パンダブームに沸いている東京・上野。休日ともなると、家族連れでおおいに賑わっているそうです。上野・谷中・浅草を循環するバス「東西めぐりん」もパンダ仕様になって街中を走っていましたよ。
パンダもいいですが、上野は街歩きも楽しめる大人なエリアだということはご存じですか? 数ある美術館・博物館は、明治や昭和初期に建てられたものも多く、建築物を見るだけでも楽しい街なのです。
まずは「東京国立博物館」。明治5年(1872)に開館した日本初の博物館として建てられ、その
後、三菱一号館や旧岩崎邸庭園洋館で知られるイギリス人建築家ジョサイア・コンドルにより、明治14年(1881)に本館が完成しました。残念ながら関東
大震災で破損してしまったため、この当時の本館は現存しません。
そして、昭和の始めに、「日本趣味を基調とする東洋式」というテーマで建築設計案が公募され、日本の伝統的な瓦屋根に破風を有した帝冠様式の堂々たる建物が昭和13年(1938)に完成しました。
敷地内には、平成館、アジアの美術を展示する表慶館、法隆寺宝物館もあります。
●本館:特別展「手塚治虫のブッダ展」 〜6月26日
●平成館:特別展「写楽」 〜6月12日
●平成館:「空海と密教美術」展 7月20日〜9月25日
開館日は、木曜と土曜の午後のみですが、外から眺めるだけでも楽しいですよ。
次は「国際子ども図書館」です。こ こは、帝国図書館として、明治39年(1906)に完成した「明治期」、昭和4年に増築した「昭和期」、平成14年に耐震補強を施された上で改修・増築し た「平成期」に分かれた、ルネサンス様式の建物です。
ンガ造りの外壁には、レンガを縦と横に積んだフランス積み(正面)とイギリス積み(裏外観)を見る
ことができます。ですが、レンガと石で作られた明治期と違い、昭和期に作られた外壁部分は鉄筋コンクリートとレンガに似せたタイルで作られていることが、
正面をよ〜く見るとわかるかもしれません。皆さんは発見できるかな?
優美な形をした避雷針や、天然スレート葺きの屋根、海外の洋館の紋章を参考にしたメダリオンなど と、ガラスのエントランスという新しい機能を合わせ持つ貴重な建築遺産でもあります。
館内にも漆喰装飾やケヤキ材の建具、100年前のシャンデリア、優美な階段など、見どころはたくさんあります。自由見学も可能ですが、館内ガイドツアーも行っているので参加するのもいいですね!
施設見学のほかに、クラッシックやバロック、オペラなどのコンサートが週末を中心に開催されています。
これら以外にも、国立西洋美術館、国立科学博物館、東京藝術大学大学美術館など、見どころたっぷりの上野へ出かけてみませんか?
(執筆:塩見有紀子)