半年ほど前にプライベートで金沢旅行した時、OMOブランドのホテルがあればもっと金沢観光を楽しめるだろうな、、、と思っていたところ、「OMO5(おもふぁいぶ)金沢片町 by 星野リゾート」が2022年5月に開業したと耳にしました。どんな楽しみ方があるのか、早速うかがってきました!
毎日正午から19時まで、ホテル前の竪町ストリートは歩行者天国に
OMO5金沢片町があるのは、金沢駅からバスで約10分、お茶や呉服の老舗のほか、カフェやレストラン、古着店やアートスポットなどが約430mに渡って続く竪町(たてまち)商店街の一角。金沢を訪れる人は一度は訪れるはずの「金沢21世紀美術館」までも歩いて10分もかからないほど利便性の高い場所にあります。
さまざまな形のソファがかわいらしいソファのある1階のOMOベース
チェックイン前/チェックアウト後も宿泊者は無料で使用できるセルフロッカーあり
「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションをあげる都市ホテル」がコンセプトの星野リゾートのOMOブランド。今までいくつかのOMOブランドへ取材に伺いましたが、どの施設でも気合が入っているのが、パブリックスペース「OMOベース」にある「ご近所マップ」。OMO5金沢片町では、ホテルを中心に半径800m・徒歩10分圏内にあるおいしい飲食店がマッピングされています。スタッフ自ら足を運んで自信を持ってチョイスした店が掲載されており、マップで紹介されていなければ通り過ぎてしまいそうな店構えのお店も。もちろんマップに載せるにあたって、お店の許可をいただいているのも安心。カフェ、金沢おでん、居酒屋、ラーメン、海鮮、バーなど、マップをじっくりチェックしてその日の気分でお店選びを楽しんでくださいね。
ご近所マップで紹介されているお店に行ってみました!
左上)1回で2千個がすぐ売り切れるというお取り寄せ餃子が人気の街中華「全開口笑」
右上)外はカリっと中はふわっとしたワッフルを食べられるレトロ喫茶店「cafeピノ」
下)OMO5金沢片町から徒歩3分、昼飲みもできる「和ダイニングしろべえ」
泊まるだけじゃない。宿泊者限定の3つのアクティビティ
OMO5金沢片町ではゲストのみ体験できるアクティビティがあり、時間が許す限りぜひ参加したいところ。
ひとつ目は、「生らくがん作り体験」(1人1,000円/前日17時までに要予約)。嘉永2年創業の金沢の老舗和菓子店「落雁 諸江屋」さん協力のもと、1階のOMOベースで毎日15時半から開催されます。落雁作り体験はいくつかのショップでもできるそうですが、生らくがん作りはとても珍しいとか。
左上)材料はあん(白あん・あん玉)、寒梅粉、和三盆。「おも」「OMO」「梅」「水引」など型押しを選べるのも楽しい。型押しは「落雁 諸江屋」さんに制作いただいたオリジナル
右上)ボールで材料を少しずつ混ぜ、ふるいで細かくする
左下)ふるいで細かくした材料を1/3ほど型に入れ、あん玉を入れ、またサンドするように材料を入れ、
右下)型押しをまっすぐ押し出すようにすると完成!
型押しの種類を変えて2個作れます
完成したら、棒茶と一緒にOMOカフェで召し上がれ。私自身、落雁は好きでよく頂くのですが、実は生らくがんは初めて。少しやわらかさが残る食感で、できたてはまるで空気を食べているかのようにふわっときめ細やか。落雁との食べ比べもできるので、食感や味の違いも楽しめました。
ふたつ目のおすすめアクティビティは、16時からのお散歩ガイドツアー「金沢片町味わいまっし散歩」(無料/前日22時までに要予約/空きがあれば当日受付可)です。片町は、食はもちろん伝統工芸や武家屋敷街などさまざま表情を持つエリア。そんなOMO5金沢片町のご近所を、片町大好きっ子のOMOレンジャーがぎゅぎゅっと1時間ほど案内してくれる内容です。お店の紹介、街の歴史や成り立ちなど、初めて知ることばかり。散策途中では、このツアー限定のうれしい試食タイムも。
OMOレンジャーが案内してくれるツアーは人気アクティビティ
ちょっと疲れた頃にスイーツの試食も♪
3つ目は、「いいじな棒茶の飲み比べ体験」(無料)です。OMO5金沢片町のご近所にある老舗茶店「野田屋茶店」さんご協力のもと、石川名物の加賀棒茶の飲み比べができます。ちなみに加賀棒茶とは、石川県のほうじ茶で、お茶の茎を焙煎したお茶のこと。
このアクティビティでは、お茶の歴史や加賀棒茶のおいしい淹れ方の説明の後、深煎りと淺煎りの棒茶と煎茶の3種類のお茶の飲み比べができます。豊潤な香りとともに味わえば、観光で疲れた体にすーっと染み渡ります。OMO5金沢片町のショップや、竪町商店街にある野田屋茶店でもこちらのお茶を購入できます。寒くなったら、あたたかい棒茶の飲み比べになるそうです。
大きなバスタブがうれしい客室
客室は6タイプ全101室。ホテルでありながら靴を脱いで過ごせるようになっており、あちこちに金沢らしい演出がほどこされているのも旅のテンションをあげてくれます。さらに、洗面台、トイレ、バスルームがセパレートタイプで、バスタブは足をゆったり伸ばせるほどの大きさ。ベッドの下がキャリーバッグを仕舞える収納スペースになっているので、機能性もばっちり。
ソファベッド付きの3名までOKのツインルーム。1着200円のレンタル滞在着を用意。
九谷焼のそばちょこカップはOMO5金沢片町のオリジナル
また、専用キッチンやドラム式洗濯乾燥機、ベッド4台&ソファベッドのある「OMOハウス」は、ファミリーやグループ利用に便利な客室。ご近所でテイクアウトして、客室で食べるなんていう使い方もできます。5名まで宿泊OKです。
広さがあって長期滞在にも快適なOMOハウス(写真提供:星野リゾート)
便利に使えるおしゃれなOMOカフェ
朝食はご近所のモーニングもいいですが、せっかくですので1階のOMOカフェはいかがでしょう。5種類のリゾットとクロックムッシュから選べるメイン1品と、サラダバー、スープ、ヨーグルト、フリードリンクをセルフサービスでいただけるスタイル。中でもおすすめのメインはOMO5金沢片町でしか食べられない「棒茶と生麩のリゾット」。もし前日遅くまで飲み歩いてしまっても大丈夫。寝起きのお腹にも胃にもやさしい味わいなので、ペロッといけちゃいます。
上)棒茶で出汁をとった餡かけリゾットに、
あられをまとわせて仕上げたサックサクもっちり食感の揚げ生麩がアクセント
また、OMOカフェは朝食時間を含めて宿泊客以外も利用できます。11~23時はカフェとなり、棒茶あんみつ、五郎島金時モンブラン、スフレパンケーキなどをいただけます。ご近所でのディナー後、なんか食べ足りないな、スイーツは別腹、まだ部屋には戻りたくないなど、いろいろなシチュエーションで使えそうです。
水出し棒茶と棒茶あんみつ
水出し棒茶は氷も棒茶にすることで、氷が溶けても薄まらない心遣いがされています
OMO5金沢片町を出張で使われる方も多いそうで、取材中もOMOカフェでドリンクを飲みながらパソコン作業をされている方をよく見かけました。スタイリッシュな印象のある外観とは異なり、OMOカフェは木や九谷焼のイメージを生かしたあたたかみのある憩いの空間なので、ついつい長居してしまうのもわかります。
おひとり様でもまわりを気にせず使えるカウンター席も
水引や九谷焼のオブジェもオリジナル
まさに泊まるだけじゃない、プラスαの過ごし方が満載のOMO5金沢片町。今年5月にオープンしたばかりにも関わらず、地元の方とのコラボ商品や企画も多く、OMO5金沢片町がもうすでにすっかり街に馴染んでいるように感じました。街に受け入れられているホテルというのは、居心地がとてもいいものです。金沢の文化や食の体験を通して、「金沢、やはり深い・・・」とあらためて感じ入った滞在となりました。そして、ここでしか体験できないアクティビティは続々誕生予定だとか。多くの人の心を惹きつけてやまない古都・金沢でのお気に入りの宿にしてはいかがでしょう。
OMO5金沢片町 by 星野リゾート
石川県金沢市片町1丁目4-23
TEL:0570-073-099(OMO予約センター)
料金:1泊1室あたり1万4千円~(税込・食事別)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5kanazawakatamachi/
金沢から特急で約30分の山代温泉にある、
星野リゾートが手掛ける温泉旅館「界 加賀」の滞在記はコチラ
取材・文/塩見有紀子