男鹿市内の各所に巨大なナマハゲ像が立つ
大晦日の晩、「ウォー、泣く子はいねがー」と唸りながら家々を訪れる「男鹿のナマハゲ」。強面ではありますが、ナマハゲは訪れた家の厄を払い、無病息災や豊作などの幸をもたらす来訪神なのです。2018年には全国8県10行事とともに「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。
ナマハゲ行事は、かつては小正月に、現在では大晦日に行われていますが、男鹿市内にある男鹿真山伝承館では一年を通してこの行事を体験できます。
伝承館のナマハゲ行事。真山のナマハゲはツノがないのが特徴
ナマハゲ行事は地域ごとに面や衣装、所作などが異なり、伝承館の体験では施設がある真山地区のしきたりで行われます。ナマハゲは縦横無尽に歩き回っているのかと思っていましたが、主導権はその家の主人にあるのだとか。所作も決まっており、例えば四股一つとっても真山地区の場合は家に上がる時に7回、お膳に座る前に5回、お膳から立ち上がる際に3回と回数が決まっています。
「なまはげ勢ぞろい」コーナー
この男鹿真山伝承館に隣接するミュージアム「なまはげ館」も必見です。特に興味深いのが、「なまはげ勢ぞろい」コーナー。男鹿市内各地のナマハゲ面150以上が展示されています。面の形や表情と、地域によって異なり、なかには怖いというより愛嬌たっぷりな表情の面もあります。
そしてもう一つ、ぜひ訪れて欲しいのが、男鹿温泉郷の五風なまはげ太鼓。地域の若者たちがナマハゲの面と衣装をまとって太鼓を叩くライブを楽しめます。
見事な上腕二頭筋に日頃の練習がしのばれます
なまはげ太鼓のメンバーは、故郷を盛り上げたいという思いから、皆仕事があるなかで集まっており、地域活動の一環として活動しているのだそう。全身を使って太鼓を叩き、時にステージを飛び降りて客席へ。エネルギッシュに動き回るナマハゲたちに、拍手喝采!ライブが終わる頃にはファンになっていることうけあいです。