夏は渓谷歩きが心地よい季節です。山深く豊かな緑に抱かれた「東京の奥座敷」、東京都檜原村。北秋川の支流、神戸川の中流部にそびえる神戸岩(かのといわ)で、神秘的な峡谷を歩いてみませんか。
荘厳かつ圧倒される雰囲気、神戸岩の全景
武蔵五日市駅からバスに乗り、神戸岩入口バス停で下車。バス停から神戸岩までは40分ほどの舗装道路歩きになります。舗装道路とはいえ、周りは豊かな樹林。道路の脇を流れる赤井川の渓流の美しさにも癒されます。
モダンな駅舎の武蔵五日市駅からスタート
舗装道路歩きの道中も豊かな緑に囲まれている
駐車スペースのある広場にたどり着くと、目の前に現れる岩峰が神戸岩。緑に覆われてそそりたつ岩に圧倒されます。門のようにそびえる岩の片側は高さ100m、もう一方が80m。狭い岩の間を、激しく水が流れています。
ここから渓谷沿いにしつらえられた遊歩道を歩きます。道標に従い、沢沿いに下りていきます。木の橋を渡り、金属のはしごを上り、岩壁にしつらえられた道を慎重に進みます。すぐ脇をどうどうと音をあげながら水が流れ、身体にずんと響くようです。
小さな滝のすぐ脇、細いはしごを上る
チャート層の固い岩を水流が削り、磨き上げて、神秘的な峡谷を造り出していますが、学術的にも重要な地形だそうで、東京都の天然記念物に指定されています。「神戸岩」の名前の由来ですが、この地が大岳神社の入口であり、神域を隔てる岩の扉であるという説があります。
神秘的な渓谷、岩につけられた道を進む
小滝の真っ白い水しぶきや、深い渕の水の青さ、薄暗い峡谷の向こうの鮮やかな緑…。峡谷の長さは約60m、渓谷入口から歩く時間にしたら10分程度ではありますが、ドキドキしながら歩くうちに、心身ともに浄化されたような気持ちに。最後に苔むした岩を流れ落ちる小滝を眺めながら林道に出て、古いトンネルを歩いて渓谷入口に戻ります。
フィナーレは苔むした小滝と美しい広葉樹林
岩につけられた渓谷歩道は濡れて滑りやすく、鎖はつけられていますが足場の悪いところもあります。履き慣れたトレッキングシューズで歩いてください。また、大雨の後などは水量が多く、歩道もより滑りやすくなっている場合があるため、歩くのを控えましょう。
【神戸岩:山歩きデータ】
アクセス:JR五日市線武蔵五日市駅からバス35分、神戸岩入口下車
コース:神戸岩入口バス停…渓谷入口…渓谷終了点…往路を戻る…神戸岩入口バス停
所要時間:約1時間40分
体力度★☆☆ 技術度★★☆