第80回 「なにわラグジュアリー」って何なん? OMO7(おもせぶん)大阪 by 星野リゾートは大阪を代表するホテルになる⁉ 後編 (大阪府・大阪市)

前編ではなにわ感満載の、施設が伝える地域の魅力をご紹介しました。後編はラグジュアリーたっぷりの夕食から。

箱寿司がお洒落な前菜に

OMOといえば都市ホテルのカジュアル路線の印象ですが、OMO初の試みがダイニングでのイノベイティブな料理。そのテーマは大阪の食の本質を表現する、です。コースは2種類あり、「Naniwa Neo Classic(なにわネオクラシック)」と「Naniwa KUSHI Cuisine」(なにわ串キュイジーヌ)、固定観念にとらわれず大阪の豊富な食材を駆使する、驚くようなコースです。

総料理長の瀧井杏香さんを中心に、星のや竹富島の中洲達郎シェフと星のや東京の浜田統之シェフがタッグ!すごいことになってます。

Naniwa Neo Classicは大阪の郷土料理をアレンジしています。まず、食事の前にQRコードを読み取り、大阪の郷土料理とはなんぞやをお勉強。箱寿司は、酢飯と魚介を詰めた押し寿司、割鮮(かっせん)はお造りのこと、半助は鰻の頭のことで船場汁は魚のアラで作る具沢山の汁、これらは食材を余すところなく使う大阪の始末料理、もったいない精神です。大阪の食文化がフレンチの技法で大変身、中洲シェフの個性がプラスされています。

箱寿司はアボカド、クスクスなどを使ったサラダ風前菜に、割鮮はフグのてっさを葱のアイスクリームで、半助はポートワインやバルサミコで煮詰めてテリーヌに、船場汁はブイヤベース風に、どて焼きは厚切り牛たんを白味噌で、しめは蛸飯……と、めくるめく全8品。

料理に合わせたペアリングも!

Naniwa KUSHI Cuisineは串カツを斬新にアレンジ!浜田シェフお得意の技も披露されています。串を使った蓮根・蟹・海老・たこ・サーモンが一皿でスタイリッシュに登場し、たこ焼き風の鰯とレバー、アスパラガス・ベーコンはサラダのトッピング、鰈のフリットと鰈の骨のチュイル、スープ仕立てに(カレー風味)、つくねをイメージした鶏・玉子、ウスターソースで牛肉と牡蠣……と、こちらも全8品。

浜田マジックも随所に!

デザートの綿菓子に包まれているのはシューアイスとフルーツ

甲乙つけがたい2つのコース、2人で両方頼んでシェアするのがベスト! 料理は一流なのにダイニングはカジュアルな雰囲気があるので、そんなこともできちゃいます。

庶民の台所で買い物三昧

大阪の食の現場を見てみたい!という方にぜひ参加いただきたいのが、「ええだし出てますわツアー」。施設から歩いて15分ほどにある大阪木津卸売市場を訪ねる730分~のアクティビティです。

 

前夜、ご近所さんをスピーカーに招く「なにわ」ってなんやねん講座(2030分~)に参加し、大阪木津卸売市場の太田雅士さんのお話を伺いました。150台ものでっち車が行き交い、スーパー銭湯のあるユニークな市場。関西国際空港沖で獲れるやわらかい泉州蛸の話や、大阪もんと呼ばれる毛馬胡瓜、守口大根、勝間南瓜などのなにわの伝統野菜、21軒もある市場飯、市場内スーパーにはなんと91種類のソース! 

聞いただけでうずうずしていましたので、めちゃ楽しみ!

「なにわ」ってなんやねん講座

市場巡りの前に、朝食は和洋食のビュッフェ。出来立てのうどんやねぎ葱焼きもありますよ。

 

市場では昆布の美濃商店や鰹節の平松商店などを巡ります。大阪の出汁文化、いい香りです。そして次々と買い物が増えていく……(入手困難なヘルメスソースもゲット)。

肉屋さんにはお好み焼き用の豚肉や肉じゃが用の牛肉が並び、生きの良い鱧が水槽から飛び出し、うずらの卵からヒナがかえったという話を聞き(有精卵ということです)、ああ、こんな市場が近くにあったら毎日通うわ~と、しみじみ。食を知ることはそこで暮らす人を知り、文化を知ることなのです。

 

さて、総支配人の中村友樹さんに目指すところを伺いました。

大阪のおもてなし精神(笑いとおせっかい)を心地よい満足感に繋げたい、大阪でしかできないことに挑戦し続けたいとのこと。新しいラグジュアリーの形を提案し、大阪の人がこのホテルに泊まってみたいと思ってほしいと話します。

 

大阪らしさって何だろうと、考えたときにフレンドリー(ちょっとおせっかい)で、ラテン系(明るくて陽気でユーモアがある)とかを思い浮かべます。大都市なのに、いわゆるローカルな雰囲気があるということなのでは、と思っています。そのローカル感をもれなく体験できるOMO7大阪 by 星野リゾートは大阪を代表するホテル!に成長していくことでしょう。期待してまっせ~

OMO7大阪 by 星野リゾート

ツインルーム1161000円~(夕朝食付き)

 

 取材・文/関屋淳子 撮影/yOU(河崎夕子)

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