宣言。あまりにも突然で、早すぎです。水曜日の愉しみがあっという間に奪われてしまった身としては。
NHK朝ドラ「あまちゃん」を寂しがる「あまロス」という言葉があるけれども、もうひとつの「あまロス」です。CM天気図はご自身の都合で一度も休むことなく、1132回続いたそうです。素晴らしい、文筆家の鏡です。広告批評って、一歩間違うと天に唾する行為。それを恐れずにきちんと批評する公明正大さ。物事をきちんと評価する眼を持っていらっしゃったのでしょう。天野さん、ありがとうございました。あの世からもこの世を批評してください。