樹林を楽しむ低山ハイキングに出掛けませんか。東京都の西端、山梨県との境に位置する三頭山は、山頂一帯に見事なブナの森が広がっています。
三頭山の山頂一帯はブナの樹林が美しい
三頭山の山頂から南東側斜面一帯は「檜原都民の森」として整備されています。中腹の檜原都民の森の入口からブナの森を歩いて山頂を目指し、沢沿いの道を下るのが私の好きなルート。奥多摩の水と緑を心行くまで味わえます。
スタートしてすぐに現れる木造の建物が森林館。この時期に見られる動植物の情報を得ていくとよいでしょう。
森林館で見られる植物や鳥のチェックをしていこう
道標に従って「鞘口峠」に向かいます。鞘口峠にはウッドデッキがあり、ゆっくり休憩ができます。
鞘口峠から三頭山の山頂までは1時間〜1時間半ほどの道のり。なかなか急な登りが続く、本格的な山道になります。途中の見晴らし小屋などで休憩を取りつつ、ゆっくり進みましょう。この道は「ブナの路」と名付けられており、ブナをはじめとする広葉樹の美しい森です。
鞘口峠のウッドデッキ。森林浴気分が味わえる
三頭山には東峰、中央峰、西峰の三つのピークがあります。最初に現れる東峰は小さなウッドデッキがしつらえられ、奥多摩の山々がきれいに見渡せるのが魅力です。中央峰にはテーブルやベンチがあり、立派な山名柱が立つ西峰は、木々の間から富士山が見渡せますよ。
三頭山西峰には立派な石の山名柱が立つ
三頭山の山頂からは、三頭沢沿いのルートを下ります。沢のせせらぎが心地よく響き渡ります。沢を飛び石で渡るところは慎重にいきましょう。
このルートのフィナーレは三頭大滝。落差約30mの滝を吊橋の上から眺めることができます。普段は楚々とした流れの滝ですが、梅雨時は水量が増えて迫力が増します。大滝を楽しんだら、ウッドチップの敷かれた散策路を通って都民の森入口を目指します。
三頭大滝、雨上がりは水量が増して見応え十分
今回紹介したルートは、標高差もそれなりにある本格的な登山となりますが、檜原都民の森には敷地内に散策路がいくつも設けられており、山頂にこだわらずに森の中を歩いてみるのも楽しいもの。のんびりと樹林を歩き、みずみずしい木々や花、野鳥などを楽しんでいきましょう。
ウッドチップが敷かれて快適な大滝の路
【三頭山:山歩きデータ】
アクセス:JR五日市線武蔵五日市駅から急行バスで約1時間10分、都民の森下車
コース:都民の森入口…鞘口峠…三頭山…三頭大滝…都民の森入口
所要時間:約3時間30分
体力度★★☆ 技術度★☆☆