スターターのひとクチ最中には坐漁荘のシンボルマークが。
あんは椎茸や鱒にほんのり桜の香り
「ABBA Resorts Izu-坐漁荘」は伊豆高原駅から南西へ約1キロ、自然豊かな別荘地に立つ高級温泉旅館です。台湾人オーナーが所有するこちらのお宿は、コロナ前まで、外国人旅行者に人気でした。様々な食文化をもった海外のゲストを広く受け入れてきたため、食に対しても幅広く対応しています。
宿泊した際の和食も、精進料理、ベジタリアン料理、ビーガン料理などを用意。また、「地元の人に来ていただいてこそ宿は輝く」というオーナーの地域への思いから、料理教室を開いたり、お手頃なランチの提供をしたりしています。1泊2食だとおひとり7万円前後〜という宿泊料金ですが、ランチは、コースで3300円〜、パスタやカレーなどは1500円前後、ケーキセットは1100円と手が届きそうな価格となっています。
ランチやイベントで利用できる別棟のレストラン。ガーデン席はペットと一緒に利用できる
さらにこの夏、サステナブルをテーマにしたランチイベントを初開催しました。「静岡県内の食材だけ、それも山や海の環境を守り汚さないことにつながる食材だけを選んでいます」と、坐漁荘「フレンチレストランやまもも」の山本晋平シェフが話してくれました。
今回のランチのお料理は「無農薬原木椎茸とくぬぎ鱒を使ったひとくち最中」「オーガニック野菜の菜園仕立て」「アサリの旨みが染みこんだ有機栽培米のリゾット」「天城天空の鹿と有機野菜のロースト」の4品。それぞれに静岡県藤枝市で50年近く無農薬でお茶を栽培している「人と農・自然をつなぐ会」によるお茶がペアリングされます。
お茶生産者の杵塚一起さんさんはお料理に合わせて5種類のブレンド茶を用意。
鹿肉にはローズマリーの入ったゆず上ほうじ茶でさっぱり。香りの深いお茶でした
その後のデザートは3品。東京南青山にあるスイーツの名店「UNGRAIN」の昆布智成シェフが来店し、「今日、ここでしか食べられない旬のスイーツ」を作ってくれます。こちらには、同じく杵塚さんの作る和紅茶がサーブされます。
どの料理も目が覚めるようなおいしさ、そして美しさ! おいしいだけでなく、たとえば1品目のくぬぎ鱒は抗生物質を使わずに飼育されていますし、鹿肉は、「山の上から環境を守りたい」と、標高1000m以上で捕獲された鹿だけを使っています。
有機栽培の野菜がたっぷり。
鹿肉は火の入れ方が絶妙で、とろけるような食感。鹿肉では初めての食感でした
昆布シェフがつくるスイーツも香りのふくよかさといい、クチの中で奏でる多重的な味わいといい「おいしい」ってこういう味だよなとしみじみ感じいりました。なかでも天使音メロンの一品は、果肉がとろりと滑らかで、そこにさっぱりとしたメレンゲ状のソースがからまり、衝撃的なおいしさでした。天使音メロンは、ホルモン剤を使わず繊細な水分調整をすることで育てられている浜松産のメロン。間違いなく今まで食べたメロンの中でナンバーワンの味でした。
天使音メロンのスイーツ(右)といちじくや和紅茶のスイーツ(左)
「安全安心」が旅のキーワードになってきそうな昨今、「おいしい」の裏側にある「安全安心」をきちんと担保してくれた今回のサステナブルランチは、プロフェッショナルなシェフや生産者による、地域や環境への貢献の一つの形だなとの思いがしました。サステナブルランチのイベントは、今後も開催される予定です。坐漁荘のHPなどで告知されますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
ABBA Resorts Izu-坐漁荘
電話:0557-53-1170 住所:静岡県伊東市八幡野1741