少しずつ日が長くなり、吹く風はまだ冷たいながらも、日ざしを浴びるとほんのり暖かさを感じる季節です。春を探しに山歩きへ出掛けませんか。今回は低山が自然公園となっている栃木・みかも山公園をご紹介。のんびり園内散策で春の野の花を楽しみます。
カタクリ群生地にびっしりと咲くカタクリ
みかも山公園は、万葉集にも詠まれた三かも(※毛が3つの「かも」)山を公園として整備した、栃木県最大級の都市公園です。いくつかのピークを持つ細長い山で、最高峰が標高229mの青竜ヶ岳。山の南側が公園として整備されています。広い園内は蒸気機関車を模したフラワートレインで移動することもできます。
園内を走るフラワートレインは4種類
みかも山公園は花の名所としても人気が高く、早春から秋のはじめにかけて園内はさまざまな花で彩られます。花の種類が多いのは早春から春にかけて。なかでも3月が一番の花の盛りです。この時期、多くの人がお目当てにしているのがカタクリ。葉を落として明るい芽吹き前の雑木林のなか、うつむいて咲くピンク色の可憐な花姿はまさに「春を呼ぶ妖精」の趣です。
精巧な細工のような花姿のカタクリ
公園内、東口広場から散策路を歩き、カタクリの群生地までは歩いて20分ほど。丸太の階段を交え、ひとのぼりで到着すると、山の斜面一帯にカタクリがびっしりと咲き乱れています。斜面の中ほどにウッドテラスがしつらえられており、斜面の中から群落を見上げ、見下ろすことができるのも嬉しい限り。
カタクリの咲く斜面をテラスから見下ろせる
カタクリの群生地を見終えたら、少し園内を散策してみましょう。天気がよければ富士山まで見渡せる富士見台、遊具がたくさんあり小さな子ども連れで賑わうわんぱく広場など、多くの見どころ、遊びポイントがあります。
岩の砦のような富士見台。富士山やスカイツリーが眺められる
カタクリ以外にもこの時期はフクジュソウ、アズマイチゲ、ニリンソウなどさまざまな花が咲き乱れます。河津桜など早咲きの桜も園内を彩ります。散策前に緑の相談所で園内マップをいただき、見られる花をチェックしていくとよいでしょう。
白い可憐な花姿のアズマイチゲ。東口広場付近の散策路で見られる
ちなみに、カタクリは晴れているときに花が開き、曇りや雨で薄暗い日はつぼんだままです。カタクリのお花を目当てに行くときは「天気のよい日」を狙って下さいね。
【みかも山公園データ】
アクセス:JR両毛線・東武日光線栃木駅からバス30分、とちぎ花センター前下車。
入園時間:8:30〜18:30(10〜2月は〜17:30)、火曜定休、入場無料
コース:東口広場…かたくりの園…中岳…わんぱく広場…東口広場
所要時間:約2時間
体力度★☆☆ 技術度★☆☆