紅葉を愛でる山歩きはいかがでしょう。今回ご案内するのは栃木県・那須岳。紅葉の名所として人気の高い山です。「那須岳」という名前の山はなく、主峰・茶臼岳をはじめとする、いくつもの山の総称です。茶臼岳は今も活動を続ける活火山で、山の中腹から噴気がところどころ上がっています。
朝日岳山頂付近から茶臼岳方面を望む
茶臼岳はロープウェイで9合目までアクセスすることができますが、紅葉の時期は、ロープウェイ山麓駅から“歩いて”山頂を目指すことをおすすめします。登山口から30分ほど登ると森林限界を超えて視界が開けます。左手に丸い山容の茶臼岳、そして右手の朝日岳は山の斜面がナナカマドやツツジの赤色で染まり、息を飲むほどの美しさ!
峠の茶屋跡付近から望む朝日岳の岩壁
道は分かりやすく整備されていますが、岩が露出しているところもあり、慎重に進みます。かつて茶屋のあったところに避難小屋が立ち、このあたりからは朝日岳や剣ケ峰の荒々しい岩峰が一望に見渡せます。
峰の茶屋跡避難小屋の上部から朝日岳、剣ケ峰方面を望む
避難小屋から山頂までは1時間弱の道のり。大きな岩のあいだをぬうように歩くところもあります。ゆっくり登っていくと茶臼岳のお鉢にたどり着き、荒涼とした風景の中を進んで山頂に向かいます。山頂からは360度の展望。時間の許す限りくつろいだら、ロープウェイ山頂駅に向かい、ロープウェイで下山をしましょう。
茶臼岳の山頂には小さな祠が立つ
那須岳の紅葉の見頃は10月上旬〜中旬。木々の紅葉も美しいですが、岩場の草紅葉も見事です。茶臼岳山頂からロープウェイ山頂駅に向かう道中の草紅葉はまるで真っ赤な絨毯のようです。
朝日岳付近、草紅葉やハイマツに霧氷がついていた
那須岳は下山後の温泉も楽しみです。山の中腹に湧く温泉に立ち寄っていきましょう。日帰り利用のできる温泉宿もあります。
紅葉の時期、那須岳周辺は多くの登山者や観光客でにぎわい、土休日は道路の渋滞も激しいです。可能であれば平日の登山がおすすめですし、中腹の温泉地で1泊して登山を楽しむのもよいでしょう。
那須湯本温泉の歴史ある立ち寄り湯・鹿の湯
【谷川岳:山歩きデータ】
アクセス:JR東北本線黒磯駅からバス1時間、那須ロープウェイ下車
コース:那須ロープウェイバス停…峰の茶屋跡避難小屋…茶臼岳…那須ロープウェイ山頂駅
所要時間:約2時間10分
体力度★☆☆ 技術度★★☆