梅雨時を彩る花、あじさい。街路樹や公園、お寺の境内に植栽されていることも多く、この時期はあじさいを求めての散策が楽しい季節です。山であじさいのお花見はいかがでしょう。今回ご案内するのは東京都あきる野市、南沢あじさい山です。
山中に咲き乱れるあじさいが壮観な南沢あじさい山
市街地からすぐのところにそびえる金比羅山の東側斜面の一角が、あじさいの群落になっています。山の斜面、杉やヒノキの林の中を埋めつくすようにあじさいが植栽されています。その数約１万株。青、紫、ピンク、白、さまざまな色で、あじさいの種類もガクアジサイやヤマアジサイなどさまざま。例年6月中旬〜7月上旬が花の見頃で、あじさいの開花時期に合わせて「あじさい山まつり」を開催しています。開花状況は南沢あじさい山のサイトでも確認できます。
中央に小さな花が密集するガクアジサイ
南沢あじさい山のあじさいは、地元在住の「花咲か爺さん」こと南澤忠一さんが約50年かけて、丹精込めて育てたもの。今はその思いを若い世代が受け継ぎ、美しい花園が守られています。
JR五日市線武蔵五日市駅からあじさい山の入口までは徒歩40分ほど。道標とともに、赤いトンガリ帽子の小人が道案内になってくれています。山が近くなってくると沿道にもあじさいが咲いています。入口で入場料を支払い、園内に入ります。
南沢あじさい山の入口。手書きの看板とトンガリ帽子の小人がお出迎え
入口から両側にあじさいが咲き乱れ、気分が上がります。ベンチのある休憩所の先から山深い雰囲気に。山の斜面にびっしりと咲くあじさいに、思わず声を上げてしまいます。散策路は歩きやすく整備されていますが、山道ゆえ雨上がりのときは濡れて滑りやすく、少し注意が必要。ところどころに「フォトスペース」の看板があるので、あじさい山の素敵な景観を撮影してみましょう。
入口からしばらくはあじさいのトンネルのようなフラットな散策路
山をゆっくり散策し終えたら、入口近くの美しい錦鯉の池を見ていきましょう。この池のあるお家が忠一さんのお宅。運がよければ忠一さんにお会いしてお話をうかがえるかもしれません。
色鮮やかな錦鯉が元気に泳ぐ池
山歩きはよく晴れた日が気持ちよいですが、南沢あじさい山は曇っていたり、少し霧雨ぐらいのときがきれいです。うっすらと霧にけむるあじさい山は幻想的で、水分をたっぷり蓄えた花はみずみずしく輝いているようです。梅雨時ならではの山の美しさを、ぜひ見てほしいと思います。
フォトスペースから、園内を俯瞰する写真も撮影できる
【南沢あじさい山データ】
アクセス：JR五日市線武蔵五日市駅下車
コース：武蔵五日市駅…南沢あじさい山…往路を戻る武蔵五日市駅
所要時間：約2時間
体力度★☆☆ 技術度★☆☆
