(冷製茶碗蒸し氷のソース鱧の茶碗蒸し)
飲用泉の温泉水を使った出汁を凍らせて、お客様の前で削ってソースとします。
京都 北白川天然ラジウム温泉えいせん京の後半は、まず突出した温泉についてです。
前編で花崗岩質の比叡山の岩盤から自噴していると書きましたが、水温12℃~13℃の飲用許可泉なのでポリタンクで持って帰るお客が多いそうです。泉質のラジウムですが、ラドンへ変化し水に溶け込みます。身体へは飲用もですが、入浴時に湯気から呼吸で取り込まれ、3日間ほど留まり、その間に免疫を高めるという働きをする、例えば癌に効く温泉だと言われています。その情報が医療関係に広く伝わっているらしく、日帰り客に医療従事者が多いそうです。ラドンの融合量は、秋田の玉川温泉に匹敵するそうで、さらに酸化還元電位が低い水なので、活性酸素を消す働きがあるそうです。客室露天風呂以外は、昭和レトロな室内大浴場があるだけです。
リピーター宿泊客のもう一つの目的は夕食です。すべての料理をオーナーである藤田恒二郎氏が手掛けています。基本は京懐石料理ですが、そこに彼独自の洋の料理が挟み込まれます。その料理を支える、優れた旬の京都野菜が使われているのは言うまでもありません。恒二郎氏はなんと高校生の時から、自分の小遣いを使い、一人でフレンチの食べ歩きをしていたそうです。高校生の分際で!
彼は人一倍料理が好きで、様々な人との交流の中でどん欲にアイデアを取り入れ、いかにお客様に喜んでもらうか、驚かせるかを心掛けた、良い意味で映える演出がなされた料理だと思います。例えば凍らせた出汁を削り落としたり、加茂茄子とフォアグラにトリュフをこれでもかというくらいスライスさせたりとかを目の前でやってくれます。最後のデザートまでも手を抜かずに演出されています。時が経つのを忘れるくらいの至福が得られるのは請け合います。
(造り三種 生湯葉キャビア パートブリック)
生湯葉をキャビアの塩気で味わいます。パートブリックはサクサクとした触感を与えてくれます。
(鯛の瞬間スモーク)鯛の塩焼、4種類のソース添です。
酢味噌と枝豆のピュレは和風、タルタルソースとトマトソースで食べると洋風になります。
煙はウィスキーの樽、ウィスキーオークの チップを使用しており、ほのかにウィスキーの香が漂います。
(加茂茄子フォワグラ焼き)加茂茄子をフォワグラの油で焼き上げてあります。
仕上げにサマートリュフを削りかけます。
(牛肉の朴葉焼き)牛肉を自家製の朴葉味噌で焼きながらいただく。
朴葉と味噌の焦げる香りが野趣を誘います。
恒二郎氏が宿を引き継いだ時に掲げた言葉があります。それは、顧客満足度最優先です。星野リゾートの星野さんの書物から学んだ言葉です。その実践が、3割以上のリピーターや楽天トラベルアワードのゴールドの選出や、口コミ京都2位、他の様々な賞の受賞として結実しています。
京都 北白川天然ラジウム温泉 えいせん京
宿泊(1人1泊2食):スタンダード¥28000- スイート¥38000~¥40000
日帰り入浴(11時〜17時45分(受付終了17時)):¥1580-
日帰り入浴+昼和膳プラン:¥5600-
※消費税込み