心と体によく効く、大人の山歩き by 西野淑子

第13回 河川が作り出す不思議な景観、日和田山と曼殊沙華咲く巾着田へ(埼玉県・日高市)

埼玉県日高市を流れる高麗(こま)川が弧を描くように蛇行しているところが巾着田。すぐそばにそびえる日和田山の山頂付近から眺めると、まるで巾着のように見えるところから、その名前がつけられています。

日和田山山頂直下、金刀比羅神社前からの眺め

日和田山は、小学校の遠足などにも使われる、地元の「愛され山」のひとつ。最寄りの登山口である西武池袋線高麗駅から往復することもできますが、しっかり山を歩いて樹林の雰囲気を楽しむなら、お隣の武蔵横手駅からの縦走登山がおすすめです。

武蔵横手駅からうっそうとした樹林を進み、ひとつめの山頂、物見山へ。木々に覆われた山頂でひとやすみ。

 広場になっている物見山の山頂。眺めはいまひとつ

明るい雑木林のなか、アップダウンを繰り返しながら日和田山の山頂を目指します。ところどころで視界が開け、奥多摩の山々が眺められるのもいい感じです。

奥武蔵らしい雑木林が続く

最後に少し岩場を登り、日和田山の山頂へ。山頂は木々に覆われています。記念撮影を済ませたらすぐ、少し下の金刀比羅(ことひら)神社まで下りましょう。神社の前は眺望が開けています。

大きな石塔が立つ日和田山の山頂

関東平野と奥多摩の山々の眺望が素晴らしい場所。天気に恵まれれば富士山やスカイツリーも眺められます。眼下に見えている円形が巾着田です。

日和田山の山頂からは女坂経由で高麗駅方面へ向かいます。1時間弱の下りで舗装道路に出たら、巾着田へ立ち寄ってみましょう。

曼珠沙華が咲く中を歩ける巾着田(2021年は花の観賞不可)

巾着田は曼珠沙華(ヒガンバナ)の名所としても知られています。高麗川沿いの樹林の下を埋めつくすように真っ赤な花が咲き、その中にしつらえられた遊歩道を歩くことができます。例年花の見頃は9月半ばから10月上旬です。登山口からの道中にも、道沿いにいくつも花が見られます。

※2021年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開花前に刈り込み。曼殊沙華の観賞はできません

巾着田からゴールの高麗駅に向かう途中には、無人の農産物直売所が点在していて、とれたての野菜を買うことができます。9月は埼玉県日高市名産の栗も店頭に並びます。地元のよいものに出合うことも、山歩きの楽しみです。

道中に点在する農産物の無人販売所

 

【日和田山データ】

アクセス:西武池袋線武蔵横手駅下車。

コース:武蔵横手駅…物見山…日和田山…巾着田…高麗駅

所要時間:約3時間20分

体力度★★☆ 技術度★☆☆

※曼珠沙華の開花状況や、散策路の状況については、日高市観光協会や巾着田の公式サイトでご確認ください。

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