3階にある貸し切り露天。目隠しはあるが海がすぐそこに
広島港から高速船で30分。瀬戸内海に浮かぶ江田島は、一部の人には「海軍兵学校があった島」として知られています。その旧兵学校(現在は海上自衛隊第1術科学校)の“海の正門”を見渡せる湾沿いに、2021年7月、「江田島荘」という温泉ホテルが誕生しました。
ホテルは江田島市のバックアップを受けて開業。支配人やシェフも島に移り住み、住民となってホテルを支えています。館内には、江田島で織られている紙布が使われた小物やお土産があったり、お隣・呉市で生まれたセーラー万年筆を使って手紙や絵を描くコーナーがあったりと、センスよく地元を伝えています。
天井の高いロビー。右手の小部屋にセーラー万年筆のインクや広島ゆかりの書籍コーナーが
このホテルの大きな魅力は瀬戸の海。弧を描く長瀬海岸まで、ホテルの裏扉から20歩ほど。波穏やかな瀬戸内ならではの近さです。薄茶色の細かな砂はサラサラとしていて、波音を聞きながらのお散歩は、気持ちを軽やかにしてくれます。医学的にも、海辺を歩きながら海塩粒子を体に取り込むことで呼吸器に良い効果がもたらされることが分かっています。滞在しているだけで元気をもらえそうなすばらしい立地です。
長瀬海岸からすぐ。どこにいても海を感じられる。
右写真は足湯のある1階テラスと3階貸し切り露天からの眺め
実はこの島、私のふるさと。なので昔からよく知っている海岸ですが、以前よりキレイになっています。聞くとスタッフさん達が、週に1度ぐらいゴミ拾いをしているのだそうです。「美しい海あってこそのホテル」と、手弁当でビーチクリーニングをしていると知り、本当にありがたく嬉しくなりました。環境のためストローはサトウキビ製、箸は竹製のものを使っています。
そしてもう一つお伝えしたいのがベッドシーツへのこだわり。金沢にある老舗寝具店・石田屋製で、やわらかくて絶妙な肌触り、寝心地も抜群です。お洗濯を担当しているのは、島で暮らす障がいのある人たち。アイロン掛けが苦手な彼・彼女たちのため、アイロンなしでも大丈夫なシーツを、支配人さんが、日本中のシーツメーカーに問い合わせて見つけてきました。島の自然や人を大事にしながら運営されている江田島荘、元島民としては胸熱になりました。
シーツは全室石田屋製。そして全室から海が見えます
夕食は地元食材をアレンジしたフレンチ。部屋着OKのリラックスした雰囲気のダイニングでいただけます。温泉は宿泊者専用の貸し切り露天2ヵ所と男女別大浴場で、浴槽によってかけ流し、循環かけ流し併用、循環の3タイプ。特に貸し切り露天は加温源泉の投入量が多くてオススメです。
地元ジビエ・イノシシを使ったソーセージと元気な島野菜のサラダ。
工夫のある料理ばかり。朝は和食です
江田島荘 電話:0823-27-7755 住所:広島県江田島市能美町中町4718