第119回 テーマパーク旅も、オールドアメリカンな雰囲気も、どちらも満喫できる「1955 東京ベイ by 星野リゾート」(千葉県・浦安市)

2024年6月、千葉県初となる星野リゾートの施設が新浦安エリアに誕生しました。その名も「1955 東京ベイ by 星野リゾート」。5つのサブブランドに属さず、「そのほかの個性的な宿泊施設」として独自の魅力を放つコンフォータブルホテルの体感リポートをお届けします。

利便性+快適性=つまりサイコー! な唯一無二のコンセプトホテル

まず気になるのは1955とは? ですよね。1955とは、アメリカ・カリフォルニア州アナハイムに世界初のディズニーランドがオープンした年にちなんでいます。 コンセプトは「古き良き」という意味の「OLDIES GOODIES」。1955年当時のアメリカにタイムスリップしたかのような装飾・色調・BGMに統一された館内は、それだけで泊まる価値のあるワクワクに満ちています。

「OLDIES GOODIES」な雰囲気が満載の「2nd Room」

さらに、東京ディズニーリゾート® でのテーマパーク旅を快適に過ごすことを目的とした客室設計とサービスにも特化。舞浜・新浦安エリアの中ではパークからやや離れた立地であるというビハインドをカバーするユーザビリティで、お客様の滞在をサポートします。 便利だけ、快適だけなら、ほかにも選択肢はあるかもしれませんが、そこにオールドアメリカンという世界観が加わることで、「宿泊」の枠を超えた星野リゾートならではの旅の楽しみを生む、というわけです。

海のすぐ間際にそびえる、18階建・全638室のホテルは、星野リゾートの施設の中ではトマムに次ぐ大きさ

最寄りの新浦安駅からは送迎バスで10分ほど。他に東京ディズニーリゾート® とを結ぶ便も運行されていて、アクセスは抜群です。車内ではコンセプトビデオが流れ、到着後の動線説明もあり、期待が高まります。バスを降りたらまず2階のロビーへと向かうと…。

左)フォトスポットにもなるコンシェルジュデスク 右)パーク帰りのお客様で混み合う時間帯も、15台あればスムーズにチェックインOK

広々としたロビーは昔の銀行をイメージしたコンシェルジュデスクが中央にあり、周囲には15台のチェックイン機が並びます。夜行バスなどで早く着いた時はプリチェックインの手続きもでき(AM5時〜)、1階の無料ロッカーに荷物を預けて遊びに出かけ、夜に戻ったらルームキーを受け取るだけでお部屋に向かうことが可能。

アートウォール前での記念撮影はマスト

1階には無料ロッカーやスマホの充電器レンタルもあり、お出かけ前の準備もバッチリ

大きく1955の数字が配されたすりガラスや、昼夕夜のホテルのイラストが描かれたアートウォールなどのフォトスポットもあり、記念撮影場所にもこと欠きません。ホテル全体が落ち着きのある色調を大胆に組み合わせた独特の色遣いで統一されており、ビンテージホテルのような雰囲気を生み出しています。

館内の掲示物も「OLDIES GOODIES」の世界観の一部

ホテルがひとつのテーマパークのような世界観を演出することで、パーク旅を終えてホテルに戻っても再び非日常の空間に出迎えられ、余韻をより長く楽しむことができます。この優しさが星野リゾートなんだよなぁと、着いて早々感心します。

過ごし方いろいろ。パブリックスペースの「2nd Room」が使い勝手抜群!

ロビーから奥に進むと、電飾に縁取られた「2nd Room」のサインが出迎えてくれます。この先が「1955 東京ベイ by 星野リゾート」のなかでもイチオシのスポット、オールドアメリカンの魅力が満載の「2nd Room」です。チェックイン前の時間も、夜遅くでも、いつでも自由に過ごせる場所であり、フォトスポットもいっぱいの楽しい場所です。

配色や家具のデザインひとつひとつに当時らしさを感じ、没入感がすごい

靴を脱いで横になってくつろげるスペースを中心にして、さまざまなデザインのテーブルと椅子が並び、さらにその周りには1955年頃にアメリカで流行っていたミッドセンチュリーデザインのテーブルや椅子が並ぶ半個室や、カーテンで仕切って荷物整理や身支度を整えることができる半個室などがあります。

 

サービスカウンターには電子レンジやウォーターサーバー、製氷機があり、併設の「Food & Drink Station」で購入した軽食を温めたり調理したりできます。

当時の雑誌や葉巻、ガム販売機(中身のガムも当時のもの!)の展示や、リペアした家具に腰掛けることも

滞在中、22時過ぎに足を運んでみたところ、予想以上の賑わい。みなさん、思い思いの場所で話に花を咲かせています。どうやら、パーク帰りのお客様が、今日の思い出を振り返るのにちょうど良い場所のよう。ちょっと大きな声で笑ったりしてもここなら安心です。 また、インバウンドも多く、TOKYOのマップを広げて話していたり、カードゲームに興じていたりして、時代も場所も超えたような不思議な感覚を味わいました。

「Road Trip in U.S.A. 1955」メインビジュアル。シアタースクリーンやロードサイド看板もあり、タイムスリップ感を楽しめる

さらに、6月17日までは「Road Trip in U.S.A. 1955」が開催中。50‘sアメリカをドライブする気分で、4つの州にちなんだフードやゲームを仲間とワイワイ楽しもう! というイベントで、いつにも増してアメリカンな仕掛けにあふれています。入口のオープンカーもこのイベントに合わせた設え。当時流行していたドライブインシアターをモチーフにしたフォトスポットで、実際に乗り込んで写真を撮ることができます。

また、アメリカ南西部のネバダ州とテキサス州をテーマにしたプレイスポットも雰囲気抜群。ネバダ州ラスベガスをイメージしたルーレットと、テキサス州のサルーン(西部開拓時代の酒場)をイメージしたウェスタンスタイルのリングトスで遊ぶことができます。

実際に遊べるのが楽しいプレイスポット。滞在中、真剣に遊ぶゲストの方々を何度も目撃

テーマパークが目的のゲストが多いですが、なかにはオールドアメリカンの雰囲気を満喫するべく、こだわりのファッションで来られるお客様もいらっしゃるとのこと。特に「Road Trip in U.S.A. 1955」開催中は、雑誌から抜け出してきたようなファッショナブルなゲストにお目にかかれるかもしれません。実際、テキサスガール風のファッションに身を包んだ女性2人組に写真撮影を頼まれ、撮っているこちらまでテンションが上がりました。普段の格好じゃ「1955 東京ベイ by 星野リゾート」のTPO的にはイケてないかも、、そんな気すらしてきちゃいます。

この世界観に惚れ込んだら、グッズもGETしよう!

客室はとことん快適に! たくさん遊んできても、ついついおしゃべりに花が咲いちゃう!

全638室、18タイプある客室の中で、今回宿泊したのは、「ゴロゴロ寝台付 スーペリア」。17階のお部屋だったので窓の外には大きく海が広がり、まるでリゾート地に来た気分! その窓際に設らえられたのが、ゴロゴロ寝台。ベットとは別にマットレスが敷かれ、ゴロゴロと寛ぎながらおしゃべりしたり、SNSをしたり、動画を見たり…。「Food & Drink Station」でお菓子や軽食を仕入れてきて、ここで2次会・3次会も可能です。

定員4名の「ゴロゴロ寝台付 スーペリア」

窓辺のゴロゴロスペース。高層階だったので、鳥の目線で街並みも!

しかも、ベットメイキングすれば2台のベッドになり最大4名が泊まることができます。そしてその定員に応じて大きめのミラーや充分な数のコンセントがあり、ストレスを感じさせません。落ち着いた色調とアールデザインの什器が、オールドアメリカンな雰囲気を演出し、お部屋もフォトスポットとして楽しめます。

左)角が丸いミラーと照明がかわいい! 右)独立バスルームなので湯船でゆっくり寛げる

もっと大人数のグループには、6人で泊まれる「ゴロゴロ寝台付 デラックスコーナー」がおすすめ。ゴロゴロ寝台の上に2ベッドがある、ちょっと楽しいお部屋です。角部屋なので、2方向に窓があり開放感も抜群。夜景はもちろん、お部屋によっては舞浜エリアやディズニーランドの花火も楽しめます。

6名で泊まれる「ゴロゴロ寝台付 デラックスコーナー」

またお子様連れに人気なのは「スーペリアファミリー」。4名定員で、ゴロゴロ寝台が隠れ家のようになっていて、ちょっとワクワクする間取りに。楽しくてなかなか寝ないお子様もここなら進んでベッドに行きそうです。さらにお子様が寝た後に荷造りをしたり、大人だけで飲み直したりするにもちょうどよく、工夫が凝らされた客室です。

家族で楽しく使える「スーペリアファミリー」

SDGsの観点から、アメニティは2階ロビーから必要なものを持っていきます。電子レンジとお湯/常温/冷水が出るウォーターサーバーは各階廊下に、製氷機は5・10・15階に設置。コインランドリーは1階にあります。また、2階にはKids & Baby Goodsコーナーがあり、おむつ、子供用便座、ステップ台や、ベビーソープ・お尻ふき・おむつポットがセットされたバッグが用意されています。離乳食は「Food & Drink Station」で販売されているほか、朝食会場の「Restaurant」にも準備されています。

上)コンシェルジュデスクに併設されたアメニティコーナー 下左)1階のコインランドリーはフォトスポットとしても人気
下右)2階のKids & Baby Goodsコーナー。自由に持って行けるのが助かる

誰もがマストで必要なもの以外は、個々でチョイスするスタイルは無駄がなくてとてもスマート。特にファミリー利用も多いホテルなので、子供向けのサービスを取捨選択できるのは嬉しい限りです。

早朝から深夜、真夜中までスケジュールに合わせて胃袋を満たそう!

食事は、夜は「Cafeteria」、朝は「Restaurant」、そして24時間オープンの「Food & Drink Station」で取ることができます。

18時から23時まで営業の「Cafeteria」

レジで先に購入するスタイル。デリは実物を見ながらチョイスできる 

18時から23時営業の「Cafeteria」は一品料理とデリを提供。しっかりお腹を満たしたい人には、鶏醤油ラーメン・きつねうどん・すきやき牛丼・鮭の彩り茶漬けの一品料理、軽めがいいなという人にはフライドチキンやローストビーフ、サーモンマリネなどのホットデリ・コールドデリを用意しています。 また、6月17日までは「Road Trip in U.S.A. 1955」を「Cafeteria」でも開催中。ロードトリップ中にドライブインに立ち寄ったような気分を味わえる、東海岸と西海岸をテーマにした2種類のハンバーガーとシェイクで、アメリカンフードを満喫できます

東海岸(左)はニューヨークがテーマ、西海岸(右)はワシントンがテーマ。どちらもボリューミー!

東海岸はニューヨーク州発祥のバッファローチキンを用いた「ニューヨークバーガー バッファローチキン&ピーナッツ」と、クリームチーズを使ってニューヨークチーズケーキ風に仕上げた「ブルーベリーチーズケーキシェイク」。 西海岸はワシントン州がアメリカでNo.1のりんごの生産量を誇ることにちなみ「ワシントンバーガー ベイクドアップル&BBQポーク」と、りんごのコンポートにキャラメルソースを合わせた「アップルキャラメルシェイク」。

ニューヨークバーガーは、ピリ辛なバッファローチキンとピーナツと一緒に揚げたオニオンリングの相性が抜群! ワシントンバーガーはりんごの甘酸っぱさとBBQポークの濃厚な旨味のマッチングが絶妙! どちらも甲乙つけ難い美味しさです。できれば仲間とシェアして、両方味わってみることをオススメします。
シェイクの「ブルーベリーチーズケーキシェイク」は文字通り、飲むチーズケーキ。「アップルキャラメルシェイク」はキャラメルの苦味の効いた大人のシェイク。
バーガーはボリュームありすぎて…、という方はぜひシェイクだけでもお試しあれ! 食後の時間帯に「2nd Room」で飲んでいる方も多く見かけましたよ!

好みやお腹の空き具合に合わせて自由に選べるデリ。軽くいっぱいに最適!

デリは8種あり、食べたいものを1種から選べます。おすすめのデリ5種とドリンク2種がセットになったデリドリンクセットもあります。23時まで営業しているので(L.O.22:30)、外で夕食をとってきた方でも利用しやすいのが嬉しいですね。 朝は和洋ビュッフェスタイルの「Restaurant」へ。「Cafeteria」と場所は同じなのですが、動線が変わることで雰囲気も違って見えます。6時から10時(最終入店9:30)まで営業しており、朝イチで食べれば、パーク行きの送迎バスの第1便(6:40発)にも間に合います。

色とりどりの惣菜が並んで、食欲を誘われる

イチオシはアメリカの定番料理の「ルーベンサンド」。パストラミビーフとキャベツソテー、チェダーチーズを挟んで、バター染み込ませて鉄板で焼き上げたホットサンドです。香ばしさと塩味が食欲を誘います。和食派も洋食派も満足できる品数が並び、朝からしっかり食べて、遊びに繰り出すことができます。

オーソドックスな具材ながら絶妙なコンビネーションの「ルーベンサンド」。サラダやデリ、デニッシュなどと合わせれば、ボリューム満点の朝食に!

そして「2nd Room」に併設された「Food & Drink Station」には時間の概念は不要。24時間いつでも利用できます。電子レンジ調理のラーメンやカレー、インスタント食品も豊富に揃うほか、パンやドーナツ、サラダにヨーグルトと、揃わないものはないのではと思う品揃え。朝食はベーグルを齧るだけでいいとか、朝寝坊してからお部屋でゆっくり食べたいとか、より自由度の高い滞在を叶えてくれます。しかもどれもちょっとオシャレなところがまた心憎い! 食事だって映えちゃいます。

24時間営業の「「Food & Drink Station」

さらに秀逸なのは生ビールとワインのサーバーがあること。生ハムやチーズ、ナッツ類などのおつまみもバッチリ。夜遅くに少しだけ飲みたい、というワガママも聞いてくれるんです。

ワインとおつまみを仕入れてゴロゴロ寝台へ。誰にも邪魔されない至福の時間を楽しむ

そして、これだけ充実しているにも関わらず、なお驚いたのが、1階に24時間営業のLAWSONも入っていること。アイスやコンビニお菓子だって手に入るわけです。ああ、もう、何も言うことはありません。

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滞在が「泊まる」以上の思い出作りの場になる「1955 東京ベイ by 星野リゾート」。テーマパーク旅だけでなく、幕張でのコンサートやイベントはもちろん、仲間や家族との賑やかな旅にもおすすめしたいホテルです。

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個人的には、子育てや仕事に追われるお母さん方に、ぜひママ友会で宿泊しに来て欲しいなと思いました。 「言う前からすべてが揃っている」「かゆい所に手が届く」「たまには羽目を外す」という快感を存分に味わうことで、日頃のイライラも吹き飛び、笑顔いっぱいなひと時を過ごせるのではないかと思います。テーマパークもオールドアメリカンなコスプレもストレス解消も、やりたいこと全部叶える旅、いかがですか?

1955 東京ベイ by 星野リゾートhttps://hoshinoresorts.com/ja/hotels/1955tokyobay/
住所:千葉県浦安市日の出7-2-3
電話:050-3134-8097(1955 東京ベイ by 星野リゾート予約センター)
料金:1泊9,000円~(2名1室利用時1名あたり、税込み、食事なし)

取材・文/多田みのり

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