自然豊かな八ヶ岳エリアに広がる素晴らしいリゾート施設。旅恋では過去にも、様々な魅力をお伝えしてきました。
そして、今回はワインリゾートの名の通り、ワイン三昧の滞在ができる「ワインスイートメゾネット」をご紹介します。
2019年3月に誕生した新客室は、扉を開けた途端、高さ7.5mの吹き抜けの開放感にテンションが上がります。落ち着きのあるボルドーカラーを基調にした1階のベッドルームの壁には八ヶ岳連峰が清々しく描かれています。螺旋階段を上がって2階へ。ローソファーやクッションももちろんワインカラー。そしてここには最大12本が入るワインセラーが置かれ、シニアソムリエの長久保正邦さんがチョイスしたおすすめワインがずらり。さらにこの客室でのみ置かれているのが「ドメーヌ ミエ・イケノ」のハーフボトル!
ワインファンならばご存じだと思いますが、池野美映さんは八ヶ岳のふもと、標高750mの丘陵地で2011年に醸造所を開設、グラビティ・フロー・システムを採用する醸造で知られています。このシステムはポンプなどの人工的な圧力を加えずに、液体を高いところから低いところへ流すという重力を用いることで、ワインに与える負荷をなくし、葡萄本来の繊細な個性を引き出すというものです。醸造所は畑より低い位置にあり、醸造の工程で建物の地上から地下へと降りていきます。
池野美映さん(星野リゾート提供)
自然に逆らわないエレガントで力強く、個性的な池野さんのワイン。飲んだことない!という方、それは仕方のないことです。手のかかる醸造で生み出されるボトルは少なく、高評価のためすぐに終売。唯一、池野さんのワインを堪能できるのがこの「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」なのです。そんな貴重なワインが客室のセラーに入っているなんて! こんな贅沢なことがあるでしょうか。さらに飲んでみたかった日本ワインばかり…これは一晩では足りません(笑)
客室には葡萄の搾りかすを染料にした「ワインレザー」を使ったボトルバッグが用意されていて、これにボトルを入れて持ち運べば、どこでも乾杯できます。春の日差しがあたたかなメインストリート・ピーマン通りでちょっとひと休みも、楽しくなります。
ちなみに、ピーマン通りでは花の装飾が続く「回廊の花咲くリゾナーレ」が4月29日~5月22日に開催。昼の外飲みはロゼワインが合いそうですね。
花の回廊(星野リゾート提供)
ディナーはもちろん、メインダイニングの「OTTO SETTE(オットセッテ)」で。美しい花畑のような冷前菜から始まるコースを堪能しましょう。そしてもちろん、ワインはペアリングで。約2000本のワインから選ばれし精鋭たちとの出会い。心がとろけます。
春メニューから (星野リゾート提供)
もちろんお土産もワインを。ワインショップ八ヶ岳ワインハウスでは、山梨や長野県産を中心とするワインが購入できるほか、テイスティングも可能。少量の25mlから試せますので、飲み比べてお気に入りのボトルを見つけましょう。そして、ここで購入したワインは施設内のレストランやカフェなどに無料で持ち込むことができます。BYO(Bring Your Own)というサービスです。お土産にするはずが空けてしまった…あるあるです。
この施設でいつも感じるのは澄んだ空気の気持ちよさ、山々や緑の美しさ。都内のレストランで味わうワインとは、やはり味も気分も違うのです。さらに醸造家の熱い想いが込められた日本ワインとの出会い。このワインリゾートで暮らしたい! ぜひ長期滞在プランをお願いします。
ワインスイートメゾネット
1泊 32,100円~(2名1室利用時1名あたり、税込、朝食付)
取材・文/関屋淳子 撮影/yOU(河崎夕子)