各地へ取材に行っていると、「この取り組みはすばらしい!」と思える事々に出合います。今回はそんな話をいくつか紹介できればと思います。
■大分県別府鉄輪温泉「かんなわ ゆの香」
猫模様の鼻緒が多い布ぞうり
まずは大分県別府市にある「かんなわ ゆの香」。明るく元気な女将さんがお宿作りに取り組んでおられ、その人柄に惹かれてか、多くの人が集まってくる温泉宿です。コロナを機に本格的にスタートした旅館内ショップにも、そんな人脈を活かしたグッズが並んでいます。今年2月より販売をはじめた布ぞうり「ゆの香traco」もその一つ。コットン100%の古浴衣を再利用し、ステキな布ぞうりが完成!履いてみると、やわらかくこなれた足心地。外履きには向きませんが、お宿や家庭でスリッパ替わりにすると良さそうです。
かんなわ ゆの香
電話:0977-67-2682 住所:大分県別府市鉄輪御幸4組
https://www.kannawa-yunoka.com
■福島県会津熱塩温泉「ふじや」
若女将手作りのお迎えスイーツ。朝食のオーガニックグラノーラも若女将手焼き
温泉ってありがたい!と思える観音風呂
福島県喜多方市にある会津熱塩温泉「ふじや」では、お迎えのお菓子とアメニティの工夫に打たれました。若女将が作るビーガンスイーツがお部屋に備えられていて、これがおいしい! お湯タオルは可能な限りビニール包装や巾着に入れるのをやめ、紙で包まれています。熱塩温泉周辺は昔から農環境への意識が高く、小学校の給食にも地元の米や有機栽培の野菜を使っています。「ふじや」のお料理に使われている野菜も、自家栽培のものを中心にほぼオーガニック。3頭のヤギを保護し、雑種犬と暮らし、畑を作り、かけ流しのお湯で迎えてくれるふじやさんは、ご家族と家族のようなスタッフさんたちが、愛情を込めて運営している小さなお宿です。
帰郷のお宿 ふじや
電話:0241-36-2121 住所:福島県喜多方市熱塩加納町熱塩字熱塩甲807
https://h-fujiya.com
■栃木県奥鬼怒温泉郷「八丁の湯」
コクと甘味にあるスープが美味!
館内に掲示されていた日光シカの看板
2月に出かけた栃木県日光市八丁の湯は、コロナ禍で施設や運営を見直し、居心地のいい秘湯のお宿へとリニューアルしました。イス席のオシャレなダイニングでは、盛り付けといい味わいといい申し分のないお料理を食べられます。取材時、夕食メニューに畜産肉はでてきませんでした。お鍋はイノシシ肉。甘味のある味噌に野菜などからの旨みが加わり、箸が止まらなくなるおいしさ。地元ジビエを丁寧に調理し、多くの人が「おいしい」と思える食事にして提供するのは、山の環境にとっても大切だなと感じた1泊でした。
八丁の湯
電話:0288-96-0306 住所:栃木県日光市川俣876
https://www.8tyo-no-yu.co.jp