新今宮に星野リゾートの施設ができると発表されたころから、関西に行くたびに、現地の友人・知人から「どんなホテルになるんですかねえ~」と投げかけられていた、例の施設が2022年4月22日に開業しました。OMO7大阪 by 星野リゾートです。OMOは旅のテンションをあげる都市ホテル、7はレストランがありカフェがありというフルサービスホテルを示しています。
注目度が高かった理由は、JR・南海電鉄新今宮という立地です。このあたりは昭和40年代に日雇い労働者が集まり、スラム化しホームレスも多く治安が悪いというイメージで語られていました。しかし今はだいぶ変わりつつあり、じつはもっとも大阪らしさを感じる場所に変貌しています。そこで打ち出されたコンセプト「なにわラグジュアリー」、その全貌を前後編に分けてご紹介します。
ガーデンエリアのテラスとJRのホームの高さが同じ!
施設はJR新今宮駅の北側駅前。ホームに手が届きそうな位置です。
敷地は甲子園1個分、そのうち半分が、広大なガーデンエリア「みやぐりん」。コロナ禍のため現在は出入口を1か所に制限していますが、宿泊者以外でも自由に利用できます。ドドーンと聳える14階建てで、建物の外装に膜を張り、日射負荷を低減する建築を取り入れています。これによりヒートアイランド現象が抑えられるということで、さらにガーデンエリアを作ることによる冷却効果など、環境に配慮した設計になっています。
都会にできた緑のオアシス
そして8月末まで「PIKAPIKA NIGHT」が20時~22時に開催(宿泊者限定)。建物外観に映し出されるLED照明の花火、なにわネオンアートを楽しみながら、たこ焼きの元祖・会津屋のたこ焼きやクラフトビールを。夜風にあたりながらゆったりした時間が流れます。
さて館内のご紹介。パブリックスペース・OMOベースに至るまでも、ビリケンさんあり、たこ焼きが描かれたトンネルありと、仕掛けがあるのでお見逃しなく。
京都では京唐紙や西陣織などなにかと伝統工芸と結びつけるホテルが多いのですが、大阪はさにあらず?と思っていたら、岸和田のだんじり祭りの山車・だんじりに彫刻を施す木彫前田工房の方が、実演をされていました。躍動感あふれる彫刻に目が釘付け!。
OMOベースには街の情報を伝えるご近所マップやライブラリーのほか、このようなデモンストレーションも行なわれています。
だんじりの彫刻、みごとです
客室は8タイプ、全436室。通天閣や大阪の街を一望できる部屋やいどばたスイートなど、旅のニーズに合わせて選べます。またガーデンエリアみやぐりんには湯屋も。プラス1000円で利用できます。
左)四隅にベッドがあるいどばたスイート 右)コーナーツイン
天井から光が差し込む湯屋
OMOレンジャーと、ほないこか
OMOといえば、OMOレンジャーが案内する数々のアクティビティに参加しない手はありません。まずはこの立地ならではの歩いて巡る「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」。
有名な観光名所である通天閣がある新世界・ジャンジャン横丁を巡ります。
左)ほないこか!ポーズは欠かさずにね。右)三味線じゃんじゃん、ジャンジャン横丁
昭和レトロが色濃く残るこのあたり、大阪のキタやミナミとはひと味異なる趣があります。OMOレンジャーの八十田香枝さんの案内で、温泉テーマパーク・スパワールドを通り過ぎ、ジャンジャン横丁のおすすめの寿司屋さんやどて焼き・串カツ店などを教えていただきながら独特の雰囲気に浸ります。囲碁将棋会館、スマートボールや射的のお店もあり、とにかく楽しい。ヒョウ柄盛りだくさんのお店やら、純喫茶やら。
このあたり、怖がらず(笑)ちょっとお店に立ち寄ってみてください。常連のおっちゃんがあれこれ世話を焼いてくれたり、素敵なマダムの占いもあり、懐かしくて温かい人情にも触れられ、元気になりますよ。昼からビール、あたりまえ! 楽しんだもの勝ちです。
スワロフスキーのビリケンさん発見!500万やで~ほんまかいな!
そして通天閣が見えてきます。現在、2代目の塔は昭和31年に造られたものです。最近地上22mから30度の斜度で滑り降りる滑り台が完成し、約10秒の滑降を楽しむことができるそうです。
後編ではラグジュアリーな夕食と、買い物三昧・市場ツアーをご紹介します。
ツインルーム1泊1室6万1000円~(夕朝食付き)
取材・文/関屋淳子 撮影/yOU(河崎夕子)