中央の2つのタワーが「リゾナーレ トマム」。左のカラフルな2タワーが「ザ・タワー」
北海道のほぼ中央、日高山脈の大自然に抱かれた広大な複合リゾート「星野リゾート トマム」。
ファミリーでリゾートライフを楽しめる「リゾナーレ トマム」と、アクティブに遊びたい人にぴったりの「ザ・タワー」の2ブランドのホテルをはじめ、スキー場やゴルフ場を備え、四季を通して北海道の魅力を満喫できます。今回は来るウィンターシーズンを前に、大人旅(前編)とファミリー旅(後編)のふたつのモデルプランをご紹介します。
■【前編】ラグジュアリーに冬の北海道を楽しむ大人旅
「星野リゾート トマム」の総面積は約1000ha、なんと東京ドーム213個分に相当します。タワー型ホテルの「リゾナーレ トマム」と「ザ・タワー」がランドマークとなり、周囲にはスキー場や全天候型オールシーズン営業のインドアウェイブプール、露天風呂、氷でできたアイスビレッジ、冬山の楽しみ満載のGAOアウトドアセンターなどが点在しています。それぞれの施設を結ぶシャトルバスをうまく使って、様々なアクティビティにトライしたり、お気に入りの場所を見つけてのんびりしたり、気の向くままに過ごすことができます。トマムを満喫するなら2泊3日以上のステイがオススメということで、今回はギュッと魅力を凝縮したモデルプランに沿って、大人のためのリゾートホリデーをご紹介します。
【1日目】*******
13:00 アフタースキーも大満足!リゾート感いっぱいの客室にチェックイン
今回滞在した「リゾナーレ トマム」は、全室スイート仕様のゆとりある客室が魅力のリゾートホテル。2棟のタワーに客室はワンフロア4室のみで計200室あり、そのすべてが100平米以上の広さを確保しています。ツインやフォースなど間取りは少しずつ違うものの広々としたリビングを備え、ジェットバスからはトマムの森を見渡すことができます。この寛ぎの空間をベースにトマムの冬を存分に楽しむ贅沢ステイ...期待が高まります。
上:壁紙と家具の色味を合わせたオシャレな雰囲気
下左:昼間は緑の森を、夜は星空も楽しめる窓辺のジェットバス
下右:ダブルシンクなので朝もゆったり仕度ができます
インテリア好きな方におすすめしたいのが、北海道発の人気ブランド「旭川家具」のコンセプトルーム。丁寧な仕事が施されたデザインと、無垢の木の温かみ が心をほっこり和ませてくれます。リビングだけでなくベッドルームも同じテイストで設えてあり、旭川家具がさりげなく調和しています。
いずれの客室もリビング、ベッドルーム、ジェットバス、シャワールーム、サウナは標準装備なので、どのお部屋に泊まってもゆったりと過ごすことができます。
14:00 ゲレンデに繰り出して、パウダースノーを体感
トマムは北海道の内陸に位置し、平均気温が低く乾燥しているため、極上のパウダースノーに恵まれています。この雪質を体感するなら、やはりスキーやスノーボードに挑戦したいところ。上級者限定の解放エリアや非圧雪のコースから、初心者や子供向けのコースまであり、どんな方でもサラサラのパウダースノーの心地良さを体感することができます。
また「もう何年も滑っていないんだけど...」「スノーボードがもっとうまくなりたい!」など、ブランクが不安だったりスキルアップしたいという方のためのレッスンプログラムも多数用意。オシャレでかわいいウェアや板もレンタルできるので、手ぶらで気負わずトライすることができます。
右:ガールズアカデミーは、女性インストラクターによる女性限定のボードレッスンプログラム。
ビギナーから上級者まで技術に合わせた少人数のレッスンなので、楽しみながら上達できること間違いなし!
左:ブワッと舞い上がるパウダースノー!時間を忘れて滑ってしまいそうです
18:00 スレッジキャビンで行く、道産素材満載のラクレットディナー
スノーボービルで牽引するのでスピード感も楽しいスレッジキャビン
トマムの魅力はスキーやスノーボートをしなくても、雪山遊びを満喫できるところ。20種類以上のスノーアクティビティプログラムを備えた「GAOアウトドアセンター」なら、今まで知らなかった冬山の楽しみ方を教えてくれます。初日のディナーは、人気のプログラムのひとつ「ナイトスノークルージング」に参加。雪明かりに包まれた森の中をスレッジキャビン(雪そり)でクルージングして山の中腹にあるレストラン「Mt.Cafe RAP」へ。昼間はスキーヤーで賑わいますが、夜はプログラム参加者だけの貸切で、ラクレットを楽しめます。
ラクレットとはスイスやフランスの郷土料理で、溶かしたチーズにジャガイモを絡めていただくお料理。トマムでは道産のジャガイモやマッシュルームをはじめ、魚介類やソーセージ、ベーコン、パンなどの具材に、チーズもゴーダとモッツァレラの2種を用意。木のぬくもりあふれるお店の雰囲気もあいまって、気分は「アルプスの少女ハイジ」♪ トロリととろけたチーズと相性抜群の野菜やソーセージがたまりません!時間を忘れてゆっくりとディナーを味わいました。
右:最高の状態にチーズを溶かせた時の美味しさといったら!美味を求めてついつい食べ過ぎてしまいます
体を動かすことが目的のアクティビティだけでなく、雪山の美しさや自然の豊かさをランチやディナーとともに楽しめるプログラムも用意しているのが、トマムの素晴らしいところ!冬の夜の山で遊ぶなんて、ナイタースキーぐらいしか思い浮かばなかったので、とても感動しました。
23:00 琥珀色の幸せを味わいに「北海道オールダイニング 椿サロン」へ
リゾナーレトマムのサウス棟32階にある「北海道オールダイニング 椿サロン」は、夜はバーとして営業しています。国内限定3店舗のみの「THE NIKKA」の称号がつけられており、余市と宮城峡の原酒やモルト20種以上がそろう品揃えは流石!ストレートからロック、ミスト、ハイボールなど7種類の飲み方で味わうことができ、こだわりのニッカウヰスキーを堪能できます。NHKドラマの影響もあり、人気急上昇のウイスキーを楽しめる絶好のスポットです。
また、北海道のデザイン事務所「アトリエテンマ」が手掛けた内装やインテリアも一緒に楽しめます。"大自然に包まれたトマムだからこそ、触れるものはすべて土にかえる自然素材を"というコンセプトが活かされており、北海道らしさが随所に感じられます。骨太でありながらスタイリッシュな空間の中、至福のグラスを傾けながらウインターリゾート初日の夜が更けていきました。
左:宮城峡KeyMaltシリーズから12年貯蔵のFRUITY & RICHをロックで。
フルーティな甘い香りとウッディな樽香のバランスがよく、美味でした
右:道内の各牧場の牛乳瓶を照明に。遠目にはオシャレ、
近くで見ると瓶の意匠が可愛くて、二度楽しめます
【2日目】*******
8:00 絶景を見晴らすモーニング
昨晩、美酒を楽しんだサウス棟32階へ。ムーディーな雰囲気から一転、清々しい朝陽差し込む「北海道オールダイニング 椿サロン」で朝食にします。
北海道産の季節野菜や魚介類を使った、ヘルシーなモーニングセットを、白い大地を見ながら味わえます。コンセプチュアルな空間が、朝から優雅な気分を誘います。カフェメニューもアート作品のようなユニークなものが多く、おしゃべりに花を咲かせながら、ソファでゆったり過ごすのもおすすめです。
下:ランチメニューにはフライパンカレー(左)、北海道ホットケーキ(右)などが味わえます
10:00 ミナミナビーチでスタンドアップパドル(SUP)にトライ
一面雪景色の真冬でも、常夏気分でウォーターアクティビティを楽しめるのがミナミナビーチ。エントランスを入った途端、目の前に広がる全長80m×横幅30mの広大なプールが、あっという間に寒さを忘れさせてくれます。時間によって造波されるので波音も楽しめ、水辺に憩うだけでもリゾート気分が味わえます。
立ち上がるコツさえ掴めば大丈夫!海だけでなく川でも楽しめるので、
水遊びの幅が広がります。夏が待ち遠しくなっちゃいますね。
ここでトライするのはスタンドアップパドル。サーフボードの上に立ってオールを使ってパドルするもので、カヌー感覚で楽しめる今はやりのスポーツです。ミナミナビーチでは、デビューからビギナー対象のレッスンプログラムを1日4回開催(所要1時間)しているので、トマムで練習して夏には海でデビュー♪なんてことも狙えちゃいます。ボードの上に立つところから、波のある状態で立って漕げるようになるまで、丁寧に指導してくれます。
13:00 お皿の上の北海道!グリーンキッチンでランチ
「星野リゾート トマム」内には約20店舗(時期によって異なります)のレストランやカフェが営業していますが、なかでも指折りの人気を誇るのが「グリーンキッチン トマムキャンプ」。名前の通りグリーンの彩り鮮やかな、お野菜多めのボリューミーな料理を楽しめます。自家製、地産にこだわり、お皿の上に北海道を表現したメニューの数々は、トラベラーズの心をぐっとわしづかみにするものばかり。窓の外に広がる雄大な景色や、温もりを醸す暖炉など、料理を美味しくする演出も素晴らしく、美味しくオシャレに北海道らしいものを食べたいな♪というランチタイムに最適です。
あわせて、旅の午後ならではのゆったりとしたランチを楽しみました
15:00 アクティブ派は「GAOアウトドアセンター」、
のんびり派は「Books&Cafe」へ...
「星野リゾート トマム」を満喫するなら、アクティブ派とのんびり派、それぞれ別れて過ごす時間もおすすめです。もっともっと雪と遊びたい!というアクティブ派の方は、昨日ディナーで利用した「GAOアウトドアセンター」に繰り出しましょう。当日の窓口予約でいろいろなアクティビティに参加できます。特にスピード感あふれるバナナボート、スノーラフティングは絶対おすすめ!またスノーシューを履いて動物の足跡を探しながら森を散策したり、童心に返ってソリ遊びをしたりするのも楽しいです。
左:バナナボートやラフティングでのドリフト走行は、クセになりそうなおもしろさ!
右:手軽なスノーシューはちょっとした空き時間にも最適
一方、少しのんびりとリゾート感を味わうなら「Books&Cafe」がぴったり。ページを繰るだけでも楽しめる写真集やエッセイ、小説など多彩な本が取り揃えられたスペースでホットコーヒーやソフトドリンクを無料で味わうことができます。座り心地の良さそうなチェアが各種あり、お気に入りの場所で寛ぐことができます。
17:00 幻想的なアイスビレッジで氷に包まれるひととき
左:氷の展望台から見渡すアイスビレッジ全景。夜になるほど輝きが増します
右:スイーツカーニバル開催時には氷のテーブルにスイーツがいっぱい
冬のトマムの風物詩ともいえる、氷のオアシス「アイスビレッジ」。幻想的な光に包まれた風景は、童話やアニメで見た世界そのもので、ため息が出るほどキレイ。氷でできたアイスドームは、氷のレストランやバー、雑貨屋、教会、ホテルなどがあり、それぞれを訪ねめぐれば、氷の街の住人になったような気分です。
2015年度のアイスビレッジ営業期間は12月前半〜3月後半。それをテーマごとに5期間に区切り、クリスマスやスイーツカーニバルなど、それぞれにイベントも開催します。
17:00〜22:00までオープンする夢のような氷の世界。厳冬期の夜だからこその美しさは一見の価値ありです。寒がりさんもぜひ厚着をして、出かけてみてください。
氷でできたグラスで、オリジナルカクテルなどが味わえます。冷たいけど美味しい♪
【氷の教会】
アイスブルーがひときわ美しい、氷の教会では、実際に式を挙げることもできます。
「アナ雪」の世界の中での挙式なんて、ロマンチック〜
ザ・タワーまたはリゾナーレ トマムに宿泊予約をしている方なら、
すべてが氷と雪でできた特別な空間に1日1組限定で泊まることができます。
ベッドももちろん氷ですが、寒冷地仕様の寝袋で意外と温かく過ごせるそう。ぜひお試しあれ!
テーブルもイスも壁もすべて氷ででき、壁には野菜やフルーツが閉じ込められていて
オブジェになっています。ここで、熱々のチーズフォンデュディナーにするのもおすすめです。
20:00 雪見露天でほっこり和む
アイスビレッジを堪能したら、冷えきった体を温めてくれる露天風呂へ直行しましょう。雪原を臨む露天風呂は外気温と湯温のバランスがちょうど良い加減に調整してあり、のんびり長湯してしまいそう。浴後はライトアップされてロマンチックに変身したミナミナビーチの「湯上がりBAR」へ。ボートを借りて水上で寛ぐこともできます。
この広々とした露天風呂が我がモノに!(23:10〜24:00、一組6000円)
22:00 ハスカップやシラカバのチカラを借りて美しく...
旅の仕上げは、トマムの自然の力を活用したオリジナルスパ「SPA Etuk(スパエトク)」で至福のリラクゼーションタイム。チョイスしたのはフルボディーコース。シラカバオイルでのトリートメントや、ハスカップジェルのパックなどが組み合わせられていて、雪のように清く澄んだツルツル肌に仕上げてくれます。厳しい自然を生き抜く植物のチカラが、美しさを支えてくれそうです。
右:背中はホイップ状の泡で洗浄します。これによりシラカバオイルの浸透力がアップ、水分代謝を促してくれます。
左のピンク色のジェルは、ハスカップジェル。背中と足裏をこのジェルでパックします。
【3日目】*******
7:30〜10:00 クロスカントリースキーで朝食を
最終日は朝からアクティブに雪山と戯れます。ポーラービレッジ主催のアクティビティのなかで特に女性に人気だという「クロスカントリースキーで朝食を」に参加。ガイドさんと一緒にクロスカントリーで朝の森を散策し、初日の夜に伺った「Mt.Cafe RAP」で特製朝食をいただきます。朝陽をうけて輝く大地を踏みしめながら、清浄な空気をいっぱいに吸い込めば、体の中からリフレッシュできそう。木々の生命の営みを感じ、動物の足跡なども見ることができ、レストランにつく頃にはお腹もペコペコです。
朝食は自家製フォカッチャ、自家製ジャム、ヨーグルト、ソーセージ、スープ、サラダなど。手作りの温もりがあふれたメニューが並びます。
右:トマムの各レストランの中でも特に人気だという朝食。運動の後だから余計に美味しく感じます!
*******
北の大地をラグジュアリーに満喫した2泊3日。トマムは単なるスキーリゾートではありません。冬の北海道の楽しみが凝縮されたパラダイスでは、欲張りになった方が断然お得!ぜひ、トマムでいろいろな体験をして、心と体をリフレッシュしてみてくださいね。
(取材・文/多田みのり 取材は2015年度のウィンターシーズンに実施)