はしっこに、なぜかときめく。「本州最北」や「日本最南端」など、日本全国のはしっこに石碑が立っていることから見ても、はしっこ好きの仲間は多いのでしょう。
秋田県の真ん中あたり、日本海に向かって「いいね」と親指を立てているかのように、ツンっと飛び出している男鹿半島では、はしっこならではの、エッジが際立つパノラマを楽しめます。
サムアップの指先の部分に当たるのが、景勝地として名高い入道崎。広々とした草原と紺碧の大海原の見事なコントラストに花を添えるのが、入道埼灯台です。
入道埼灯台は4月中旬〜11月上旬まで上ることができます(悪天候時除く)
明治31(1898)年に点灯を開始して以来、入道埼灯台は船舶の航行の安全を守り続けています。現在の灯台は、昭和26年に改築された2代目で、全国に16基ある上れる灯台のひとつ。初代は鉄製の白い灯台でしたが、2代目は白黒縞模様で、雪景色にもよく映えます。
入道崎から見る夕日もおすすめ。
男鹿温泉郷のお宿のご主人曰く、
「海に沈む時に、ジュっと音がしそうなほど、赤く美しい夕日です」
入道崎がサムアップの指先なら、寒風山はさしずめ手首あたり。標高約355mの火山で、山頂付近一帯は一面芝生で覆われています。山頂までは寒風山パノラマラインが延び、ドライブコースとしても人気。鳥海山や白神山地、眼下には八郎潟を干拓して生まれた大潟村の水田風景と、爽快なパノラマを一望できます。寒風山はパラグライダーのメッカとしても知られ、訪れた日も気持ちよさそうにパラグライダーが飛んでいました。
寒風山の山頂付近から、大潟村、秋田市方面を一望。写真左上部に小さく見えるのがパラグライダー
この寒風山は、さながら自然のダムになっており、山麓で名水が湧き出しています。その代表が、竜の頭湧水。寒風山の地下にしみ込んだ雨水や雪解け水が、火山内部を流れる間にミネラルをたっぷり含み、およそ20年の時を経て湧き出すといわれています。その量は、なんと1日約2万5000トン。生活や農業用水として利用されており、浄水場そばの水汲み場では水を汲む市民の姿が見受けられます。身近に名水があるなんて、うらやましいですね。
木陰も涼しげな竜の頭湧水の水源地