突然ですが、カプセルホテルってどんなイメージですか?
というのも、近頃カプセルホテルがグーンと進化していて、狭くて窮屈で「安かろう悪かろう」なイメージとは一切無縁! むしろ大人気で予約が取れないほどのところも増えているんだとか。。。
とはいえ正直なところ、男性が利用するものっていうイメージが拭いきれていなかったんですが、今回東京・渋谷にある女性専用カプセルホテル「NADESHIKO HOTEL SHIBUYA」を取材。見事に目からウロコを落としてきましたっ! 早速ご紹介しましょう!
渋谷駅から国道246号線沿いに、池尻大橋方面に徒歩10分ほど。一本路地を入った閑静なエリアに、「NADESHIKO HOTEL SHIBUYA」はあります。京王井の頭線の神泉駅からなら徒歩3分なので、土地勘がない方なら、神泉駅利用がオススメ。
オープンは約1年前の、2016年4月1日。訪日外国人女性をメインターゲットとしていて館内表示などはすべて英語、スタッフも全員英語が話せるという徹底ぶり。稼動率は常に9割を超え、外国人客が欧米人を中心に70%を占めるといいます。とはいえもちろん日本人も女性であれば宿泊OK! 女子会や終電を逃しちゃった時にも使えますし、冬は受験生の利用も多いとのこと。また、遅い飛行機で東京に到着した時などにも便利に使えます。
カプセルホテルなのにNipponらしさがいっぱい!
「NADESHIKO HOTEL SHIBUYA」の特色の一つが、日本を訪れた外国人に向けた和の仕掛け。例えばチェックイン時には、和服姿の女将スタッフがお出迎え。足袋や化粧品水などのアメニティが入った和柄の巾着がプレゼントされ、館内着として5色の色浴衣から帯も合わせてそれぞれ好きなものを無料で選べます。色浴衣は旅館でも有料のところが多いのに、太っ腹です!
(左)アメニティはDHCや雪肌精などブランドものなので、安心して使えます
(右)館内着があるだけでも便利ですが、色浴衣なんてテンション上がりますよね♪
宿泊エリアは、地下1階地上4階建ての2〜4階部分。こちらではカプセルを繭に例えてコクーンと呼んでおり、4階は12室のコクーン、3階は6室のコクーンが2部屋、2階は大浴場と畳ラウンジになっています。
客室フロアの簾には浮世絵が描かれ、カプセルホテルにありがちな無機質なイメージではなく、漆や木を連想させるような落ち着いたトーンでまとめられています。うっすらと陽の光が差し込むのもカプセルホテルではとても珍しい造り。
コクーンは幅110センチと広めのサイズで、十分寝返りを打つこともできます。程よいサイズ感が妙に心地よく、「コクーン」とはぴったりな表現です。客室ごとに専用のロッカーもあるので、貴重品の管理も万全ですし、大きなスーツケースはフロア部分のポールにチェーン鍵でロックできます。
(左下)窓越しのベンチに腰掛けながら、荷物整理もできます。足元のポールに大きな荷物はロックすることができます
(右下)ロッカーも貴重品をしまうには十分な広さ
3階は閑散期なら2名から貸切ができ(最大6名まで)、女子会に大人気。ファッションの街渋谷ですから、遠方からのお買い物三昧の旅にも使えそうです。
2階の大浴場には、日本で3人しかいないという銭湯ペンキ絵師の田中みずきさんに描いていただいたという、立派な富士山! 和情緒あふれる演出で、SENTO文化も体感してもらえます。DHCのオーガニックシャンプーやボディークリームも好評だそうですし、バスタオルがいつでも無料で使えるのもポイント大! 女性の旅支度って色々大変ですが、ここなら手ぶらでもOKなほど何でも揃っています。
(左下)お風呂文化のない国の方用にシャワーブースも完備しています
(右下)広いパウダールームも嬉しいですよね。さすが女性専用です
また畳ラウンジは、お茶やコーヒー、お水が飲み放題、お菓子も食べ放題、パソコンも自由に利用OKのくつろぎスペース。外から持ち込んだ食材を客室で食べることはできませんが、これだけサービス満点のラウンジがあれば、まったく問題ないですよね。カプセルホテルって、カプセルの中しか居場所がないんでしょ?と思っていたので、正直、驚きました。
(右)ゲストハウス風のボードもあり、宿泊者同士の交流の場にもなりそうです
カプセルホテルなのに日本酒居酒屋も♪
カプセルホテルというと、ちょっとしたコーヒーショップを併設しているところはありますが、こちらにはなんと、1階に日本酒居酒屋「OISHI KOMACHI SHINSEN」(オイシ コマチ シンセン)が併設されています。
昼間にはカレーランチを、夜には和惣菜や串揚げとともに、スタッフが厳選した日本酒を楽しむことができます。宿泊者は浴衣で利用できますし、宿泊客でなくとも(もちろん男性も)利用可能です。
(右)プチプライスで日本の和惣菜を提供するのって食体験にもなって良いなぁと思いました
私はランチのカレーをいただきましたが、ここにも「和」のサプライズ。黒いルーの見た目から、相当スパイシーなものを予想していましたが、和牛すじをほろほろになるまで煮込んだ、出汁の効いた和カレーでした。季節野菜の素揚げがトッピングされて、ご飯は五穀米、さらにタケノコの土佐煮やきんぴらごぼうなどの季節の和惣菜が2種ついて、800円! 渋谷なのに安い(笑)! 夏にはガラス戸部分を開け放ち、ビアテラス風にする予定だそうです。
カプセルホテルなのに写真スタジオ?
今度は地下へ降りてみましょう。浮世絵シールが貼られた階段を降りていくと、現れたのは写真スタジオ。こちらに掛けてある着物は、無料で着付けしてもらえる上に写真撮影までしてもらえるとのこと。さらには3時間のお散歩コースを利用すると、着たまま外出もOK! 館内着として貸し出している浴衣は外に出るにはちょっと薄手なので、こちらでちゃんとした着物に着替え、外国人の方などは109前やスクランブル交差点で撮影することもあるのだとか。
(右)外国人はもちろん、日本人も着物を着る機会が減っているので、気軽に試せるのは嬉しいですね
ここまでのサービス、普通の旅館であってもなかなか無いです。インターネットの書き込みなどで外国人利用客がどんどん増えるという今の時代にぴったりの、話題性十分なサービスだと思いました。
カプセルホテルなのにアンテナショップ!?
数々のホスピタリティーあふれるサービス満載のこのホテル、実は経営している会社である「USEN」のアンテナショップという位置付けなんです。
「アンテナショップ?」と驚かれる方も多いと思いますが、USENが手がけている様々な事業の商品が実際に稼働している様子を見ていただくための施設なのだそう。聞けば、建物も元々社員寮だったものをリノベーションしており、ロゴマークなどもUSEN社員であるデザイナーの堀氏が制作したのだとか。1周年を機に制作したホームページも女性目線を大切にするため、社内で女性プロジェクトを立ち上げ、アイディアを出し合ったといいます。
レジシステムやフリーWiFi、BGMサービス(USENなだけに各フロアのBGMを変えるなどのこだわりも!)、防犯カメラなど、自社のサービスを実装させつつ、女性専用のカプセルホテルを運営するなんてまさに一石二鳥! 経営は極めて順調ですがアンテナショップなので、ホテルを2つ3つと増やす予定は今のところないとのこと。ちょっともったいない気がしますが、宿泊業の新しい潮流であることは確かです。泊まる方としては、面白いホテルが増えてくれるのは嬉しいですね。
NADESHIKO HOTEL SHIBUYA
住 所 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町 10-5
電 話 03-5489-3667
URL http://nadeshiko-hotel.jp/index.html
料 金 1名客室1泊平日6,700円〜、(シーズンや曜日により変動)
OISHI KOMACHI SHINSEN
電 話 03-5489-3669
営業時間 11:30〜14:00(平日のみランチ営業)、17:00〜23:00 (L.O.22:00、ドリンクのL.O.は22:30)
定 休 日 日曜日
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