夏に涼を求めて山歩き。この時期のおすすめは渓谷歩道ハイキングです。沢のせせらぎは聞いているだけでも涼やかですし、水辺の散策路はひんやりとした風が吹き抜けることも。梅雨どき、あるいは梅雨明け直後は渓谷の水量も多く、周りの植物もみずみずしいです。人ごみを避けてのんびり渓谷歩き、今回ご案内するのは山梨県甲州市、日川渓谷 竜門峡です。
広葉樹の森のなか、沢のせせらぎが心地よく響く
竜門峡は、甲州市を流れる日川のなかで、田野地区から天目地区にかけての区間。竜門橋から上流に向けて約2.4kmのハイキングコースが設けられていて、美しい渓谷と樹林を満喫できます。遊歩道は整備されていますが、ところどころで歩きにくいところがあります。短時間の自然散策とはいえ、トレッキング用の靴や服装でお願いします。
心地よく歩きやすい散策路
スタートは竜門橋から。甲斐大和駅からバスでアクセスできます。コンクリート舗装の遊歩道を進み、山道に入っていきます。最初は渓谷から離れて山の中へ。うっそうとした樹林が心地よい感じです。遠目に渓谷を見ながら進んでいき、炭焼き窯跡を過ぎると渓谷が近くなっていきます。ところどころで河原に近づいてみるのもいいでしょう。
このコースのハイライト、落合三つの滝は、丸太の橋を渡ったり金属の階段を登った先にあります。うっそうと木々が茂るなかで滝が流れ落ちるさまは、まさに秘境の趣です。少し足場も悪いので十分注意して進みましょう。増水して沢が渡りにくいときは無理をせずに。
途中にある天鼓林(てんこりん)は、強く足を踏み鳴らすと地中から太鼓のような響きが聞こえると言われる場所。耳を澄ませてみましょう。
広場状になっている天鼓林。踏み鳴らすと太鼓の音が聞こえる?
天鼓林からしばらく進むと、あずまやのある分岐へ。ちょっとお疲れ気味なら天目方面へ向かう右の道へ、余裕ありならもう少し渓谷歩きを楽しんでいきましょう。巨石が積み重なった「平戸の石門」、岩の割れ目から樹木が生えている「木賊の石割ケヤキ」など、見どころがあちこちにあります。
木賊(とくさ)の石割ケヤキ。本当に岩を割っているよう
深い淵に小滝が流れ落ちる蜘蛛淵(くもんぶち)
道標に従って舗装道路に出たら、ゴールのやまと天目山温泉バス停を目指します。道中には蕎麦切発祥の地と言われる栖雲寺があります。下山後はやまと天目山温泉でひと風呂。なめらかな肌触りのお湯を楽しんだあとは、館内で食事や特産品の買い物をしていくのもいいでしょう。
やまと天目山温泉。男女別に大浴場と露天風呂あり
【竜門峡データ】
アクセス:JR中央本線甲斐大和駅からバス10分、竜門峡入口下車
コース:竜門峡入口…落合三つの滝…木賊の石割けやき…栖雲寺…やまと天目山温泉
所要時間:約1時間30分
体力度★☆☆ 技術度★☆☆