東京・お台場にある日本科学未来館で、さまざまな体験を通して生き物の生態や気持ちを体感できる『MOVE 生きものになれる展 -動く図鑑の世界にとびこもう!-』が開催中です。プレス発表会に行ってきましたので、その様子をご紹介します!
人間以外の生き物になれる!体験
小中学生くらいのお子さんをお持ちの方はご存知かもしれませんが、講談社発行の『動く図鑑 MOVE』は、映像を収録したDVDと連動しながら、大迫力のインパクトある写真たっぷりで動物や昆虫、魚や恐竜などを紹介する今までにない発想をした図鑑です。
この『動く図鑑 MOVE』のコンテンツや世界観をベースに、書籍や映像の枠を飛び越えて、他の生き物になれる体験ができるのが今回の企画展です。単に"学ぶ"のではなく、生き物に"なる"ことでこれまでにない方法で「生物多様性」や「他者理解」の学習ができます。
展示エリアは、公園やジャングル、サバンナなど、地球の特徴的ないくつかの地域にわかれています。それぞれのエリアに棲息する生き物に実際になることで、彼らの生きる知恵や技術を五感で体験し、生き物たちが環境に合わせて様々な生存戦略を持って生きていることを実感できるのです。
子どもは敵!? スモール・ガーデンでダンゴ虫に
小さい頃、ダンゴ虫をつんつん突いた経験が一度はありますよね? 実はあの行為はダンゴ虫にとってはとてつもなく恐ろしいことだったかもしれません。足下の世界をテーマにしたエリア「スモール・ガーデン」では、実際にダンゴムシの鎧を着用し、蟻役の人に刺激を与えられる体験ができます。ダンゴムシが丸まることで外部からの敵から身を守ることがいかに大切なことかを体感できるのです。
今回の企画展の応援団に就任した、"ももくろちゃんZ"もプレス発表会に登場しましたが、このダンゴムシ体験を通して「丸まることで守られている安心感がある」「小さい時にダンゴムシを突いたことを申し訳ない気持ちになりました(笑)」などと話していましたよ。
熾烈な競争が繰り広げられている海でペンギンに
陸上に生きる人間からはなかなか見ることはできませんが、実は熾烈な生存競争が繰り広げられている海。「サバイバル・オーシャンエリアでは、食物連鎖の重要性と、絶滅などによって訪れる海中世界の序列の変化を垣間見られます。
ここではペンギンを模したとってもキュートなコスチュームを着て、お腹を使って坂を滑り降りる体験ができます。でも、その滑り降りた先には、大きな口を開けた巨大なサメ・メガロドンが待ち構えています!
小さなお子さんはもちろん、こちらのペンギンコスチュームは大人用も用意されていますので、ぜひ大人も体験してみてください。私も体験してきましたが、とっても楽しいですよ!
ジャングルで水上を走れる!?
水の上を走ってみたいという夢を、ワンダー・ジャングルエリアで叶えられるかもしれませんよ。 このエリアでは、水上を走るユニークな爬虫類・バシリスクになって水の上を走る疑似体験ができるのです。まるでウォーターベッドのような感触の足場の上を、敵から逃げるために一気に走り抜けましょう! バシリスクは1秒間に20歩もの速さのスピードで脚を動かすのだとか。皆さんとバシリスク、どちらが早い? バシリスクのバランス感覚にもきっと驚くはずですよ。
求愛ダンスゲームやギア装着体験も
この他にも、ライオンになって獲物の草食動物に見つからないように狩りをする"だるまさんが転んだ"のような体験や、蝶の羽や水牛のツノのギア装着体験、ホエザルになって大声で敵を追い払う体験などもあります。応援団のももくろちゃんZメンバーの映像と一緒にさまざまな動物たちの求愛行動を、実際にダンスしながら楽しく学ぶゲームもあります。
大迫力の恐竜も登場!一部平日限定のライブショー
期間中、全長4.5mの肉食恐竜「ラプトル」が会場内に出没する体験型恐竜ライブショー「DINO-A-LIVE」も開催。大音量とともに、まるで生きているかのように会場中を荒々しく歩き回り襲い掛かる姿は大人でも少し恐ろしくなってしまうほど。恐竜好きにはたまらないほどの迫力ですが、泣き出してしまうお子さんもいると思いますので、お子さん連れの方は注意してくださいね。 開催日、開催時間は公式サイトでご確認ください。
現在主流になりつつあるVRやAI技術をあえて使わずにアナログな手法にこだわった今回の企画展。生き物の目線になれるアナログな体験を通じて想像力を刺激し、人間も生物多様性の中の一部であると考えさせられます。好奇心を刺激することで、さまざまな生き物に対する興味を持つきっかけにしてくださいね。
日本科学未来館
『MOVE 生きものになれる展 -動く図鑑の世界にとびこもう!-』
開催中〜2018年4月8日(日)
写真協力:日本科学未来館
取材・文:塩見有紀子