京都の町は碁盤の目です。斜めの道はほぼありません。目的地を間違えたり、行き過ごしたりしても、次を曲がって曲がって曲がって元に戻ったらええやんというように気楽なもので、東京や大阪のように、ここで間違えたら大変なことになる!というような緊張感がありません。
もうひとつの特徴は、盆地で山が近く、ついつい比叡山をランドマークにして方角を確認しがちですので、山が見えない町では、地下から地上に出たときに方角が全く分からず途方に暮れる事が多々あります。
今回は繁華街祇園に最も隣接している東山への登山。では出発です。
祇園の交差点、つまり八坂神社石段下から八坂神社に入り、境内を東に通り抜けたら円山公園入口です。有名な枝垂れ桜の巨木を過ぎ、池の橋を渡り小川沿いの遊歩道を山の方へ進みます。料亭を見ながら趣のある石段を登り、最奥の道に出ます。吉水弁財天と公衆トイレの間にある石段が山への入口です。
祇園交差点と八坂神社石段下 着物のカップルが増えてきました 石段を上ることから登山のスタートです
円山公園遊歩道入口で、後ろに枝垂れ桜があります 料亭と石段
景観にうまく溶け込んだトイレの横の階段を上がり、左に折れると東屋があります
ここまで15分くらいで、ここから頂上まで30分弱です。駐車場と東屋を過ぎると、将軍塚道と書かれた石碑横のいかにもの山道を登ります。歓喜天を祀った聖天堂があったり石仏が散在したりしています。東山山頂公園という道標があちこちに立っているので迷うことはありません。
登り口の石碑と山道
杉木立を抜けると明るく開けて、最後の急峻を登ると青蓮院門跡将軍塚青龍殿側の道路に出ます。ここが標高220mの東山山頂公園で別名将軍塚です。
794年の平安京遷都に際して桓武天皇が、和気清麻呂の進言で都の四方に甲冑姿の武将像を埋めました。そのひとつの場所が将軍塚で、青龍殿の敷地内にあります。直径約20mの石垣に囲まれたこんもりした草地で、国家の大事があると鳴動するとの言い伝えがあります。
青龍殿と登山道のゴール地点 東山山頂公園駐車場は無料で終日停められるので車中泊できます
ともあれ、来られる人のほとんどの目的は眺望です。こんなに間近から京都市街を眺められるのは、将軍塚と京都タワーくらいでしょう。京都市営展望台と2014年にできた青龍殿の木造大舞台から見ることができます。夜景の名所で彼女ができると、みんな必ずドライブで来ます。あっ、夜は絶対登山道で来ないでください。遭難します!
市営展望台と眺望