空気がよく澄んでいる冬は、展望の低山歩きに適した季節です。山の上から海を眺める展望ハイキングに出掛けませんか。千葉県、房総半島にそびえる鋸山は、山を歩いて海の絶景が楽しめる人気の山です。
山頂周辺からは青い海の向こうに富士山の姿が
山頂に向かうロープウェイもあるのですが、山麓から歩いても2時間弱で山頂にたどり着けます。スタートはJR内房線浜金谷駅から。道標に従って進むと、途中で「車力道」と「関東ふれあいの道」に分かれます。往路は車力道を通ってみましょう。
常緑の森のなか、苔むした石畳や石垣が残る
常緑の森をゆっくりと歩いていきます。鋸山は房州石の産地で、山の中腹から山頂近くに石切場がありました。昭和の終わり頃まで、石材の採掘が行われており、切り出した石を車力道を使って下ろしていました。今も石畳や石垣が残っています。石切場の跡を間近に眺めることもできます。
石切場跡のすぐそばを歩くことができる
車力道と関東ふれあいの道が合流するとほどなく、日本寺の境内へ。拝観料を納めて入場するとすぐ、大きな磨崖仏(百尺観音)が出迎えてくれます。さらに進み、階段を上って山頂展望台に向かいます。目の前に青い海が広がり、富士山が思ったよりも大きく眺められます。間近に見えているのは三浦半島、その奥に伊豆半島も眺められるでしょう。
下が大きく切れ落ちた展望台「地獄のぞき」にも足を運んでみましょう。下を覗くとクラクラとします。山頂展望台あたりから写真を撮ってもらうと、景観の迫力がよく伝わりますよ。
下が切れ落ちている地獄のぞき。なんとも恐ろしい…
景色を十分に楽しんだら、途中まで来た道を戻り、関東ふれあいの道を下って浜金谷駅に戻ります。途中の観月台から眺める三浦半島や富士山も素敵です。
帰りはロープウェイで下るのもよいでしょう。ただし、荒天時はもちろん、よく晴れていても風が強いと運休することがあります。
観月台からは三浦半島や富士山が一望のもと
下山後は、時間があれば海の幸を味わっていきたいもの。浜金谷駅や、東京湾フェリーの金谷港の周辺には食堂が点在しており、名物のアジフライをはじめ、新鮮でボリュームたっぷりの海の幸が味わえます。
南房総名物、脂が乗ってジューシーなアジフライ
【鋸山:山歩きデータ】
アクセス:JR内房線浜金谷駅下車
コース:浜金谷駅…車力道…鋸山展望台…関東ふれあいの道…浜金谷駅
所要時間:約2時間40分
体力度★★☆ 技術度★☆☆