ゲストハウスの玄関。左手奥が浴室、階段の上の2階が客室になります
第9回に引き続き、yuzakaをご紹介。
それにしてもyuzakaは居心地のいい場所です。宿というよりも、シェアハウスにオジャマしているような自由なくつろぎ感があります。キッチンには、コーヒー、ルイボスティー、お友達が作っている玄米茶や季節に合わせたハーブティーなどオーガニックなドリンク類が置かれています。これらは、諏訪さんご夫婦も普段から飲んでいるお茶。自分たちが良いと思うものだけをゲストハウスにも置いているのです。
共同のキッチン。お茶を飲みながら仕事もできるスペース
共同の洗面所には陶芸家の焼いた深めのシンク、オシャレでかつ使いやすい形です。化粧品やシャンプーリンスはすべてオーガニック。客室のシーツ類もオーガニックコットン製です。このコットンシーツ、硬さと柔らかさのバランスが絶妙でさらりとした肌感覚。客室は4室あり、シングルから、和室二間続きの広い部屋までタイプやインテリアの異なるお部屋となっています。
宿泊した客室。窓からは大湯の日常が眺められます。静かで落ちついたお部屋でした
渡り廊下の先には貸し切りで利用できる温泉が1カ所。青みがかった十和田石の浴槽に、熱いお湯がかけ流しで注がれています。湯元は道向かいに立つ共同湯「下ノ湯」。弱アルカリ性のナトリウムー塩化物泉で、ほのかに硫黄が香り、あたたまる湯質です。入浴後はお肌がさらりしっとりとなります。
脱衣場と浴槽一体型の浴室。黒い湯花の出るお湯がかけ流しで注がれています。
浴後の肌感覚がすばらしいお湯です
yuzakaは元々、大正時代に開業した亀屋旅館という宿でした。休業していた旅館を譲り受けたのが当時30代半ばだった諏訪芳明さん。お父さんの実家が大湯にあり、首都圏で働いていた頃から「いずれは田舎暮らしを」と考えていたのだそうです。大湯移住後、まずはご実家の蔵を改装して、自然派ワインのショップを開業、その後、亀屋の建物をリノベーションして新しい宿作りをはじめました。一方、パートナーとなる英子さんは、18歳まで大湯で過ごし、その後は関東に出て、神奈川県逗子市でフェアトレードのショップを運営していました。2人の出会いのストーリーは直接、ゲストハウスに出かけて聞いてみてくださいね。
ゲストハウスから徒歩3分のワインショップ。
ここでジョージアのワインを手に入れました。
稀少な自然派ワインがそろっています
古い蔵や旅館に新たな命を吹き込み、地元からも世界からも人気の場所を作りあげたお二人の周りには、ステキな人が集まってきます。取材日の数日前にも、お仲間のアーティストさんたちが、木の枝や皮などの自然素材を用いて客室の壁に大胆なデコレーションを施すプロジェクトが実施されました。様々な人たちとコラボを続けながら、ゲストハウスはゆっくりと進化しています。
諏訪さんご夫婦と、大湯生まれの諏訪父さん、時々お店にやって来るレモンちゃんで記念撮影。また会いに行きたくなりそう
yuzaka ~natural & sustainable inn~
電話:0186-22-4825 住所:秋田県鹿角市十和田大湯下ノ湯19
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