第64回 海外に行かなくても、青い海と白い砂、そして極上のホスピタリティーがある!「星野リゾート リゾナーレ小浜島」(沖縄県・小浜島)

多田がファミリーで、八重山諸島にある「西表島ホテル」と「リゾナーレ小浜島」を訪ねた、夏先取りのレポート2回目。今回は「リゾナーレ小浜島」をご紹介します。サマーバケーションの参考にぜひご覧ください。

気の向くままに自分たちで行ける楽しさ♪ 
電動キックボードに乗ってビーチへ繰り出そう

秘境・西表島を後にしてフェリーで30分。さとうきびと牛の島、小浜島に到着です。NHK朝の連続ドラマ「ちゅらさん」の舞台といえば、どんな雰囲気かぴんとくる方もいらっしゃるかもしれませんね。

八重山のてんぶす(へそ)といわれる小浜島。のんびりとした優しい雰囲気の島です

「リゾナーレ小浜島」は、スタイリッシュなデザインと豊富なアクティビティを備える西洋型リゾート“リゾナーレ”ブランドの5番目の施設として、2020年7月にグランドオープンしたばかり。星野リゾートにはいくつかのサブブランドがありますが、ファミリー向けの設備やサービス、アクティビティが充実しているリゾナーレは、我が家にとっては利用頻度が高く、大好きなブランドです。

ラグーン周辺に点在する全60室のオールスイートのヴィラは、南の島の小さな集落のような一体感があります

チェックイン後、まずトライしたのが電動キックボード。「リゾナーレ小浜島」では、ゲスト自身が電動モビリティを使って移動できる「モビリティ・ヘブン」の実現を目指しています。以前は、スタッフが運転する電動カートしか移動手段が無く、電話をして迎えに来てもらうしかなかったのですが、キックボードをレンタルすれば、自分たちで自由に客室とレストランやビーチを行き来できます。

電動キックボードの使い方は数分のレクチャーのみで大丈夫。12歳から借りることができ、それ以下の子供には電動ではないキックボードのレンタルがあります。家族みんなで同じ体験ができるのってうれしいですよね

客室周辺とビーチは歩くと10分ほど。たいした距離ではありませんが、キックボードの手軽さはやはり便利。最初に書類記入をすれば、後は滞在中いつでもポートに停められたキックボードを借りて乗ることができます。またすぐに乗るのであれば、客室前に停めておいてもOK。
キックボードで風を切り、花や生き物を愛でながら移動すると、自分の島のような愛着が生まれます。我が家は親子共に日頃からキックボードを愛用しているので慣れたもの。早速ビーチへ繰り出しました。

まるでリアル「あつ森」の世界! 
楽園とはここのこと⁉︎ ひと足早く夏を先取りです

ビーチまでの道には南国の花が咲き乱れ、オオゴマダラやジャコウアゲハ、リュウキュウアサギマダラ、スジグロカバマダラなどの蝶々がヒラリヒラリと舞っています。白砂のビーチにはサンゴやシャコ貝が打ち上げられていて、ヤドカリの姿もあちこちに見られます。

鮮やかな花が咲き乱れ、花の蜜を求めてたくさんの蝶が飛び交っていました


日本最大級のオオゴマダラをカメラに捉えました!飛ぶ姿はとっても優雅!

なんだかこの光景、どこかで見たことがある…と思ったら、人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」の世界そのもの。家族全員、ゲームの中に飛び込んだかのような夢の光景に、日常を忘れるスイッチが起動、南国リゾートを満喫するぞ!と気合が入りました。

このプライベートビーチには、ビーチハウスとプール、BOOKS&CAFE、ガジュマル広場があり、早朝から夜まで、好きな時間に来てはくつろぐことができます。
早速、息子は水着に着替え、私と夫はビールで乾杯! 青い空、澄んだ海、心地よい潮風…コロナ禍で忘れていた爽快感です。ビーチとプールではライフジャケットや水中メガネなどのレンタルがありますし、ライフセーバーも常駐。水着やラッシュガードさえ持参すればOKなのが、リゾナーレ滞在の便利さです。

この日は少し風が強く、海が波立っていましたが、本来はとても穏やかだそう

ちょうどビーチでは、リゾナーレ5施設共通の春イベントが開催されていました。リゾナーレ小浜島は「ビーチの花咲くリゾナーレ」と題し、ビーチにハイビスカスのモチーフアートが飾られていて、目にも鮮やか。BOOKS&CAFEではエディブルフラワーを添えたグアバフレーバーの「お花かき氷」の提供や、200輪のハイビスカスが咲く小道「ハイビスカスロード」の散策も楽しめ、とことん夏気分のお花見が体験できます。

白砂にお花のモチーフアートがよく映えて、自撮りがはかどりそうです!

「ビーチの花咲くリゾナーレ」 
4月1日から5月31日/9:00 〜18:00/無料

今回、私たち家族が利用した客室は、95平米のロイヤルスイート。全60室の中で2室のみの最も広い客室で、プライベートプールとジェットバス、ガセボを備えたリゾート感いっぱいのお部屋。息子は「こんなお部屋、日本にあるんだねぇ」と感動しきり。そぅ、海外旅行が憚る今、日常を忘れられるようなビーチリゾートは夢のまた夢のように思いがちですが、リゾナーレ小浜島なら、その夢が叶います。

小浜島の魅力を表現したアートウォールやディベッドが非日常の滞在を演出。他にベッドルームもあります


大人も十分泳ぐことができるプールやジャグジー、お昼寝に最適なガセボのある庭付きです

八重山の食材とスペイン料理の融合! 
フードロス問題も解決する多彩なメニューに舌鼓

食事はビュッフェレストラン「Ooli Ooli(オーリ オーリ)」を利用します。朝食と夕食はビュッフェスタイル、ランチはアラカルトを注文できます。
夕食のメインメニューのひとつが、「海の香りのパエリア」。八重山諸島では、素材の旨みを塩やハーブなどのシンプルな味付けで引き立てる料理が多くあるのですが、それが実はスペインの調理法とよく似ているのだそう。そのため、八重山でよく獲れるタコやエビなどの魚介類を用いた、パスタパエリアを提供しています。

魚介の出汁が染み込んだパスタパエリア。スペインと八重山が似ているなんて驚きです

他にもあぐー豚の柔らかシチューや軟骨ソーキ、ヤギ肉をブレンドしたOoli Ooliハンバーグ、タコの唐揚げ、ゴーヤやグルクンの天ぷらなど、島の食材が並びます。おもしろかったのが、島唐辛子、島ニンニク、シークヮーサーのオリーブオイルや、タンカンやマース(塩)のドレッシングなど、独自の調味料がたくさん用意されていること。これらを使って、自在にアレンジ可能で、自分好みの味にできます。

ジーマミー豆腐やソフトクリームに掛けても美味でした。スタッフさんに聞くと、美味しい組み合わせを教えてくれます

また、コロナ禍により、セリ値の下落や消費の低迷に苦しむ水産業や農家を応援するメニュー「海鮮ちらし寿司」と「紅芋と茜芋のトライフル」もぜひ味わってみて。「海鮮ちらし寿司」は、シークヮーサーの酸味を利かせた白身魚や酢飯がとても爽やかで、沖縄らしさを感じる一品。「紅芋と茜芋のトライフル」は芋の風味と甘味が程よく、滑らかな口溶けが八重山ディナーの締めにぴったりです。

「紅芋と茜芋のトライフル」。芋らしさが残りすぎると食後には重たいですが、風味を生かしつつなめらか食感で、ペロリといただけました

ビュッフェの食事とは別に、それぞれにステーキとエビのグリルのメインプレートがあるので、品数は十分。リゾナーレは食の満足度が高いのも特徴ですが、小浜島の土地柄を活かした個性的なラインナップで、美味しく楽しく過ごすことができました。

朝食も八重山食材がふんだんに盛り込まれていますが、総じてキワモノすぎない匙加減が絶妙。普段の食事と味わいが違いすぎると、子供は食が進まないことがありますが、ファミリーの利用も多いだけに心配は無用でした。

リゾートらしい朝食で、子供でも食べやすく、もちろんおかわりも可能!ライブキッチンだから焼き立てを提供してくれます

ライブキッチンでは、キャラメリゼしたバナナと甘酢っぱいタンカン、生クリームをトッピングした「黒糖フレンチトースト」と、半熟卵とベーコンを添えた「エッグベネティクトフレンチトースト」の2種を提供。どちらもリゾートの朝食のツボを抑えていて、選びきれない私は両方いただき、幸せを味わいました。

2泊目の昼にはランチも利用してみました。
昼食は島の散策がてら、外の飲食店を利用するのも楽しいですが、特にファミリー旅の場合、コロナ対策も含めて宿泊者しか利用客がいない上に、勝手がわかっているので、安心して食事を楽しむことができるのが利点です。メニュー数も多く、私の大好物のボリューミーなハンバーガーもあり、海外気分をも味わえました。沖縄らしさを重視するなら、八重山そばやタコライスもおすすめです。

ハンバーガー数種類にカレーや八重山そばなどのほか、お子様向けのメニューもありました

宿泊は1泊朝食付きなので、西表島同様、1日はホテルでもう1日は島の居酒屋を利用、という方も増えているそう。我が家は2泊目の夜は、「ティンガーラナイトディナー」を利用しました。これは、「Ooli Ooli(オーリ オーリ)」の料理をテイクアウトして、浜辺やプールサイド、ビーチハウスなどで食べることができるサービス。
少し天気が怪しかったので、我が家は屋根付きのビーチハウスをチョイス。テーブルに料理を広げ、スパークリングワインで乾杯! 開放感があり、波や虫の声が近くに聞こえ、離島の夜の雰囲気もたっぷり味わえます。

野外での食事はキャンプ気分も味わえます。お酒もテイクアウトできるので大人も大満足です

コロナ禍において、このシステムに私はとても好感を持ちました。島の好きなところにお料理を広げ、密を気にせず自分たちだけで食事ができるのは、プライベート感も高く思い出に残るひとときになりそうです。波の音を聞き、刻々と変わる空の色を見ながら、会話を楽しみ、グラスを傾ける…。ああ、旅の幸せを感ぜずにはいられません。

この日は雨上がりの満月だったので星はあまり見えませんでしたが、月夜の浜辺はめっちゃロマンティックでした!

ところで「ティンガーラ」とは天の川のこと。小浜島は星空の美しさも格別! 食後にはビーチと客室の間に設置された、ティンガーラハンモックで降りそそぐ星を見ながらのひとやすみもオススメです。

南の島を楽しみ、学び、体感するイベントやアクティビティも豊富に開催!

ファミリーでサマーバケーションに小浜島に訪れるなら、夏休みの自由研究を旅先でまとめることができると一石二鳥! 親としては大助かりです。リゾナーレならそんな親の心配もカバーしてくれます。各施設とも自由研究に役立つプログラムを実施しており、リゾナーレ小浜島では鮮やかなサンゴについて学ぶ「サンゴの学校〜夏休みの自由研究〜」が開催されます。
今回は一足早く、特別にその一部を体験させてもらいました。

サンゴモチーフがプリントされた白衣に身を包むと、自然と子供にもやる気が芽生えます

まずは座学でサンゴの生態などを学ぶクイズ仕立てのレクチャーを受け、その後ビーチに打ち上げられたサンゴを探します。さらにビーチからバナナボートで沖に出て、シュノーケリングをして生きたサンゴを観察します。最後には、書き込み形式で写真も貼り付けることができる「キラキラワークシート」を仕上げ、自由研究の完成です。

様々なサンゴを拾っては名前や特徴を教えてもらい、息子もすっかりサンゴマスターに!

座学だけ、体験だけではないので、子供は飽きることなく参加でき、成果物まで仕上げられます。また、親も一緒になって学ぶことができるので共通の話題ができ、良き思い出にもなります。
なんと言っても、南の島のキレイな海が舞台ですから、宿題をやっている気がしません。親があれこれ準備する必要もないのでストレスレス! ぜひ年頃のお子様がいるファミリーは参加してみてはいかがでしょうか。

浜辺には色とりどりの貝殻やこんなカラフルなウミウシも!大人もハマる浜辺学習です

「サンゴの学校〜夏休みの自由研究〜」
7月20日〜8月31日の毎週月曜日・水曜日開催/小学生以上の宿泊者(6歳〜9歳推奨)

もうひとつ、ぜひとも体験してみていただきたいのが、「らくちんビーチアクティビティ〜「幻の島」へ上陸 半日シュノーケル〜」です。小浜島の周囲には、絶景の珊瑚礁スポットがたくさんあるのですが、港を経由して行くと45分ほどかかるところを、この「らくちんビーチアクティビティ」を利用すれば、水着姿で部屋を出て、プライベートビーチから直接ボートに乗り込み、20分ほどでアクセスできます。「長く船に乗ると船酔いが心配」「乗っているうちに子供がグズらないか心配」なんていうファミリー旅の悩みも軽減する、文字通りらくちんなサービスです。

海の真ん中に現れる白砂の「幻の島」。幻のような美しさが瞼に焼き付いています。ウェディング撮影しているカップルもおり、海外リゾート感を満喫できます

ビーチを出発し、まずは干潮時になると三日月形になる「幻の島」で、シュノーケルやフィンの使い方のレクチャーを受けます。その後、無人島近くのお魚畑ポイントへ移動して、シュノーケリングを楽しみます。宣材写真のような南の島を眺めているだけでも幸せな気分になりますが、海の中に潜ればカラフルな熱帯魚やサンゴの楽園が広がります。インストラクターさんが絶えずはぐれないように見守っていてくれるので、手つかずの海を自由に泳ぐことができます。

シュノーケリングポイントの無人島周辺はこの透明度!泳ぎに自信のない方でも、ウエットスーツや浮き具、ライフジャケットがあるので安心です


生きたサンゴとそこに棲むカラフルな魚をたくさん見ることができます

息子はお魚を捕まえるんだと張り切り、フグを捕獲!(しばし観察したのち、リリースしました)。図鑑や水族館しか見たことの無いクマノミやソラスズメダイなどが目の前を泳ぐ姿に、南の島の海を満喫したようです。
「らくちんビーチアクティビティ〜「幻の島」へ上陸 半日シュノーケル〜」
通年/9:00 〜12:00、13:30 〜16:00 /3歳以上

素朴な島の暮らしに触れる「島チャリ」での島内観光も、旅の貴重な思い出に

最後にもうひとつだけ、おすすめのアクティビティをご紹介しましょう。それはレンタサイクルで島をめぐる「島チャリ」です。アシスト付きサイクルをレンタルして(子供は通常の自転車)、ホテルを飛び出して島を自由に散策します。

旅の自由度は満足度にもつながりますよね。気の向くままに散策できる「島チャリ」、オススメです

ちゅらさんに登場したシュガーロードや島全体を見渡せる展望台、巨大マンタの像がある海人公園など、地図を片手にめぐります。クジャクやヤギなどの生き物との出会いや、地元の人との会話もあり、小浜島をより深く知ることができます。

真っ直ぐに伸びる「シュガーロード」。ちゅらさん放映時は両脇がさとうきび畑だったのが、時代とともに牧草地に転換し、現在はさとうきび畑は一部のみ。それでもこのスカッとするような一本道は、通る価値があります


黒糖製造に並ぶ、主幹産業である牛の飼育。あちこちに牛が飼われていて、時にはカワイイ仔牛の姿も


時間がなくて登れなかった、小浜島で一番高い大岳展望台(左)と西大岳展望台(右)。頂上からは八重山の島々までも見渡せるそうです


最近生まれたばかりの仔ヤギちゃん。なんともいえないかわいさですが、ヤギは一応食料として飼われているそうです…


ハブを駆除するために持ち込まれたと言う孔雀ですが、今では島内にどれだけいるかわからないほど増えてしまったそう。ホテル内にも島の中にも、至るところにいました


道の先には絵に描いたような色の海!「海まで突っ走りたい」と、息子も夫も思わず立ち上がって、爽快な風を満喫

外国リゾートのような夢のひとときも良いのですが、風に揺れるサトウキビやのんびり過ごす牛やヤギの姿などにも八重山らしさがあります。ぜひ島チャリで繰り出して、長閑な雰囲気も味わって欲しいと思います。

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春先でも夏の気候が体感できる小浜島。半袖でいられる時期が長く続くので、サマーバケーションも時期をずらして楽しむことができます。「リゾナーレ小浜島」で、ラグジュアリーなファミリー旅をいかがでしょうか。

「星野リゾート リゾナーレ小浜島」
https://risonare.com/kohamajima/
1泊朝食付き24,000円〜(2名1室利用時の1名料金)

(取材・文/多田みのり)

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