登山の楽しみ方のひとつに「干支登山」があります。
山名にその年の干支の動物の名前(漢字)がついた山に登るというもの。今年の干支は辰。北アルプスの五竜岳、富士山麓の竜ヶ岳など、山名に「辰」「竜」「龍」の文字がついた山は全国各地にありますが、登山に不慣れな人でも手軽に歩ける「辰年の山」が、石川県金沢市の卯辰山。山頂一帯が卯辰山公園として整備されています。
卯辰山公園 眺望の丘から日本海方面を望む
金沢城の東側(卯辰の方角)に位置することから「卯辰山」という山名が付けられたと言われています。卯辰山公園へは金沢駅から徒歩でアクセスできます。市街地から浅野川を渡り、ひがし茶屋街を通り過ぎて公園の西側入口に向かいます。浅野川にかかる浅野川大橋からは、竜が寝そべっているようななだらかな卯辰山の山容を望むことができます。
スタートの金沢駅。鼓門は撮影スポットとしても人気
公園の西側入口を起点に、園内を時計回りに周回してみましょう。園内は概ね舗装された道路になっていて、ときどき車も往来するので注意して歩きます。歩き始めて最初に現れるスポットが「眺望の丘」。金沢市街の向こうに日本海が見渡せます。ベンチやテーブルもあるので、ひと休みして景色を楽しんでいきましょう。
眺望の丘からも歩きやすい舗装路が続きます。日本海を望む望湖台を過ぎて卯辰山の山頂へ。山頂は「月見台」と呼ばれるところで、三角点があります。かつては月見ができるほど開けた場所だったのかもしれませんが、今は木々に覆われています。
樹木に覆われて見晴らしのない卯辰山山頂
月見台からは花木園方面に進み、見晴らし台に足を延ばしてみましょう。花木園は山の斜面に約8000本のツツジが植栽され、春に見頃を迎えます。見晴らし台への道は舗装路ですが樹木に覆われた心地よい道。見晴らし台は東から南側の眺めがよく、天気に恵まれれば加賀白山も望めるでしょう。見えている山を解説するパネルもありますよ。
卯辰山公園見晴らし台は伸びやかな芝生の広場
見晴らし台で景色を楽しんだら、公園西側入口を目指します。途中に卯辰山三社があるので、お参りをしていきましょう。風情ある石段を上ると、豊国神社(卯辰山王社)、卯辰神社(卯辰山天満宮)、愛宕神社(愛宕白山社)の3つの社殿があります。石段の道中には眺望のよい広場もあり、訪れた参拝客がここで景色を楽しんだのだろうと想いを馳せることができます。
卯辰山三社のひとつ、卯辰山天満宮
西側入口からは来た道を戻り、金沢駅に向かいます。ひがし茶屋街の美しい街並みをゆっくりと散策していきましょう。浅野川沿いの主計町(かずえまち)茶屋街の風情ある街並みを静かに楽しむことができます。近江町市場で新鮮な海の幸を味わったり、金沢城公園や兼六園などの観光スポットに立ち寄るのもいいですね。
ひがし茶屋街は金沢を代表する観光スポット
【卯辰山:山歩きデータ】
アクセス:JR金沢駅下車
コース:金沢駅…ひがし茶屋街…卯辰山公園(園内散策)…金沢駅
所要時間:2時間
体力度★☆☆ 技術度★☆☆