80平米で4名まで泊まれるOHYA1の客室。庭を見ながらのんびり過ごせます
奥多摩の奥、多摩川の源流に位置する小菅村は人口約700人。森と清流に包まれた小さな村に2019年8月「NIPPONIA小菅 源流の村」が誕生しました。地元で「大屋」と呼ばれていた築150年の古民家を改築した全4室のホテルです。
コンセプトは「村全体が一つのホテル」。どんな宿なのか、どんな村なのか、期待が高まります。玄関口はJR中央本線大月駅。ここから1日1便送迎があります。ドライバーは、ホテルのすぐ近くで生まれ育った方。「大屋さんは、村で2番目に早くテレビが入った家。子どもの頃、プロレスを見に行っていました」と様々なエピソードを聞かせてくれました。
長屋門をくぐって庭へ。奥の母屋に3室。別棟の蔵に1室の小さなホテル。
このほか少し離れた場所に1棟貸しの古民家ヴィラが2棟ある
村の名家がホテルとして蘇り、たくさんの人が訪れていることをご近所さんたちも喜んでいるご様子。一方、小菅村に移住し、新住民としてホテルに関わっている人たちもいます。
マネージャーの谷口さんもそのおひとり。東京のお台場で働き、海外生活も体験した後、「空気のきれいな所で暮らしたい」と移住を決めたのだそうです。
小菅村は面積の34%が東京都の水源林。水と森を守るため、環境意識の高い村でもあります。たとえば家庭や事業所から出る生ゴミは村の担当者が集めて堆肥化し、良質の肥料として道の駅などで販売しています。
春がやって来たような1品。小菅村産のご当地サーモン「富士の介」に豆乳タルタル。
料理は全9品。1品ずつシェフが説明してくれます
NIPPONIA小菅でもシャンプー類は無添加石けん、お掃除には重曹など環境負荷の少ないものを使っています。腕の良いシェフが作る夕食は、地元の人たちが自家用に育てている野菜や、清らかな水で育った山女魚、貴重な烏骨鶏など。年に24回以上、メニューが変わるというのも驚きです。里の暮らしに根ざした安心でおいしいお料理をいただけます。
小菅の湯の露天風呂。手前の樽と奥に見える釜風呂は、地元の薪で加温したかけ流し
温泉は徒歩6分の場所にある「小菅の湯」へ。坂道を歩いて温泉へ行き、村人とゲストとで温泉をシェアするスタイルです。宿泊者はひとり1回、無料で入浴ができます。
「小菅の湯」は、内風呂や露天、食事処などを備えた広い施設。お湯はアルカリが高くすべすべとした肌感覚。循環浴槽のほか、加温かけ流しや25度の源泉かけ流しの湯船があるのも嬉しい限り。かけ流し浴槽では細かいチリのような泡が肌を包んでくれてうっとりするような気持ちよさです。
土の道を歩いたり、自転車を借りて風を感じたり、神社にお参りしたり、焚き火を眺めたり‥。贅沢な村の時間を過ごせます。
NIPPONIA 小菅 源流の村
電話:0428-87-9210(9時〜18時)住所:山梨県北都留郡小菅村大久保3155-1
https://nipponia-kosuge.jp
多摩源流温泉 小菅の湯
電話:0428-87-0888 住所:山梨県北都留郡小菅村3445
http://kosugenoyu.jp